恋がしたいけど、心がついてこない。婚活で「好きな人」に出会うには?

発言小町に「婚活での自分の気持ちとの折り合いについて教えてください。」という投稿が寄せられました。
トピ主さんは、昨年から婚活を始めた37歳の女性。第一印象で「いいな」と思った相手にデートに誘ってもらえることが多いものの、その後食事などに出かけても、結局「次に会いたい」という気持ちになれずお断り……というパターンが続いているそうです。子どもがほしいトピ主さんは、「気が進まなくてもお付き合いをした方がいいのでしょうか?」と尋ねています。

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「好きになれそうな人」の探し方…まずは今までの恋愛を振り返ってみよう


トピ主さんが婚活で最も重視しているのは、自分の気持ち。投稿には、「(婚活で)年収等の条件がはっきりしていると絞りやすいのでしょうが、『自分が好きになれそうな人』という曖昧な条件がダメだとわかってはいる」という記述もあります。結婚・出産を目指してはいるものの、「まずは恋愛をしたい」「その感情を持てる相手と結ばれたい」というお気持ちがあるようです。

婚活には、さまざまな考えの人が集まっています。「経済的な安定」や「今すぐの結婚」を求めている場合、条件や価値観などが合えば早々に決断したいと考えるケースもあることでしょう。トピ主さんを誘った男性陣も、早々に交際を申し込んでいるようです。

しかし、トピ主さんは“第一印象のよさ”だけではダメで、きちんと心が動かないとOKできない。であれば、最初からそれを相手に示しておくのも一案です。あまり結論を急がず、「ちゃんと好きになってからの交際で構わない」という、近しいスタンスのお相手も見つかりやすくなるかもしれません。

またトピ主さんは、「婚活で、好きになれそうな人を見つける難しさ」を感じているようですね。一つのヒントとして、今まで好きになった男性のタイプや、恋に落ちた状況などをじっくり思い返して検証してみると、「恋に落ちやすい相手のタイプや状況」など、多少なりとも傾向が見出せることと思います。どういう場所で、どんな関係の人を好きになりやすいのか。一目惚れはしやすいのか、それとも時間がかかるのか。異性に心をつかまれるのは、優しくされたときなのか、それとも何かを頑張っている姿を見たときなのか……。

自分が恋に落ちやすい相手のタイプやシチュエーションが分かれば、それが叶いやすい出会いの場や婚活の種類などを、今以上に厳選してみるといいと思います。「婚活自体に向いていない気がする」という自覚があるならば、日常生活のなかでの出会いもぜひ考えてみて。もし、これまで人を好きになった経験があまりないのであれば、友達や家族のように「一緒にいて楽な人」「心が安らぐ人」といった基準で探してみるのもいいかもしれません。自分の恋愛傾向をきちんと自覚し、行動の場を相手を選ぶ基準を変えてみると、今よりも「好きになれそうな人」に出会える確率が上がるかもしれません。

つらくなるのは、「〜しなければならない」思考が原因かも


トピ主さんは、婚活でチャンスはあるのにうまく心がついてこないことについて、とてもつらい気持ちになる、とつづっています。そうした記述から、トピ主さんの心に「心理的リアクタンス」が起こっている可能性を感じました。

人間の心には、程度の差はあれ、生まれつき「自分の行動や選択を自分で決めたい」という欲求があります。子どもの頃、自分で「そろそろ勉強をしよう」と思っているタイミングで、親に「勉強しなくていいの?」「早くしなさい!」などと言われると、急に反発心を覚え、勉強をしたくなくなってしまった――そんな経験はないでしょうか。それが自分にとって良いことだとわかっていても、強制されると、なぜか抵抗心を覚えてしまうのですね。

今のトピ主さんは、「仲良くしていかないといけないと思うのですが」「出産を思うと、続けていかなければいけない」などと、自分自身に婚活を“強制”しているようです。しかし、こうした「~せねばならない」といった思考をしている限り、心はいつまでも抵抗を続けてしまうでしょう。

「心」の声は、「ちゃんと好きな人を見つけて結婚したい」と言っている。でも「理性」のほうは、「出産年齢も迫っているし、よさそうな人なら、さっさと結婚してしまいなさい」と命令してくる。言うことを聞かない自分の「心」をトピ主さんは持て余し、「なぜ私は頭で考えるとおりに行動できないのか……」と落ち込んでしまうのだと思います。

「心の声」を無視はできる人は、ほとんどいません。今、無理に心を押さえ込んで交際したとしても、そのうちに「納得できない」という気持ちが生まれてしまうことでしょう。結婚したところで、その先で幸せでなければ、意味がないですよね。いろいろと考えてはしまうでしょうが、「私は好きになれる人と結婚する」という自分の譲れないポイントを決めてしまったほうがいいと思います。それだけで、かなり気分が軽くなるはず。少なくとも、心惹かれない相手との交際を断る際に、「なんで私はOKできないんだろう……」などと落ち込まなくて済むはずです。

それに、「ちゃんと好きな人を探していいんだよ」と自分に許しを与えてあげると、不思議なことに、今までの抵抗感が軽くなっていく可能性も期待できます。異性の好意も、もしかしたら以前より素直に、自然な形で受け取れるようになるかもしれません。「~しなければならない」思考が自分を縛っている場合、一度それを取り除いてしまったほうが良い変化は起きやすいので、ぜひ試してみてくださいね。

思い通りになることばかりではない人生。肯定してあげられるのは自分だけ


投稿には、出産への焦りを書いた記述がたくさん見られます。リミットは確かにありますし、トピ主さんは卵子凍結も考えているそうですね。ただ、どんなに医学が発達した現代でも、「絶対に」どの女性も望めば子どもを授かれる……ということにはなっていません。

ましてトピ主さんは、「好きになれる相手と結婚したい」という願いもある。「どちらも絶対にかなえなくては!」と躍起になっていると、愛情関係を育むのに必要な心の余裕や思いやりもなくなりがちなので、そのあたりは多少、「なるようになるし、なるようにしかならないことだ」と腹を据えておくことも大切かもしれません。

どんな状況にあっても、自分の人生を肯定してあげられるのは自分だけ。「こんな37歳の私を誘ってくれるのだから……」といった自己否定的な記述もありますが、「今の私をすてきだと思ってくれる人がいるなんて、うれしくて、ありがたいことだな」と素直に受け取って、次への“力”にしていきましょう。そして時々は、目標に向けて頑張っている自分を、自分で褒めてあげるといいのも思います。「今はまだ出会っていないだけ」「そのうちにきっと、好きになれる人に出会えるはず!」と明るい気持ちで取り組んでいけるといいですね。応援しています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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