彼女に作られて「もうやめてくれ!」と叫んだ激マズ料理

「あなたのために手料理作りたいなあ~」
ベタ過ぎるセリフではあるけれど、日々の仕事で疲れ果てた男性は彼女からこんなふうに言われたらやはりうれしいに違いない。

そして女性たち自身もこう思い込んでいるフシはないだろうか。
「なんだかんだ言ったって、オトコなんて結局女の手料理にコロッと参るんだよね。ちょろいもんだわ~」

……確かに女の料理で陥落する男性は単純でカワイイ。けれど彼らだってちゃんとした“味覚”を持っている。男性陣が“この女と結婚したい!”と思うのは「そこそこちゃんとした一品」であって、決して「勘弁してくれ!」と叫びたくなるような献立ではないのだ。

今回は男性たちに「彼女や妻に作られて“もう止めてくれ!”と叫んだ激マズ料理」についてリサーチしてみた。コレを読んであなたもいまいちど自分の腕前を再確認してみてほしい。

目次

ブドウジュース100%ビーフシチュー


・「アレは忘れもしない、三年前のクリスマス。その少し前から付き合い始めた恋人に『私がご馳走作ってあげる!』なんて言われて喜びもMAX。普段は買わないような高い牛肉を買ったりして、そこまでは楽しかった。けれど当日、出てきたビーフシチューを一口食べてみて冗談じゃなく吹いた。甘い甘い! クチの中に残る妙な甘ったるさ!!
『コ、コレ何!?』って聞いたら彼女は澄ました顔で『レシピには赤ワインを1本使えって書いてあったんだけど、私お酒飲めないからブドウジュースにしたの~。ちゃんと果汁100%の使ったよ』と何故か得意げ。恐ろしいことに彼女はその甘ったるいシチューをウマそうに平らげてた。どういう舌をしてるんだ? 年明けから徐々にフェードアウトしたことは言うまでもない」(30代・人事)

――煮込んでいる時から部屋に甘いニオイが漂いそうなシチューである。
恋人と初めて迎える大イベント、さぞや双方とも気合いが入っていただろうに、その熱情をも冷めさせる味だったことだけは間違いない。

バケツプリン


・「スイーツ大好きな僕に、彼女が夢の『バケツプリン(※清潔な小さいバケツ容器で作る超巨大プリン)』を作ってくれることに! 見た目はなかなかソレぽっかった。……でもニオイが! なんていうか人生未体験の、日本の文化にない臭気……! おそるおそる聞いてみたら『バニラエッセンスがなかったから、“バレリアン”ていう乾燥ハーブで風味付けしたんだよ~すっごく体にイイの』だって。
そういや彼女はハーブ関連の資格を持ってた。卵10個、牛乳1リットル以上、制作時間丸1日を費やした彼女の力作をムダにするワケにいかなくて、涙目でそのクサいプリンを完食。いい子だからまだ付き合ってるけど、他にも感性が独特すぎて、将来とかはあまり考えられない」(20代・金融)

――バレリアンは別名「セイヨウカノコソウ」とも呼ばれている。ストレスや不眠に効能があるとされ、欧米ではサプリメントとして広く使用されているハーブだ。この彼女は最近眠れないという彼の身を案じ、一石二鳥のナイスアイディアだと思ったのだろう……。あなたがこの“バレリアン”のニオイを嗅ぐ機会があればぜひ試してみて欲しい。尾籠(びろう)な話で恐縮だが、“排泄物っぽいニオイ”と形容する人もいるほどのキョーレツな香りなのだ。
また女性にはハーブ好きは多くても男性には苦手という人も多いので、彼に好みを確認してから作ったほうが良さそうだ。

マトンの肉じゃが(臭み抜き一切ナシ)


・「妻が結婚後初めて作ってくれたのが、脂肪燃焼効果があって体にイイという“ラム肉を使った肉じゃが”だった……んだけど、『スーパーにラムが無かったからお得なマトン買ってきちゃった~』と臭みの強い大人羊の肉に変更になったうえ、イモは煮崩れてどろどろ……。そこに何の下処理もされてない羊の臭みがしみこんでもう地獄!! どうも顆粒だしすら入れず、調味料を目分量で鍋にブチこみ、その上から水道水をどばーっと注いで“水の状態から”全部の材料がクタクタになるまで煮込んだものらしい。キャリアウーマンの妻は、仕事が忙し過ぎて独身時代は料理なんて一切してなかったみたいだけど、マズイという以前のこの調理法に呆れたのはいうまでもない」(20代・システムエンジニア)

――羊肉の独特の風味がニガテな方には読むだけで涙目になるようなエピソードだろう。
「飯マズ彼女」の条件には
1.勝手なアレンジを加える
2.調味料をきちんと計らない
3.味見をしない などの共通項があるそうだが、この女性には見事すべてがあてはまってしまった。大手クッキングサイトが流行っているが、“料理に自信のない”女性は素直にプロのレシピや料理本を忠実に再現したほうが無難。妙なアレンジに走らず、「王道」を貫くのが、彼のハートと胃袋をゲットする最短コースなのだ。

男性たちは料理の腕前で女性の人格まで評価する!?


いかがだっただろうか。「私、いくらなんでもココまでヒドイ料理作らないし~」と女性の皆さんが笑っていてくださることを祈る。

男性たちが引くのは彼女のマズイ料理そのものではない。もちろん誰だってヒドイ味の料理を食べるのはイヤだし、美味しいほうがいいに決まっている。だが“あんまり美味しくない献立”を一度くらい出されたところで彼氏はひるんだりはしない。
けれど「あまりにあり得ないトンチンカンな味付け」「普通は使用しない素材」「ルールを無視した手順で作られた献立」を前にすると、彼らはあなたの「感性や人間性」まで疑うようになってしまうのだ。

“こんなにマズイものを作る彼女は、いったいどんな環境で育って来たんだ!?”
“ココまで変な味付けの料理を平気で出せるって……もしかして彼女とオレは相容れないかも知れない”
“俺のこと、キライなのか?もしかして本当は愛情がないからこんなの作るのか!?”

……たとえあなたがその一品のために、何時間費やそうが、どれほど高価な材料を使おうが関係ない。男性たちは調理の手間暇などは重視しない。彼らは完成品の“味”であなたのセンスや人格まで判断する生き物なのだ。
せっかくの手作り品には大して見向きもされず、「ただ焼いただけの冷凍餃子の方がウケが良かった」なんて言われた腹立たしい経験は、彼氏や夫に料理を作ったことがある女性ならば一度はこんな経験しているだろう。

“飯マズ彼女”や“飯マズ妻”が男性たちから敬遠され、別れるだの何だのの騒ぎにまで発展してしまうのは、人間としての「サバイバル本能」のようなものなのかもしれない。

「だったら自分で作りなさいよ!」……女性がそう言いたくなるのもわかるが、何事も「できない」よりは「できる」に越したことはない。
果たして男性たちはどんな料理を心底から求めているのだろうか? 次号のコラムではそれをお届けする。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニストとして活動し、ヒット記事の数々生み出す。大手ポータルサイトにてコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題を得意とし、文章セミナー、婚活セミナー講師も手がける。

関連記事