オシャレは人のため? それとも自分のため?【漫画コラム】

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あらためて考えてみると、人はなぜオシャレするのでしょう。
「ファッションが好きだから」「身だしなみ」「自己表現」「○○な女に見られたいから」などなど理由は人の数だけありますが、女がオシャレする理由をひと言でまとめるならば、「ワクワクするから」。これに尽きる!

筆者の場合、まず「こういうファッションがしたい」というイメージ画を頭の中でサササッと描きます(昔は実際に絵に起こしていました)。あとはイメージ通りのモノをしらみつぶしに探すのみ。どうしても見つからなければ、自分で作ることもありました。現在はさすがにそこまでの情熱はなくなりましたが、今でもいちばん楽しいのは、イメージ通りのモノを求めてネットで服を延々と検索しているときです。

オシャレは理想の自分を具現化させる作業です。
どうやったら「こうありたい自分」に近づけるか、その方法を考えているとき、私たちの脳内には麻薬様の物質がダバダバと分泌されているに違いありません。オシャレにうっとり気分は欠かせないのです。

微妙に古い話ですが、少し前に某駅ビルのウェブCMが炎上しました。CMの内容に女性蔑視の視点が含まれていたことが理由です。そのストーリーをざっくりまとめると、地味め女子とゆるふわ系可愛い女子の2人を男性上司が比較してからかい、地味め女子が「変わらなきゃ」と決意するというもの。CMでは「あえて」差別的な男性を登場させていたようですが、最後にフォローやオチがなかったことで、多くの人を怒らせてしまいました。
女性蔑視の視点もマズイものの、筆者が感じたのは「このCMの制作者は女性がオシャレをする理由をまったく理解していないなぁ」ということでした。オシャレにうっとりとワクワクは欠かせません。会社の空気を乱してるわけでもないのに、上司の言葉が理由でファッションを変える人はまずいないでしょう。

そもそもオシャレは人のためにするものか、自分のためにするものか。
TPOにもよりますが「自分視点=自分が考える理想の姿」、「他者視点=他者に不快感を与えない姿」と考えると、結局は両方の視点がないと成り立たない。一見好き勝手やってそうなレディー・ガガのようなファッションも、そこには「見る人を楽しませたい」という気持ちがあります。自分の快と他者の快がイコールで結ばれたとき、「ブラボー!」と叫びたくなるようなファッションが出来上がるのかもしれません。そのセンスを育てるには、快と不快の感情に敏感になることなのではないでしょうか。そう考えるとファッション上級者って、なんだかモテそうですね。
(アオノミサコ)

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この記事を書いたライター

アオノミサコ
イラストレーター・漫画家。美容から神事、ディープスポット巡り等の漫画やコラムを執筆。著書『わがままセラピー入門』(KADOKAWA)が販売中。

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