他の女子を褒める彼にモヤモヤ…「嫉妬」を感じたときの対処法

発言小町に「彼氏が他の女の人を可愛いと言ったらモヤモヤが止まらなくなる」という投稿が寄せられました。
相談者さんには彼氏がいますが、その彼が他の女性を「可愛い~」「めっちゃきれい」などと褒めると、モヤモヤしてしまうそうです。「皆さんはどう思いますか?」「どうしたらうまく聞き流せるようになれるでしょうか?」と問いかけています。

目次

「嫉妬」を感じたときの対処法


もし「恋人が目の前で別の異性を褒める」という場面に直面したら、皆さんはどんなふうに感じますか? 嫉妬する人、まったく気に留めない人、気にならないふりをする人――いろいろいると思います。「多少は気になる」という場合、どんな対処があるでしょうか。まずは思いつく限りを挙げてみます。

とりあえず気持ちを発散する
(1)「そういうこと言うと妬いちゃうな~」などと可愛くやきもちを妬いてみる
(2)黙って不機嫌になる、すねる
相手の態度を変えてもらう
(3「デートの時は、目の前の相手だけを見るのが最低限の礼儀だと思う」などと彼を説得する
(4)自分も他の男性を褒めて、彼にも「嫉妬の気持ち」を理解してもらう
自分の心持ちを変える
(5)「そうだね」「たしかに」などと、一緒になって褒める
(6)「嫉妬は独占欲やプライドから来るもので、愛情じゃない」などと自分に言い聞かせ、気持ちを収める
(7)その場は気にならないふりをするものの、悔しいので、自分も隠れて「外見を磨く努力」をする

1と2は、とりあえず嫉妬の感情をあらわにしてみる方法です。このくらいの意思表示でやめてくれるかどうかは相手次第。場合によっては、ケンカになってしまうこともあるでしょう。

3や4は、「嫉妬させるような態度をしないで」と相手に求める方法。どうしても相手にそういった態度をやめてほしいと思うならば、試みてみてもいいかもしれません。

しかしながら、「他人はなかなか変えられないもの。自分が変わったほうが手っ取り早い」という考え方もあります。他の異性と競おうとするのではなく、「芸能人を褒めているようなもの」と考えて、「一緒に褒める」という態度でいると、相手からの印象もいいだろうと思います。6は理性で感情を律する方法。7は努力が必要ですが、本気で頑張れば、今よりも綺麗になって自信がつき、嫉妬心を抱きにくくなるということも考えられるでしょう。

「特別扱い」を望みすぎると、恋愛は破綻することも


彼氏が、他の女子を褒めるとモヤモヤする。この気持ちに潜むのは、「自分だけを特別扱いしていてほしい」という感情です。恋愛ではつきものですが、あまり心のままにこの感情を暴走させていると、致命的な関係悪化を招くこともあります。

冷静に考えれば、「見た目だけを認めた異性」と「恋人」という存在は、まったく別次元。トピ主さんは、「きれい」や「可愛い」という価値だけで、彼が自分と付き合っていると思いますか? 他にも認めてくれている部分や好きになってくれている部分があり、他の女性とは違った「特別な気持ち」が湧いたからこそ、彼はトピ主さんと付き合っているのではないでしょうか。そう考えれば、容姿が優れた異性を褒めたからといって、その人と自分を“同一線上で”比べる必要はないでしょう。

つまり「彼女」になっている時点で、トピ主さんは彼にとって十分に「特別」だということ。交際に慣れると忘れてしまいがちですが、それを自覚していれば、彼が他の女性を褒めても、多少はうまく聞き流せるようになるかもしれません。

「美人」という自信は揺らぎやすい


投稿には、「それなら私よりも可愛いきれいな子と付き合えばいいのに……」という一文がありますが、ここから見えてくるのは、「自信の揺らぎ」と「対抗心」の感情です。

まず「自信」について。人は恋をすると、好きな異性からの「評価」が気になって、恋愛の展開次第で自信を失いがちになったり、急に自信満々になったりすることがよくあります。

しかしそうした自信は、自分の内部から発したものではないので、相手の態度や恋愛の成り行きに左右されやすく、とても揺らぎやすいものです。心が不安定になり、「もっと私を特別扱いして、自信をつけさせてよ!」という“キリのない欲望”が暴走することも考えられます。そうなると、彼はトピ主さんの魅力を感じ取りにくくなってしまうでしょう。せっかく恋人という「自分を認めてくれる相手」がいるのですから、それをプラスの力にしながら、自分でもしっかり自信を維持していくこと。「彼といるからこそ、私自身の人生も楽しく頑張ろう、私らしい魅力を磨いていこう」などと心がけていきましょう。

続いて、「対抗心」について。投稿を読む限り、「もしかしたらトピ主さんは自分の容姿に自信がないわけではないのかも?」という印象を受けました。「私で不満なら、他の女性を選べばいいじゃない?」といった気持ちを感じたからです。本当に容姿に自信がない人の場合、「自分のような不美人と付き合ってもらって、彼に申し訳ない……」などと恐縮しがちで、美人と自分を同じ土俵で比較しないことが多いように思います。

エッセイストの酒井順子さんは、「私は美人」(朝日文庫)という作品の中で、「人間は、自分の容姿を複眼的に認識する生き物である」という意見を述べています。わかりやすく言えば、人は自分のことを「美人」だと思ったり、「ブス」だと思ったり、その間を揺れ動くものではないか……ということ。トピ主さんもそうなのではないでしょうか。普段は「私もそこそこ悪くない」と思っているものの、美人の女性が目の前に表れれば、「自分はたいしたことない」と自信を失ってしまう。そしてそういう人を見ると、「自分より美人だから、彼を取られるかもしれない」と対抗心を抱くのかもしれません。

これは誰にでもある「相対比較」の心理。そんなふうに考えれば、私たちの周りにある「美人」というのは、とても流動的な価値だと思いませんか? 上を見ればキリがないし、下を見て優越感を得たところで、その自信も儚(はかな)いもの。人によって好みも大きく違いますし、年齢による変化もあるため、「美しさ」だけに自分の“女性としての自信”を築こうとするのは、とても危ういことのように思います。

そこでおすすめは、自分のなかに容姿以外の“確固たる何か”を持つこと。仕事で成果を出している、夢に向けてコツコツ頑張っている、人間関係を大事にしている、人のためになる活動をしている、日々丁寧に暮らしている……などなど、何でも構いません。トータルで見た「自分という個性」に胸を張ることができれば、彼が他の女性の容姿を褒めたくらいで、トピ主さんの自信は大きく揺らがなくなると思います。

すてきな彼に選んでもらった私には、容姿以外にどんな魅力や長所があるだろう――。まずはそんなところから考えてみてはいかがでしょうか。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事