確実でないと行動しない? 男性がプロポーズする時の本音

前回のコラムでは、「女性にとって感慨深かったプロポーズ」について紹介した。
それぞれ環境や状況は異なっても、女は好きな男性から“結婚して欲しい”と望まれた事実そのものに心打たれるのだという内容だった。

ならば今度は男性側にとって思い出深い「プロポーズの言葉」とはどのようなものなのだろうか?“プロポーズ前”の女性も、“もう既にプロポーズされた”という女性も一緒に見てみよう。

目次

特になし(笑)


・「す、すみません、覚えてないです! 多分フツーに『結婚してください』だったような……?」(30代・飲料メーカー勤務)
・「付き合いの長かった当時の彼女とは、あまり特別な言葉などない感じで一緒になった。確か数年目の記念日に、『そろそろ結婚しようか~』『そだね~』みたいな感じだったと思う。よくテレビで“サプライズプロポーズ”とかやってるけど、あんなのよくやるよなあ~と思う」(30代・PC関連メーカー)
・「“結婚するならコイツと”と思い続けて付き合ってきたため、自然な流れで一緒になった自分と今の嫁。ハッキリしたプロポーズはナシで結婚したことを、いまでもたま~に責められる(笑)」(40代・営業)

――女性の皆さんはガッカリするだろうが、男性側の回答で多数を占めたのがこの「特になし」「覚えてない!」である(笑)。周囲をもハデに巻き込んでの「ドッキリまがいのプロポーズ大作戦」など敢行する男性はごくわずか。やはりその手のものはお国柄の違いもあり、海外特有のノリなのでは? と思わせる答えである。“照れ臭い”という気持ちもあるだろうが、
「付き合いの末に自然な流れで結婚」というのが男性に取っては一番なのだということなのだろう。

俺と家族になってください


・「苦しい時もずっと支え続けてくれた彼女との結婚を決意してから、プロポーズの言葉どうするか悩みに悩んだ。本やネットで『女性が喜ぶプロポーズ集』みたいなのを調べてみたりもしたけど、どれもこっぱずかしくて……。それでも彼女とのデートの日は迫ってくるし、当日になってもまとまらないままポロッと出てきた言葉がこれ。「俺と家族になってください」……彼女すごく喜んでくれたから良かったけど。『何て言っていいかすごく悩んだ』って言ったら、『そんなの何でもよかったのに~』って言われてけっこう拍子抜けした……」(30代・物流システム)

――「いつ結婚してくれるの!?」とやきもきする女性側もだろうが、プロポーズをする側の男性も、なんと言うべきか悩んでいることが判明。言葉選びに悩んでいる男性なら、女にとってのプロポーズが一大イベントであることはよーく分かっている。だからこそ相手の“記憶に残るセリフ”を求めて、この男性のように努力したりもするのだが……。
しかし女性が喜びそうなセリフはどれもカッコ良すぎるものばかりで「俺のキャラに合わねえ~~!」と煩悶することになるのだ。飾り立てた言葉よりも自分の身の丈に合った申し出のほうが相手の心を打つのは言うまでもない。「ポロッと出た」この男性の言葉こそ「正解」だろう。

ずっと一緒にいて」


・「正直、“結婚しよう”と言うのは恥ずかしかった。“大切にするよ”っていうのも面と向かってだと言えなくて……。それで自分がやっと言えたひとことが、この『ずっと一緒にいて』でした。本当は『死ぬまで一緒にいて』って言いたかったんだけど、重すぎて怖がられちゃうかなと思って言えず……。彼女に『それってプロポーズってこと?』って聞き返されたときは、おおっ伝わったんだ~ってほっとした」(20代・人事)

――20代~30代前半くらいの世代に多かったのがこのパターンだ。ストレートに「結婚しよう!」「俺達家族になろう!」「キミを幸せにする!」と言い切れるだけの自信はないけれど、それでも「彼女とずっと一緒に過ごしたいという気持ちだけは本物」という意思を表すのにちょうど良い、ということなのだろう。ちょっと自信なさげなプロポーズであったとしても「私もずっと一緒に居たいな」と思えればあなたの彼への気持ちも本物である。

男性は“玉砕覚悟”でのプロポーズは滅多にしない


今回のリサーチの結果から浮かび上がってくることは、男性は「いちかばちか、当たって砕けろ的な、“玉砕覚悟”でのプロポーズや人を巻き込んで大ごとになるサプライズプロポーズは滅多にしない」ということだ。
つまり「もしかしたら断られるかも」「拒否されるかも」という状況下で女に結婚を申し込むようなヘマはしない。男性たちは「これなら大丈夫かな」「まず断られることはないだろう」という“安心感”を持ってこそ求婚という大事業に着手できるとも言える。「プロポーズの言葉なんて覚えてないほど自然な流れで」という答えが最も多かったのは、そのあらわれだろう。

ならば「結婚したい」女性がすべきは、「私はあなたとの結婚を拒まない」「私はあなたとの結婚を決して断りません」と匂わすことだ。
男性に準備ができていない場合はあまりプレッシャーをかけすぎるのは逆効果だが、常日頃から自然に意思表示しているといいだろう。
「プロポーズの言葉」や「あらたまって……」に二の足を踏みがちな男性を行動させるためにはとても重要だと言える。

NPO法人地域活性化支援センターが主催した『第9回 全国プロポーズの言葉コンテスト 2015』で最優秀賞に選ばれたのは、「いまは不良債権だけど、そのうち当たりの宝じになるかもしれんけん……。もらって!」(大阪府・女性)という、女性側からの“逆プロポーズ”の言葉だったそうだ。

これからの婚活においては、「確実でないとためらいがちな男性」に代わり、女性側が賢く引っ張っていくくらいでないと、欲しいものが欲しい時期に手に入らない……ということなのかもしれない。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニストとして活動し、ヒット記事の数々生み出す。大手ポータルサイトにてコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題を得意とし、文章セミナー、婚活セミナー講師も手がける。

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