山場と終わり方が肝心! デートで好印象を残す具体的な方法とは

以前にもお話ししました「ピークエンドの法則。おさらいしますと、「アメリカの心理学者ダニエル・カーネマンなどによって提唱された人間の思考方法のひとつ。私たちは自分自身の過去の経験を、そのピーク時にどう感じていたか、それがどう終わったのか、この2点だけでほとんど判断するという心理作用のことです。これをうまく活用して、デートで好印象を残すには!? うまくいけば2回目にもつながりますよね? そこで、具体的な活用方法を伝授します。

目次

デートをひとつのストーリーとして考えてみましょう


たいていの場合はデートで失敗しないよう、ソツなく無難にこなそうとするはず。すると最初から最後まで同じような緊張感が続き、中の上くらい? ずーっと70点くらいの出来となってしまいます。すると大きなミスはないとしても、全体的に山場がないのです。思い返してみるとぼんやりとした印象しか残っておらず、「よくできました=なんとなくつまらない」という印象が残りがち。なにをしたんだっけ……? と、メリハリのないストーリーは、あっという間に記憶の彼方へ追いやられてしまいます。

ピークとエンドを作り出す


ピークという部分がやや難しいですね。例えば映画を観に行くデートだった場合、メインは映画です。ここで面白い映画を選べばいいのかというと、確かにこれも一理あります。でも、映画そのものはピークになり得ません。そこで一緒に思い切り泣いてしまったとか、初めてのデートなのにホラー映画で思わずお互いの手を握ってしまった! という、インパクトが大事。逆に面白くない映画や、官能シーンなどが出てきてしまい、見終わった後に気まずくなるような場合も、大きな記憶に残ります。これもピークです。無難な映画を選ぶより、強烈な印象を残す映画、自分たちが素でリアクションしてしまう映画を選んだほうが、記憶に残りやすいということ。

また映画を観る前後に大きなハプニングに見舞われると、映画鑑賞中の記憶は飛んでしまう可能性があります。デートのメインがいくら映画でも、記憶はよりインパクトのある方をピークととらえる。だからそこでの立ち回りがスマートに行えれば完璧です。またはおかげでおっちょこちょいなあなたを見せることになってしまったとしても、それは好印象へつながるはず。自分だけ逃げだそうとしたとか、「あなたのせいで巻き込まれた」なんて不満をもらせば、ピークは最悪の結末でインプットされることを忘れずに。

エンドが最も肝心


もしもピークで好印象を残せず、大失敗してしまったとしても大丈夫です。先ほど言ったように、無難な記憶にも残らないデートよりはそのほうがマシです。それにエンドへ向けての、いい布石にもなるからです。ですからデート中「失敗した」と思って落ち込んでいる暇はありません。そこからはエンドに向けて着々と、準備を進める時間。むしろ立ち位置をいったん下げたのですから、エンドで好感度を上げれば、かなりの赤丸急上昇。ピークエンド効果が最も効果的に演出できますよ。

エンドでは腹八分目とミステリアスが鍵


デートの締めくくりですから、最高の笑顔で相手が見えなくなるまで手を振る、後ろ髪を引かれるような思いで何度も振り返るといったアクションも大事。でも、もうちょっとエンドを盛り上げてみましょう。これもまた以前に話した「ツァイガルニク効果」がポイント。これはあなたがどんな人なのか、情報を小出しにすることで好奇心をそそるという方法です。

デート中、アピールしようと思ってペラペラ自分のことを話すのはマイナス。それよりも「え!? その話もっと聞きたい!」「この人はどういう人なんだろう?」と思わせたところで、「続きはまた今度話すね」とか「長くなるから、またゆっくり時間のある時にでも……」と切り上げましょう。この効果は「人はお腹一杯に満たされると興味が失せる」ということを示しています。したがって途中で切り上げられると、気になって仕方ありません。話していて相手が食いついてきた話題をしっかりチェックしてくださいね。そしてその話題は話し過ぎないことです。

さらに途中で切り上げる効果


デート全般を見て「流れもスムーズだったし、まだ思った以上に時間があるな」というところで、「今日はこの辺で」と切り上げましょう。これも「ツァイガルニク効果」です。長く一緒にいたいのはやまやまですが、そこをあえて断腸の思いで帰るのが効果的。長く一緒にいると間延びしてしまって、せっかくのピークエンドもダラダラとした締まりのないものになってしまいます。相手が少しでも「疲れてきた」と思ったらもう遅いかもしれません。「まだまだこれから!」というところで帰り、名残惜しさを引き出しましょう。

デートで好印象を与えて次のデートへつなげるには、全部を完璧に、または平均値以上にしようとするのではなく、メリハリをつけて鮮明に記憶に残すこと。ドジな部分を見せてしまっても、後から考えると、相手にしてみれば微笑ましい印象に変わっているかもしれません。そのためにもエンドには十分気を配って。どんなマイナス印象も、終わり良ければすべて良し、となりますよ!
(鈴木ナナ)

この記事を書いたライター

鈴木ナナ
関西在住のフリーライター。お酒と食べ歩き、人間観察が好き。心理カウンセラーの資格を有し、夜な夜な面白い人を探しに街へ繰り出すのが趣味。食べログ京都マスター。日本最大級の京都グルメインスタアカウント「KYOTO STYLE」アンバサダー。

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