たくましすぎるアラサー女子が男性に大事にされる方法

発言小町に「女は歳を取るとかわいげがなくなる」という投稿が寄せられました。
トピ主さんは来年30歳になる女性。自分のことを省みつつ、「女性は歳を重ねると、ピュアな部分を失い可愛げのない女になっていく」と感じています。20歳くらいの頃は一番モテていたそうですが、今のトピ主さんは、仕事では男性をライバル視するし、恋愛でも男性を見る目が厳しくなってしまっている状態で、「イケメンにすらドキドキしなくなり、男性からも大事にされなくなった」といいます。「やはり男性は従順で素直で守ってあげたくなる女子が好きなのでしょうか?」と問いかけました。

目次

異性への「幻想」が消えた後…もう「ときめき」は感じられない?


20歳の頃は、「飲み会で男性が隣に座っただけでドキドキして顔が赤くなっていた」というトピ主さん。しかし今は、合コンに出かけても、男性の言動や会話の内容、表情、態度などいろいろなことをチェックしては減点してばかりで、「楽しめない」そうです。「男性に幻滅せずドキドキしているうちに、さっさと結婚しておけば楽だったかな」といった心境もつづられています。

男女とも、異性との接点が少ない時期には、一方的な幻想を抱くことはあるもの。女子校出身というトピ主さん、昔はあった男性への“幻想”が消えてしまったために、恋愛にときめかなくなった……ということなのかもしれませんね。

しかし、男性をチェックして“減点”してしまうのは、心の奥にまだ「理想の男性がいてほしい」という願望があるからでしょうし、「恋人や結婚対象として見すぎている」からこそ、採点が厳しくなるのではないかと思います。しばらく恋愛のことは脇に置き、「この人の話は面白いな」「こういうところは尊敬できる」など、「人としての興味」を優先させてみてはどうでしょうか。ある程度の距離感を保ちながら、男性と少しライトに“友人付き合い”を楽しんでみましょう。

学生時代、弟が3人もいるという女友達が、「男って本当あほやな~と思うけど、時々可愛いな、しょうがないなあ、と感じることもある」などと語っていました。当時はその感覚がわからなかったのですが、大人になった今は、何となくその感じが理解できる気がします。異性とフランクに付き合う時間が長い人ほど、「実際の姿を知った上で愛する術」を体得しやすいのかもしれませんね。もしかしたらトピ主さんも今後、男性との気軽な友人付き合いが増えていけば、その感覚がわかる日が来るかもしれません。

それに、実際の恋愛や結婚ではどんなに頭の中に「理想」があったとしても、最終的にはその人どうしの「個性」がかみ合って結ばれるもので、「男だから」「女だから」ということはあまり関係がなかったりもします。たとえ合コンで知り合った男性でも、「人として仲良くしよう」という意識から関係を始めていけば、少し違った目で相手の“良さ”を見いだせるかもしれません。

性差を考えるならば、「男女は違うから補い合える」「違うから面白い」と思うのもいいと思います。欠点よりいいところを見つめあい、お互いに「愛すべき存在」として仲良くやっていけたほうが、絶対に幸せですよね。完璧でないのはお互い様。時には「まったく、しょうがないなあ」なんて思い合いながらも、他ならぬ自分自身のために異性との心地よい関係を探っていきましょう。

「好かれたい気持ち」に素直に


「男性から大事にされなくなりました」とのことですが、おそらく悪循環が起こってしまっているのでしょう。男性を“敵(ライバル)”として扱い、“採点”するような態度で接するから、男性はトピ主さんに近寄るのが怖くなる。するとトピ主さんは「どうせ、強い女は嫌いなんでしょ?」と思い込み、心に鎧(よろい)を着てしまう。そうしてさらに頑な態度になってしまい、男性はいっそう遠のく……。

「男性は従順で素直で守ってあげたくなる女子が好きなのでしょうか」と問いかけているということは、男性に“幻滅”する一方で、本当はその男性に「評価されたい、愛されたい」と願っている……ということではないでしょうか。「好かれたい気持ちがあること」を素直に認めれば、ふっと肩の力も抜けてくるでしょうし、それだけで表情や態度にも変化が生まれるはず。普段、気を張って仕事している女性の、そんな可愛らしい本心が伝われば、そのギャップで男性はすごく心をつかまれると思いますよ。

職場の男性をどうしてもライバル視してしまうなら、職場以外の場所で、素直に愛されたい気持ちを表現できる男性を探すのもいいかもしれませんね。

過去を振り返るより、「これからの自分」の理想を探そう


「社会人になってから物おじしない強い性格に変わった」「色々経験してたくましくなった今の自分も嫌いではない」というトピ主さん。内面の成長は実感されているようですが、一方でモヤモヤする気持ちもあるようです。ここまで来るにはたくさん努力もされたことでしょう。社会で生きていく基盤をしっかり作って自立されたことは、性別に関わらず誇るべきことだと思います。

「新卒の子を見ていると素直で一生懸命で可愛いなぁ、私もあんな時代があったなぁと思います」という一文も見られますが、それは皆が等しく通っていく道。「若さ」は確かに魅力のひとつですが、「人が人に惹かれる要素」というのは、決してそれだけではないはずです。

取り返せない過去を懐かしむより、「自分はこれから、どんな魅力を持った女性になっていきたいか」を考えたほうがずっと建設的。素敵な年上の先輩を見つけて、「その人はどこが素敵なのか」を勉強させてもらうのもいいかもしれません。自立した女性の魅力を感じる男性も必ずいますから、過去よりも未来を見て、肩ひじ張らずに「今の自分」「これからの自分」を好きになれるよう、思考の工夫を重ねていきましょう。

心の元気を補い合える関係を築くには?


男性が中心になって作り上げた社会に、女性が後から参加した形になったため、女性が働く上ではいろいろと目に見えない苦労もありますよね。「男は邪魔! 『性差』をめぐる探求」(高橋秀実著、光文社新書)によると、江戸時代の学者・本居宣長は、「女性ほど身の持ち方が難しいものはない。思ったままに振る舞えば非難を受け、思うことを心に鬱積(うっせき)しがちである」などと分析しているそうですが、平成の今の時代でも、女性がただ仕事を頑張っているだけで“非難”されるような雰囲気になる場所も、まだあるのだろうと思います。

何もかもに「公平」を求めるならば、改善が必要な部分はたくさんあるのでしょう。しかし男性にしたって、「女性のほうが優遇されている」と感じる場面があるかもしれません。他人の価値観や意識は、そう簡単には変えられませんから、せめて自分くらいは、過剰な性別意識を持たないように心がけてみるのもおすすめです。気に触ることがあっても、「男性はこれだから嫌なのよ」ではなく、「その人がそうなのだ」と“個人”単位で考えていきましょう。

経済的に自立し、「男性に頼らなくても生きていける」と思う瞬間もあるでしょうが、個人的には、「気持ち」の部分だけは自給自足が難しいなと思う瞬間もあります。弱っているとき、人に優しくしてもらったらやっぱり嬉しく感じますよね。「優しい言葉をくれてありがとう」「側にいてくれてありがとう」なんて気持ちを忘れずにいれば、男性との関係にもきっと好循環が生まれてくるはず。

愛されたい気持ちに素直になり、過剰に男性を“敵視”や“評価”することなくフランクに接していけば、きっと心の元気を補い合える、良好な関係が築いていけると思います。仕事も恋愛も、いい心持ちで取り組めるようになるといいですね。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事