料理をすることがストレス解消につながる4つの理由

あなたのストレス解消法はなんですか? 入浴、映画鑑賞、買い物など、それぞれにあると思いますが、「料理」と答える人も少なくないはず。

健康志向が強まり、レシピ本なども多数出版されていることで注目されている手料理。その料理ブームの中で、「正直言って面倒だ」「女子力アピールのためのツールでしょ」などと思っている人もいることでしょう。しかし、実は料理はストレス解消にうってつけ。その驚くべき“効能”をいくつか見ていきましょう。

目次

1.癒しホルモン


よく、ボケ防止の手段としても取り上げられている料理。段取りを考えるのに頭を使うこと、味覚・視覚・嗅覚などの五感をフル活用すること、手先を使うこと、が理由としてあげられます。

何もせずぼーっとして過ごすよりも、適度に体や頭を使って活動している方が気持ちよく過ごせる、というもの。このような活動は脳の血行を活発にし、癒しホルモンであるセロトニンの分泌を促します。ストレスを感じる原因として、興奮作用を持つドーパミンやノルアドレナリンの過剰分泌があげられますが、これらのホルモンの量をコントロールするのがセロトニンの役目なのです。セロトニンの分泌によって興奮が適度に押さえられ、気持ちを落ち着けることができます。

2.「破壊→生産」でスッキリ


スマートフォンでのストレス解消アプリとして、ひたすらお皿を割ったり缶を思い切り蹴飛ばしたりするものがリリースされていますよね。このように、ストレスで何かを壊したいという破壊衝動を感じてしまう方も少なくないはず。画面上だけでは発散しきれない、かといって、身の回りのものを何でもかんでも壊してしまう訳にはいかない…。そんなときは、野菜やお肉、うどん・パンの生地など、食材にエネルギーをぶつけてみましょう!

私の知人の女性は、嫌なことがあった日には帰宅後ひたすら野菜を切り刻み、数日分の総菜を作り置きしてしまうそうです。気分もスッキリする上に発散したエネルギーで食事を作ってしまうとは、まさにストレスの有効活用と言えるでしょう。

3.集中力向上


刻む、すりおろす、泡立てる……など、単純な作業に集中することにより、表層意識や雑念が取り除かれ、瞑想のような効果を得られます。これはマインドフルネス療法とも呼ばれる方法。マインドフルネス療法は、「心のエクササイズ」とも呼ばれており、単純な反復運動に注意を向けることで精神の安定を図ろうとするものです。「瞑想」について敷居が高いと感じる方も、料理をすることによって自然と実践することができてしまうのです。

4.目に見える達成感


よくあるストレス解消法としてカラオケ・入浴・買い物などがあげられますが、料理にはこれらの方法と決定的に違う点があります。それは、終わった後に「目に見える成果物」が生み出されるということ。

勉強時間を記録したほうがやる気が出るとか、体重をグラフ化したほうがダイエットを頑張れる、という話からも分かるように、成果が現物として目に見えることは大きな達成感に。ストレス解消の「おまけ」だと考えると、ちょっとお得な気がしませんか? もちろん、きちんと作った料理は健康的な生活を後押しし、ストレスが生まれにくい環境づくりにも一役買うことができます。

いかがでしょうか? このように、料理には体にも心にも“ 効く”様々な効果があるのです。ストレスが溜まって疲れている日こそ、面倒だなんて言わず、料理をしてみましょう。きっと新たな発見があるはずです。
(五百田達成)

この記事を書いたライター

五百田達成
作家・心理カウンセラー。「男女コミュニケーション」「きょうだい型性格分析」「ことばと伝え方とSNS」をテーマに執筆・講演。35万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズほか著書多数。

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