「潔癖男子」が増えている!? ”手作り”をあげる前に考えたいこと

30代の男性から、発言小町に「手作りバレンタインいらない」という投稿が寄せられました。
今年のバレンタインに、会社の女性たちから、たくさんの手作りチョコをもらったそうです。手作りは女性らしいと思うし、男性には絶対にできないかわいらしいお菓子だったものの、「正直おいしくないものもあるし、衛生面の意識が低い気がして嬉しくない」とトピ主さん。「わざわざ作ってくるのは、ただの料理自慢なのでは」などと手作りチョコへの“疑問と愚痴”を投げかけています。

目次

女性が手作りチョコレートをあげる理由は?


まずは、トピ主さんが疑問に思っている「女性が手作りチョコをあげる理由」について、考えられる限りをピックアップしてみました。

1.特別な好意、真剣な思いを形にして伝えたいから→好意をお菓子に込めて渡す、いわゆる本命チョコの場合。
2.「手作りは男性に喜ばれる」と思っているから→過去の経験などから、「男性は手作りチョコが好き」「手作りは喜ばれるだろう」という認識がある場合。
3.イベントを楽しみたいから、贈り物が好きだから→バレンタインというイベントにお菓子を手作りして、誰かに贈ることを楽しみたかった、という場合。
4.周りの女性たちが皆、手作りをしているから→職場の空気等から周囲と足並みを揃えたほうがよさそうだ、と判断した場合。
5.手作りのほうが安上がりだから→市販品をたくさん買うと金銭的に負担なので、まとめて安くあげるために、という場合。
6.女子力自慢や“料理ができる私”アピールをしたいから→トピ主さんの言うような理由の場合。

6つの理由のうち、いくつかが重なって、というケースも考えられます。

下位の番号になるほど”不純な動機”と言えるでしょうが、それでも確実に言えるのは「自分都合の理由で手作りをしている人ばかりではない」ということ。喜んでくれるだろうと思ってあえて労力を費やしている人もいるでしょうし、世の中には「手作りチョコ」を心から喜ぶ男性もいるでしょう。トピ主さんの価値観とは違う人もいるというだけで、「女性は皆アピールのために手作りをしている」と決めつけて毛嫌いしなくてもいいのでは――と感じた次第です。

来年から「手作り」をもらわないようにするには?


衛生面も理由に挙げていることから、トピ主さんはいわゆる“潔癖”な傾向が多少あるのかもしれませんね。タイムリーにこんな調査データが出ていました。「『潔癖男子』に関するアンケート調査」(首都圏在住20歳~39歳の男女各573名対象、2016年2月オウチーノ総研調べ)によれば、女性が挙げた「自分のパートナーが当てはまったら嫌だと感じる内容」の第1位は「他人が手作りしたおにぎりや料理を拒否する・抵抗を示す」で、51.1%。「好きな男性に“手作りの料理”を拒否されること」を嫌だと思う女性は少なくないようです。
そんな女性側の思いを踏まえた上で、トピ主さんが来年から手作りをもらわなくて済むような方法を、いくつか考えてみました。

<A> 「手作りは苦手だからいらない」と言う
<B> ホワイトデーにあえて「お返し」をしない
<C> 「彼女がやきもち焼きで……」などと、特別な存在がいることを伝える
<D> 普段から「潔癖性キャラ」を出し、察してもらう
<E> 「イベントに興味がない」「甘いものが好きではない」アピールをする

Aは、正直に言う方法です。全員に言うのは難しいでしょうから、どなたかに「俺は手作り苦手だって広めておいて……」なんてお願いしておけば、職場の女性全員に伝えられるかもしれません。

Bは、お返しをしないことで、暗に「チョコは不要だと思っていること」を伝える方法です。不服に思う女性もいるでしょうが、「一方的な出費になるならやめよう」と来年からは渡してこなくなる方もいるでしょう。

Cは、「特別な相手がいるから、手作りは迷惑」ということを暗に伝える方法です。ただ、実際に恋人がいない場合、後々面倒な嘘にもなりそうです。また、「義理だから」と気にせず渡してくる人もいるかもしれません。

Dは、普段から地道に「人が作ったおにぎりは食べられない」「使い回しの箸は無理なんだ」などと言って、“潔癖キャラ”を確立していく方法です。「きっと手作りチョコも苦手だろう」と察して、控えてくれる女性もいることでしょう。ただしこの場合、「恋愛対象外になっても構わない」という覚悟は必要かも。前述の調査によれば、「『潔癖男子』は恋愛も結婚も対象にならない」という回答は54.8%とかなり高い値です。

それが嫌ならば、Eの「甘いものが苦手」「イベントに興味がない」アピールをするくらいが適当だと思います。女性の手作りが“料理自慢アピール”だと思うならば、こちらも“そういうのは苦手アピール”で対抗してみてはいかがでしょうか。

主張をせず分かってもらうのは難しい。伝える前に決めつけないで


トピ主さんが、女性にはっきり「手作りが苦手」と言えない理由は、言うと角が立つから、傷つけるかもしれないから――という理由なのだと推測します。気分を損ねる女性も中にはいるでしょうし、トピ主さんのことを本気で好きな女性の場合、言い方によっては多少傷つけてしまうかもしれません。

でも一方で、「苦手ならそうと言ってくれれば、渡さなかったのに」「じゃ、市販品にしますね」「来年からは遠慮します」など、あっさりした反応を返してくる女性も、意外と多数いるのではないかと思います。

「職場で1ミリの波風も立てたくない」「女性には嫌われたくない」というならば、「手作りでも笑顔で受け取り、食べない」というのがベストでしょう。感想を聞かれたら、嘘でも「おいしかった」と言えばいいと思います。

しかし、トピ主さんは“嘘でも喜んでいるふり”ができない性格ゆえに、投稿されたのかもしれませんね。でも何ひとつ主張をせずに、他人に自分の価値観や真意をわかってもらうのはなかなか難しいです。「僕は全般的に手作りが苦手で、食べられないのに作ってもらうのは大変申し訳ないので……」などと柔らかく、しかし直接的に伝えてみるのが最良の方法なのではないかな? と個人的には思いました。

なお余談ですが、「冴えない30代会社員の私をダシにするのは、やめて頂きたい」という一文も少し気になりました。もしかしたらトピ主さんは、女性に思わせぶりな態度を取られたり、あるいは“条件のいい結婚相手”として狙われたりといったことが続き、少し女性不信になっているのでしょうか。

異性の言動を理解できないことに疲れ、「女(男)とはこういうもの」とひとくくりで判断したい気持ちはよくわかります。でも異性と言えど、人は千差万別です。相手の本当の姿は、こちらが正直に心を開いてみないと見えてこないことも多いもの。異性は“幻想”を抱くほど、理想的な存在ではないかもしれませんが、忌み嫌うほど悪いものではないと思います。人としての常識も、良心もちゃんとあるし、話せば深く分かり合えることもある――そんなふうに思えるくらい、穏やかな関わりができていくといいですね。

手作りをする場合は、あげる前に大丈夫かどうか聞いたほうがよさそうだなと、女性としても考えさせられる投稿でした!
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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