彼女扱いしてほしい! 「釣った魚に餌をやらない彼氏」への対処法

発言小町に、「恋人扱いしてくれない彼氏への対応は」という投稿が寄せられました。

トピ主さんは30歳女性。交際8か月の恋人(28歳)がいます。交際前はとても優しく、必死に口説いてきてくれた彼でしたが、いまや“釣った魚にエサをやらない"状態。トピ主さんは尽くすタイプで、彼は尽くされて当たり前といった雰囲気だそうです。最近は自分の時間を充実させてラクにお付き合いをしてはいるものの、時々とても不安になってしまうとか。「どうしたら、もっと恋人らしく扱ってもらえるでしょうか?」とアドバイスを求めています。

目次

尽くしすぎると、恋愛はなぜうまくいかなくなるのか


尽くすタイプだと自己分析しているトピ主さん。「私は尽くしたいから、尽くせる相手がいて満足」「楽しいから尽くしているだけ」ということならば特に問題にはならないしょう。しかし、トピ主さんは彼に対して「もっと自分に関心を向けてほしい」と望んでいるようですね。投稿文を読んでいると、「尽くす私は間違っていない」という雰囲気も感じましたが、それは本当に、二人の間に幸せをもたらす行為なのでしょうか。

恋人に必要以上に尽くしてしまう女性には、「もっと私を好きになってほしい」「彼に認められることで、自分の存在意義や自信を得たい」「この恋を失うのが怖い」といった心理が隠れていることも、大変多くあります。「私はわりとモテるタイプで、男友達も多い」とのことですが、彼らは別に尽くさなくても、今のままのトピ主さんを好きでいてくれるし、優しくしてくれますよね。

ではなぜ、彼にだけは必要以上に尽くしてしまうのか。それは「もっと私に愛情を注いでほしい」という要求があったり、恋愛に自信のすべてを頼っていたり、「彼は私を好きでいてくれている」と信じきれない気持ちがあったりするから……とも推測できます。

自分は母親のようだという記述もありますが、多くの親は子どもに対して「自分に何かしてほしい」と見返りを求めません。子どもから連絡がないならば「元気にしているからだろう」と考えたり、「用もないのに連絡して、子どもの生活を邪魔したくない」と遠慮したりもするものですが、助けを求めてきたときは、必ず力になろうとするでしょう。トピ主さんの心にも、こういった親が子どもに対して抱く「相手の力になりたい」という愛情に似たものがあるのだろうとは思います。

一方で、トピ主さんは「連絡がほしい」「もっと自分を大事にしてほしい」と願っていて、親が子どもに抱くのとは真反対の感情もあるわけです。トピ主さんが母親のように彼の世話を焼いてしまった結果、その願望が満たされない関係になってしまったのだとしたら、必要以上に尽くさないほうが、恋人としての幸せな関係を築けるのではないか――そう気づけると思います

「きちんと怒ること」が、良好な関係に繋がることもある


投稿には「ここまでナメられていては」「安心しきっている彼をギャフンと言わせる」など、彼を批判する言葉が並んでいます。「男性は交際後、女性を追いかけなくなる」という一般的な傾向は確かにあるでしょう。しかし、人間関係での“力のバランス"は両者の態度が作り上げていくもの。「この人は失礼なことをしたら許してくれないだろう」といった“畏れ"があると、人は相手をきちんと扱いますよね。あまりにも「釣った魚に餌をやらない関係」を作り上げてしまったのは、トピ主さん側にも多少は原因があるのではないでしょうか。

「私が温厚な性格で、怒ることがないのも原因」などと自己分析もされていますね。「彼氏はワガママも多く、なだめることもしばしば」とのことですが、相手の身勝手に対して怒らない、怒れないのは「揉めるのが面倒」「嫌われたくないから」といった理由の場合もあります。納得のいかない発言や失礼な態度を取られたときは、「はっきり言う」あるいは「相手と距離を置く」といった方法できちんと“怒り"を伝えたほうが、良好な関係が築けることも多々あります。

恋愛関係も同じです。彼の態度に納得がいかない点があるならば、面倒でも嫌われたくなくても、きちんと主張する努力は欠かせません。言葉での主張が苦手ならば、「しばらく連絡をしない」「黙る」といった“態度"で主張することもできます。普段は温厚に接していても、心の中には「私のことをおろそかに扱うような人とは関わらなくていい」という、毅然(きぜん)としたプライドを秘めておくことも、豊かで快い人間関係を手にしていくためには必要ではないでしょうか

彼に再び魅力を感じてもらうには? 本気で変わってみよう


もしかしたら彼は今、トピ主さんへの気持ちが、自分でよく分からなくなっているのかもしれません。放っておいてもどんどん連絡は来るし、デートにも誘ってくるし、率先して手料理も作ってくれる……。そのような状態が続き、彼自身が「トピ主さんが好きだ」と気づける瞬間や機会がなくなってしまっているのかも。「放っておいたら会わずに数か月が経つかも」とのことですが、それほど時間をあけても、彼がトピ主さんに「連絡をしたい」「会いたい」と思わないのであれば、それだけ彼の気持ちはトピ主さんに向いていない状態になっている、ということでしょう。

このままいくと、心配している浮気どころか、彼は本気で他の女性に心奪われてしまい、破局する可能性だって考えられます。トピ主さんも「こんな調子だと時々、本気で他の人に行きたくなる」とのことですが、今のように尽くす交際をしていれば、彼以外の人と付き合っても同じことを繰り返すだけかもしれません。尽くさなくても大丈夫な恋愛のスタイルを、この機会に身につけてみてはいかがでしょうか。

投稿では「他の異性の影をちらつかせる」「ダイエットを頑張ってもっといい女になる」という提案がされていますが、それらは結果的に彼に意識を向けての行為なので、根本的な改善にはならない気もします。彼が再びトピ主さんへの愛情を自覚するためには、彼からトピ主さんへの自発的な行動が増えていく必要があります。

その機会を作るためには、まず彼に対して一切何もしないこと。今まで彼に尽くすために使っていた労力や時間は、恋愛以外のことに使ってください。恋愛を脇に置いておく習慣を身につけ、「彼氏がいても、そればかりを優先しない生活」を組み立てていきましょう。自分の生活に集中し、新しい一面を持つようになれば、彼はまたトピ主さんに新たな魅力を感じることも期待できます。

その上で、無礼な言動をしてきたときは、きちんと言葉や態度で主張する。彼がすでにこの恋に冷め切っているのでなければ、こうしたことを本気で実行していくと、今までの態度を改めて歩み寄ってくる可能性は大いにあると思います。

人間はどんな刺激にも慣れてしまう生き物。お互いにすべてを見せ合い、恋に新鮮味がなくなっているのであれば、「自分が変化・成長することで、新しい風を吹き込ませてみよう」「もう一度、彼に惚れ直させてみせる!」なんて目標を持ってみるのもおすすめです。こちらが成長していけば、あぐらをかいている彼の魅力のほうが褪せて見えてくることだってあるかもしれません。すでに築かれてしまった関係性を変えるためには時間もかかりますし、多少の努力も必要です。背水の陣くらいの気持ちで、ぜひ本気で取り組んでみてくださいね。応援しています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事