理想のタイプだけど…あまりにも「趣味が合わない男性」との交際は可能?

発言小町に、「趣味の合わない男性との交際」という投稿が寄せられました。

トピ主さんは30代女性。同じ30代で“穏やかで素敵な男性"と結婚相談所で知り合い、順調に2回デートを重ね、次回も約束をしているそうです。しかし、「話せば話すほど趣味が合わないことに気づいてきた」とか。彼の趣味であるテレビや動画鑑賞は「失礼ながらくだらないと思ってしまう」そうで、「こんなに違いすぎる彼とうまくやっていけるのか」「好意を持ってくれるだけでありがたいと思う一方、この人でいいのだろうかと思う気持ちがぬぐえません」とアドバイスを求めています。

目次

迷いの正体は、「尊敬できない」気持ちかも


旅行やランニングが趣味で、ひとり旅を含め、海外経験も15か国以上というアクティブなトピ主さん。部屋にこもって休日を過ごすことはほぼないそうです。一方の彼ですが、休日は部屋で終日テレビを見るのが習慣で、海外経験もないとか。学生時代も、運動部でキャプテンをしつつアルバイトに精を出す日々を送っていたトピ主さんに対し、彼はサークルもバイトもせず、実家に直帰していた――。プライベートの過ごし方や趣味嗜好が、とにかく真逆のお二人のようです。

いろいろ出かけてアクティブに過ごす。休日をインドアでのんびり過ごす。両者とも、自分が好きでそうしているのでしょうし、価値観の違いであって、明確な優劣はないと言えるでしょう。ただ、相手の価値観が自分と違うときに、それを「理解できない」「くだらない」と思うか、「自分にないものを持っていて素敵だな」と思うかは様々です。トピ主さんは前者だったようですね。

休日を思いきり充実させているトピ主さんからすれば、彼は時間の無駄遣いをしているように思えたり、成長意欲や向上心がないように見えてしまったりするのかもしれません。彼に人格的魅力を感じているものの、どこか「尊敬できない」という思いがあり、それゆえに迷っているのかなと推測しました。

「どのくらい一緒に過ごしたいタイプか」を知ろう


結婚を見据えて知り合ったお二人。毎週、休日が来るたびに「彼の過ごし方はくだらない」と思ってしまう相手と結婚するのは、なかなか厳しいようにも思います。この点だけで考えるならば、自分と近しいアクティブな男性のほうが理解・共感はしあえるかもしれません。しかしながら、夫婦だからと言って“何もかも同じ"である必要はないのも、また事実です。毎日一緒にご飯を食べ、一緒に眠る家族として、あるいは子育てのパートナーとしてなど、どこかの部分を共有していればOK、趣味などはお互い好きにしている、という夫婦もたくさんいます。

考えてみるといいのは、トピ主さんや彼が「どのくらいの時間、相手と一緒にいたいタイプか」という点です。結婚したら、休日は一緒に出かけて、一緒にご飯を食べて、可能なかぎり連れ立って行動したい……というタイプの場合、お互いの趣味嗜好が違いすぎると苦痛に感じる瞬間も出てきそうです。

一方、結婚しても、「ひとり行動でも平気、お互いに好きに過ごせばいい」と考えるタイプの場合、趣味が違ってもまったく問題がない気もします。お互いが相手に対して「こちらに干渉せず、自由にさせてもらってありがたいな」と感謝を持てると、うまくいきやすいでしょう。(ただし、育児期間に限っては、こうしたスタイルの継続が一時的に難しくなる場合もあります)。あるいは、「常に一緒に過ごしたいタイプ」でも、片方の趣味に合わせるのが本気で楽しいと思えるならば、うまくやっていく道もあるでしょう。

彼は今までのデートで、トピ主さんの趣味に合わせてプランを立ててくれたそうですね。トピ主さんのアクティブさに惹かれていて、「一緒に行動できて楽しい」と思っているのかもしれません。今後もトピ主さんの好きな場所に、彼が億劫(おっくう)にならず付いてきてくれるのであれば、特に問題はないようにも思います。彼の意向を知りたければ、「もし結婚したら、休日はどんなふうに過ごしたいと思ってる?」と一度聞いてみてはいかがでしょうか。

自分の「希望条件」について、改めて見直してみよう


トピ主さんが彼に対していいなと思っているのは、一番の希望条件だという「穏やかな性格」、そして「物腰が柔らかく、清潔感があること」や「自分に好意を持ってくれていること」。一方、気になる点は「インドア派すぎる」ことに加え、「彼といるのは全然苦痛ではないし、間が持たないこともないものの、ユーモアもない人なので、一緒にいて面白いわけではない」といった記述もあります。

理想を言えば限りないですが、人の長所と短所は合わせ鏡。例えば「穏やかな性格」の人を、「男らしくない」「覇気がない」などと形容することもできますよね。彼が「ユーモアがない」「特に面白くない」というのも、「物腰の柔らかさ」や「穏やかさ」から派生する性格というふうにも考えられます。彼が月2回実家に帰るという点も、「家族思いの旦那さんになるだろう」という肯定的な見方もできますし、「マザコンや実家依存の可能性が強い」という批判的な見方もできるでしょう。

結局のところ、トピ主さんが“そういう彼"のことをどう見るか、そして何を一番優先させるか、という点に尽きると思います。自分の本心と向き合ってみましょう。一番の希望条件は本当に「穏やかさ」なのか? どのような「面白さやユーモアがある」相手を望んでいるのか? なぜ「穏やかさ」が最も大事だと思っているのか? 誰かにアドバイスされたからなのか、それとも過去の恋愛でそう悟ったからなのか――。理由や根拠まで、じっくり見直してみるといいと思います。

少し時間をかけて、「決め手となる確信」を探してみよう


二人は2回デートをした、という初期段階。お互いにまだ見えてない部分もたくさんあるかと思います。今のところ、楽しく問題なく進んでいるのであれば、楽しいと思えることを大事にしながら、様子見をしてみてはいかがでしょうか。これからデートを重ねる中で、彼に新しい魅力を発見すれば、それが決め手になり、迷いを吹っ切れるかもしれません。

例えば「生き方」「人生に対する価値観」「人への態度(やさしさ、子どもや老人への接し方など)」「家族を大切にする」「仕事への熱意、取り組み方」「自立していること」「何かしらの才能」「芸術や暮らし方のセンス」……などなど、異性に対して尊敬できる点は、趣味以外にもいくらでもあるかと思います。

結婚など長きにわたるパートナーシップを築く上では、「相手のこういうところが好き」「ここが素晴らしいと私は思っている」という点を自覚しておくことは、とても有効だと思います。その自覚が、先々何かしらの壁にぶつかったときに、「私はこの人のこういうところに魅力を感じて決断したんだ」という確信となり、関係を支えてくれやすいからです。決め手になる確信がまだ持てていないならば、交際や結婚の約束は急がず、少し時間をかけて、お互いを見ていってみてはいかがでしょうか。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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