思わせぶりな態度にイライラ 彼の心理はいったい何?

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発言小町に「バカにされたと思う感情が消えず苦しいです。」という投稿が寄せられました。「好意を持っていた男性に思わせぶりな態度で振り回され、バカにされた怒りが消えない」というトピ主さん。職場で知り合い、家に行き来するまでの仲になったものの、交際や結婚などの話になると曖昧に逃げる彼に我慢がならなくなり、現在は連絡を取るのをやめたそうです。

しかし、今でも後悔や悔しさが消えず、「思い出すと不愉快でたまらない」と言い、「ただただプライドを傷つけられて終わった」と思うと消化しきれない、「忘れたらいい」と思って過ごしているものの、折につけ思い出してしまう……と苦しい胸のうちをつづっています。

目次

お互いの望む距離が違うとき、“自分がどうしたいか”を考えて!


“思わせぶり”というのは、「相手の態度を見て、自分と同じくらい好意があると感じていたのに、そうではなかった」というときに使う言葉ですよね。もし両者が「親密な距離になりたい、今すぐなってもいい」と思っていれば、一歩近づけば相手も近づいてくる、という連鎖反応が起こります。つまり、「お互いが本当に望んでいる距離」が違っていた――というのが、今回のお悩みのポイントになるかと思います。

投稿には、「交際や結婚を匂わせる話を持ち出しながらも、決して自分から決定的なことは言おうとしない」「連絡が少し途切れると必ず自分からメールしてくるくせに、私が少し踏み込んだ返信をすると、必ずそこでメールをやめる」といった記述があります。トピ主さんが「恋人」の距離にまで近づこうとすると、彼は逃げてしまう。しかし、トピ主さんが離れると、彼は近寄ってくる、ということですね。

察するに、彼はトピ主さんと「他人」になるのは嫌だけれど、「友人」もしくは推測されているように「体だけの関係」になりたい気持ちはあったのではないでしょうか。あるいは、「恋人候補ではあるけれど、まだ迷っている」「好意はあるものの、交際を決断するまでの愛情は育っていない段階だった」という可能性もあるでしょう。

「相手と自分の望んでいる距離感と違う」と分かったときは、先のことはさておき、まずその時点で「自分がどうしたいか」を考えてみることです。今回のケースで言えば、「恋人になれなくても、彼と友人でいたい」と思うかどうか。

「友達になる必要は感じない」「恋愛感情があるから、友達でいるのはつらい」と思うならば、「縁を切る」「距離を置く」ということになるでしょう。相手が「体だけの関係」を欲している場合も同じです。「そういう関係なら、私には不要」と関わりを持たなくなるか、「そういう関係もあり」と考えるか。このあたりは、人それぞれになると思います。

トピ主さんは結果的に「“恋人以外の関係”はいらない」と判断し、彼の望む距離を拒否する形になったようですね。彼に対して“人として好きな部分”がもともとなかった、あるいは、もともとはあったけれど、なくなってしまったのかな……という印象も受けました。こちらの好意に気づいていながら適当に交わし、うやむやに「自分の望む距離に止めておこう」とした、彼のずるさに失望してしまったのかもしれません。

自分が好意を持っていると、それに応えてくれない相手を恨んでしまうこともありますが、「異性としては見られないけれど、人として好き」という関係は、実は世の中にたくさんあります。男女間での「人として好き」という関係だって大切ですよね。それらをすべて否定していたら、人間関係はとても貧しいものになってしまうでしょう。もちろん、片方が恋心を抱くと、友情の継続が難しくなるケースは多いですが、しばらくの時を経て、またいい友情が生まれ、一生モノの関係になる、ということもあります。

“彼の性格”を許容できる人だけが、彼と仲良くできるのかも!


トピ主さんが彼の態度に促されるように「告白」をした際、彼は「今は考えられないけど、気持ちが変わるかも」といった“先を期待させるような言葉”で断ってきたそうです。投稿には、そうした彼のことを「先のことを匂わせておいて(中略)気があるのはそっちだろ、みたいな上から対応をされるのがたまらなく不快でした」「悪意がある」などと批判する言葉がたくさん並んでいます。

怒りはごもっともですが、彼は“そういう性格”なのだ、と考えてみましょう。白黒はっきりするのが苦手で責任を負うのも怖い、優柔不断で臆病なタイプなのかもしれません。でも、それが彼です。「そういう人だけど、まあ、いいところや好きだと思える部分もあるな」と穏やかに思える人や、彼の欠点も深刻に気にせず仲良くできる人だけが、友達としても恋人としても、彼と長く付き合っていくことができるのでしょう。

友達であれば許容できる部分もあったのかもしれませんが、トピ主さんは“そういう彼”を許容できなかった。結局のところ、彼はトピ主さんの願うようなきっぱりした性格の男性ではなかったんだな……と思えば諦めもつきやすく、少しは気分もスッキリするのではないでしょうか。

「付き合う気がないなら、そういった発言は普通しないものですよね」ともありますが、それはトピ主さんにとっての普通というだけで、彼にとっては違ったのかもしれません。結局のところ、「二人は性格が合わなかった」ということにもなるのでは――と思います。

“愚かなこと”もしちゃうのが恋。いつか笑い飛ばせる時が来る!


「ほれた弱みで強気に出られなかったことは本当に情けない」というトピ主さん。恋をすると多かれ少なかれ、愚かな行動やかっこ悪いことをしてしまいますよね。でも、それが「恋」だともいえます。好きな相手の前で“常に”理性的にかっこよく振る舞えるような人は、そうめったにいないでしょう。「あんな男でも、ほれちゃってたんだから仕方ないな」などと考えてみるのもいいと思います。

投稿には「調子に乗るな」「いい男ぶってもウン十年彼女がいない」「そういう性格じゃ恋愛、結婚ってどうなの?」と彼に言っておけばよかった……という記述もあります。「付き合えなかった悔しさ」はさておき、「思っていることを言えずに終わった後悔」は、今からでも解消することはできます。どうしてもスッキリしたいなら、バカバカしくても、今さらでも、自分自身のために、彼にそうした言葉を伝えてみてはいかがでしょうか。

ただし、「(暴言を吐くことで)自分の格が下がる気もしますが」という推測どおり、そうすることによって後悔がさらに増してしまうタイプの人もいることでしょう。彼にはもう関わりたくない、関わらないほうが自分のためだと思うならば、友達に話を聞いてもらったり、仕事や趣味など別のことにエネルギーを発散したりするのもおすすめです。あるいは、「彼より絶対先に幸せになってやる!」という気持ちを奮起のエネルギーに変えていくのもいいと思います。

トピ主さんがこの恋を経験して学べたのは、どんなことでしょうか。「相手の気持ちを考えて行動する男性や、私を大切に扱ってくれる男性を見極めよう」といったことかもしれませんし、あるいは、「友人でもいいと思えるような、信頼できる人を選ぼう」ということかもしれません。つらい経験だったと思いますが、「あのときは、ほれた弱みで愚かなことをしちゃったな~(笑)」なんて笑い飛ばせる日は必ずやってきます。

その日を待ちながら、少しずつ今のつらい気持ちを乗り越え、“自分らしい自分”に戻ることが、トピ主さんにとって今一番の目標ではないでしょうか。その頃には、きっと次のすてきな恋が待っています。早く立ち直れますように……応援しています!
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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