夫婦だからこそ伝えたい一言 起したい行動

人生の先輩たちに話を聞くことは大事だ。少なくとも私は、そのような先輩たちの話を聞いて、結婚や人生のいくつかの問題が「腑に落ちる」ことがよくある。

最近は、職場の人間関係のわずらわしさを避けて、上司や先輩と酒席を共にしない社員も増えてきたらしい。飲みに誘っても断って帰ってしまう。上司の家に年始の挨拶に行くという慣習も、遠い過去のことになってしまった。

何も、気に入らない人とお酒を飲んだりご飯を食べたりする必要はない。そういう考え方は合理的だろう。

でも、日頃は口うるさい上司が、酔った勢いで妻との馴れ初めを話し出す。新年会に伺った先輩の家で、奥様の振る舞いを見て、家庭のあたたかさを知った。

思いもよらない「夫婦」や「家族」のありようを垣間見ることは、あなたの「結婚観」「家族観」を変えてしまうかもしれない。

妻の反乱


そもそも「夫婦」や「家族」だって、「何かわからないものを抱えている他者」がひとつ屋根の下に住むことなのだ。
一緒にいるからといって「相手の気持ちを十分にわかる」とは限らない。

ある70代の男性Dさんが、長年趣味でやっていた「絵の個展」を開くことになった。

彼の仕事は企業中でデザインに関わる仕事だった。絵が好きで、休日も趣味の油絵や水彩画に熱中し、退職後は愛好家のグループに所属し、指導もしつつ自分の作品を作り続けてきた。

年を取って、自分の趣味の集大成をすることは、愛好家にとっての夢である。ましてや、個人で個展を開くというのは、なかなか思っても叶わないことだ。

Dさんは、仕事柄付き合いのあった人から画廊を紹介してもらい、同好の人たちの協力もあって個展開催にこぎつけることが出来た。

その話が決まってから、Dさんは奥さんに報告したのだが、奥さんのFさんは色よい返事をしなかった。

会場を借りたり、作品の額装をしたりと、開催にはかなりのお金がかかる。そのあたりが問題なのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。

Fさんは、夫の個展に行かない、協力もしないという。Dさんは、長年の伴侶の理解と手助けを得ぬままに、個展を終えた。

妻の積年の思いを酌めなかったDさん


旦那さんの一生に一度かもしれない個展なのだから、せめて個展に行ってあげればよいのに。わたしは最初そのように感じた。でも……

結婚してからDさんが会社を定年退職するまで、奥さんはずっと家のことを一手に引き受けてきた。

姑が病気になっても、夫の助けなしに看病をし、Dさんの兄弟姉妹の面倒まで見た。子どもを私立の学校に入れ、送り迎えをし、大学を卒業させた。

もちろんその間Dさんが勤勉に働いて得たお金で、一家の家計が支えられてきたことは間違いない。

でも、Dさんが定年を迎え、Fさんはやっと二人で旅行をしたりおいしいものを食べに行ったり出来ると思った。それなのに、夫は定年後も相変わらず自分の趣味に没頭し、個展まで開くことを勝手に決めてきた。

少しは自分のことも考えてくれても良いのではないか。そんな気持ちがFさんの胸中にあったのだ。

結婚以来常にFさんの支えがあったことに、夫のDさんが気づかなかったはずはない。だが、自分から恩着せがましく自分の行いを夫に告げることはしない、そんなFさんの胸のうちを酌んであげられなかったのだ。

夫婦だからこそ伝えたい一言 起したい行動


長年連れ添った夫婦は、お互いの行動や言動を「当たり前」のこととして受け止めるようになる。最初はありがたいと感じていた「思いやり」や「気配り」も、だんだん慣れてきてしまうと、当然のことになる。

「勤めている間も、趣味の絵を容認してくれていたのだから、定年後も大丈夫だろう」 そんな、無意識に近い思いがDさんの胸のうちにあったことだろう。
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