突然不機嫌になる女に対処できない男

男友達・M男が“30代集まれ! お見合いパーティー”に行った。そこで知り合った女性とアドレス交換をし、後日その女性を飲みに誘った。二度ほど飲みに行ったそうだが、かなり会話も盛り上がった様子。2回目ではハシゴしてカラオケにまで行ったと私に報告してきたのだ。
そのM男は、「こりゃ~イケるかも」とめちゃくちゃ喜んでいたのだ。そして彼は3度目にいよいよ“勝負”をかけようとデートを申し込んだ。「今度ドライブに行かない?」ドライブデートに誘ったのである。

彼女はその誘いにオッケーをし、行き先も彼任せということに……。もうM男は有頂天。彼は得意場所の富士五湖方面に行き先を定め、彼女に喜んでもらうべく、その周辺の女が好みそうなレストランを前もってリサーチし当日に望んだのである。彼女の家の近くまで迎えに行き、楽しいドライブデート……になるはずだった、のに……。珍道中ならぬ、“沈黙道中”になってしまった、というのだ。

彼女はいきなり不機嫌になった。

M男が言うに本当に突然機嫌が悪くなったという。この予期せぬ状況にM男は戸惑った。何故に機嫌が悪くなったのか? 自分が何かしでかしたならば謝ることもできるのだが、全く思い当たらず、検討もつかず……。車中二人はずーっと沈黙のまま……だったそうなのだ。

これは相当キツイ。かなり苦しい。映画デートならばもちろん沈黙で構わないが、ドライブで長時間シーンとした状態は耐えがたい。
「富士山きれいだね」「よく見えてるね」ネタを探し、話題を提供しても彼女は全てに対して喰らいつかず、生返事……。「そろそろお腹すいたでしょ?この付近にいいレストランがあるんだ」と言っても、「食欲ないからいらない……」との一言。これにはさすがにめげたM男。帰り道はもう話しかけるのをやめ、M男はBGMをCDから昼時のAMラジオに切り替え、自分ではなく人の喋りに頼ることにしたのだ。くだらないラジオの喋りで彼女に笑ってもらおうと試みたのだが、これも駄目だったらしい。

笑いのない、最悪のデートだった……。この報告を聞いた飲み仲間の女たちは口々に、
「それさ、アンタが行きから既にホテル行く気満々モードに彼女が気づいちゃったんじゃない?」
「あ、アレだよ、アレ! 月に一度の…だから機嫌悪かったんだよ」
「車がダサすぎたとか……?」
「トイレに行きたくても言い出せなくてイライラしてたんじゃないの?」
「そうだよ!トイレへの配慮が足りなかったんじゃない?」
「あ、あるある!男のトイレ事情と女のトイレ事情は違うもんね~」
「わかった!道に迷って時間がかかり過ぎたんじゃない?」
「あ~いるいる。道をしょっちゅう間違える男!注意力とか判断力がないんだよね」
「男の方から誘っときながらなかなか目的地につかずにウロウロするのって、女からするとイライラするんだよね(笑)」
などなど、意見が飛び交った。
しかしM男はいやらしい雰囲気など一切おくびにださず、むしろ爽やかに接していたというし……。いくら体調や具合が悪いとしても彼女も子供ではない、いい歳をした女なのだ。自分から一言いえば一日中無理をせずに済んだはずだ。
「ごめんなさい。今日は具合が悪いので別の日にしてもらえますか?」
で終わる話である。どうしてもその日に我慢してドライブに行く必要などない。遠出でなく近場に変更することも可能だったはずだ。
車がヘボい……?そんなことはないはずである。軽トラとか社用車とかで迎えに行ったわけでなし、ちゃんとスムーズに走れる燃費のいいトヨタプリウスで機嫌が悪くなるというのも考えにくい。それにM男はキチンと洗車してから彼女を迎えに行っている。
まさか彼女が走り屋とかカーマニアでない限りノーマル車で構わないはずだし、走り屋だったらドライブデートの前に「車ってなに乗ってるの?」と聞いてくるはずなのである。

ではやはりトイレか?
初デートやまだ互いに慣れてない場合は女の方から「トイレに行きたい」と言うのは恥ずかしかったり、言い出しにくいこともある。
するとM男
「ドライブのはじめに俺から『いつでも車を止めるようにするから、お手洗いに行きたかったら我慢しないでいつでも言ってね』と彼女に言っておいたし、高速走ってる途中に何度か様子伺いもしたよ」
うう~ん。ちゃんと気配りできてるじゃないか……。
「あ~アレだ!髪!美容院とかわざわざ行ってさ、髪型とか変えてきたんじゃない?」
「女は外見を変えたり、デートする際にお洒落してくる場合、相手に気づいてほしい生き物だもんね」
「そうそう、なんか褒められたかったんじゃない?」
しかしM男は
「いや、隅々まで彼女の外見を眺めたけど前に会った時と同じ雰囲気だったし、髪型もまったく一緒だった……」
これに対して女性陣は
「そっかぁ~」
と口を揃えた。
と、仲間の一人が
「あ、富士山が嫌いだったんじゃない? もっとこう違うところに行きたかったんじゃない?」
と口にした。するとすかさずM男は
「いや、ドライブ前の打ち合わせで『富士山でいいかな?』と彼女に聞いたら『アナタが決めていいよ』って返事もらった……」
一同シーン……。

デートに誘われる場合、意外と男性側に決めて欲しいと思う女性は多い。男性からの提案を待っていたりする。
デートの時に場所がなかなか決められなかったり、メニュー選びが遅かったり、道や行き先を間違えたり…と、バタバタおどおどするのはいただけない。それまでちょっといいな~と思ってた相手だとしても正直冷める可能性は高い。やはり誘われた場合は男性が主導権を握ってほしいもの。
初回や付き合いはじめの頃は特にそうである。
肉食系女子や自分から行きたい、迫りたい派でない限りは通常男性に引っ張ってってもらいたいと思っている。
たいてい初回で“頼れる男”であれば次のデートにつなげる。だから失敗しないためには男性は自分が慣れない所に案内するより、通い慣れた、行き慣れた所にデートに誘うほうが上手くいく場合が多い。
余裕のある、頼り甲斐のあるデートを女は望んでいるのだ。
M男は今回自分が行き先を決め、土地勘のある、行き慣れた場所に行っているし、道に迷うなど無駄な浪費はしていない。
そう、彼女が不機嫌になる理由をアレコレ探したのだが、何もないのである。

だが……たまにいる。一緒にいる時に急に不機嫌になる人。
この手の男性からの苦情は多い。

男「ねえ、なんで怒ってるの?」
女「別に……。怒ってないよ」
男「いやいや、おかしいよ。機嫌悪い顔してるじゃん?」
女「もともとこういう顔です!」
などと噛みつかれたりする。

デート中、彼女が急にうつむいて何も喋らなくなったので、
「どうしたの?」と聞くと「何でもない」と返ってくる。
明らかにいつもと違うのでしつこく「大丈夫?」「帰る?」と聞いても
「別に何でもない」とか「気にしないで」と言う返答。
気にしないでと言われても気になってしまい、もしかしてこっちが何かしちゃのか?悪いことでもしたか、と彼女にご機嫌を取ろうとする。
しかし「何か悪いことした?」と聞いても
「ううん。何でもない。」「違う……あなたのせいじゃない」
と言うだけ。

お手上げ……。これはもう放置するしかない。男は「いい加減早く機嫌直してくれよ~」と祈ることしかできないのだ。

「女と猫は呼ばないときにやってくる」……ボードレールの名言。

ただただ向こうから近寄ってくるのを待つしかないのである。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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