少しでも理想に近づける!? 「未来予想図」の描きかた

4月。新年度を迎え、新しい目標を立てたい季節。仕事でもプライベートでも、できるなら“理想”に近づけていきたいと考えるのが人間心理でもありますが、今回はそんな「未来予想図」の描きかたについて、考えてみました。

毎日、「未来の不安や希望」に左右されている


誰でも、良いことが続けば、ポジティブになり、積極的に行動をしたりします。逆に、嫌なことが続くと、ネガティブになり、部屋に閉じこもるなど、やる気もなくなりがちです。こんな風に、私たちの感情や行動は、「今、現在の状況」に大きく左右されています。

しかし、実は、私たちの「毎日の気分」を支配しているのは、それだけではないのです。人は、今の自分だけでなく、未来の自分(漠然と、未来に抱いている希望や、不安、夢など)にも影響されながら、今という日々を過ごしているのです。心理学者マーカスとニューリアスは、これを「現実自己」「可能自己」と名付けて説明しています。

※『現実自己』……現実に、今ここにいる自分、『可能自己』……実現していない、未来の自分

未来予想図には、「理想自己」と「予想自己」の両方を描く


さて、皆さんは今どんな未来の自分(可能自己)を想像していますか? 良い未来、悪い未来、そこそこの未来……色々想像してしまうと思います。可能自己には、以下のような種類があります。

『理想自己』……「こうなっていたらいいな」と思う自己、なりたい自己(成功している、創造的、裕福、細身、愛されている、賞賛されているなど望ましい自己の姿)
『負の理想自己』……「こうなっていたら困る」と思う自己、なることを恐れている自己(孤独、憂鬱、無能、失業しているなど、そうはなりたくない自己の姿)
『予想自己』……「たぶんこんな風になっているだろうな」と予想できる自己、なるだろう自己
『義務自己』……「こうあるべき」と思っている自己

すべて理想どおりにはならないのが人生ですから、こうなりたい自分(『理想自己』)と、こうなっているだろう自分(『予想自己』)の間には、当然ズレが出てきます。しかし、この理想と現実のズレを大きくするか少なくするかは、自分次第。よりよい人生にしたいと望むならば、少しでも『理想自己』の水準に自分を引っ張り上げていくことが重要です。毎日をただ惰性で過ごしていると、未来は『予想自己』の水準、もしくはそれ以下にしか到達できないのですね。心理学上では、人生にやる気がある人は、日頃から『理想自己(こうなりたい)』を強く意識しており、やる気があまりない人は『予想自己(こうなっているだろう)』に甘んじていることが多い、と言われています。

自分の「未来予想図」を描く場合、まずは1年後の『理想自己』と『予想自己』を紙に書いてみましょう。次に、5年後、10年後の理想自己と予想自己を考えてみます。こうして理想と現実を照らし合わせながら、「未来の自分像」を具体的に思い浮かべることをクセにすると、『予想自己』よりは少し上、くらいの程よい水準に達しやすくなります。今、どう毎日を過ごしたらいいか、フィードバックすることができるのですね。

日本人は『負の理想自己』に動かされる!?


といっても、理想や夢を抱いて……というのにあまり慣れていないのが日本人。アメリカ人などは楽観的な傾向が強いため、『理想自己(なりたい自己)』に動かされて、日々を頑張ろうとする人が多いのですが、日本人は後ろ向きな考え方をする傾向があり、「失業はしたくないから頑張ろう」、「孤独にはなりたくないから、早く結婚しなければ」など、『負の理想自己(なることを恐れている自己)』に動かされる人が多い、と言われています。

しかし、『負の理想自己』を意識するのは、心理学的にはあまりよい傾向ではありません。「こうなったらイヤだな」という思いに引きずられて物事に取り組むので、物事に取り組む際、消極的になりがちなのです。無難に、丸く収まればいい……という姿勢になってしまうのですね。なるべく「こうなっていたらいいな」という理想的な状態を目指していたほうが、積極性がうまれますし、何かトラブルや困難に出逢っても「夢を持っている人」や、そこまではいかなくても、「自分の未来は明るいはず」と信じている人のほうが、落ち着いて目の前の仕事に取り組むことができやすい、という利点もあります。

無謀な理想や夢を語るだけの人間にはなりたくないものですが、『理想自己』と『予想自己』の両方を描くのであれば、日本人の私たちでもできそうですね。「こうなりたい」という理想の自分になるべく近づくため、そして「悪くはないかな?」と満足ができる人生をおくるために、一年に一度くらい、皆さんも「未来予想図」を描いてみてはいかがですか?
(外山ゆひら)
1

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

関連記事

今、あなたにオススメ