職場にもはびこる草食系男子

前回の記事では「アナタをイラつかす新入社員のありえない行動」を紹介したが、その新人のなかでも近年際立って職場の人間をイラッとさせるのは草食系男子であるらしい。恋愛だけでなく仕事にも喰らいつかない草食クンはこの世の女子だけでなく上司をもイラつかせる存在なのである。
大人しい草食系男子は違った意味で職場を騒がせている。

私は先日、交流会と称する飲み会で某建設会社の部長と話す機会があった。大手建設会社の部長だけあってさすがにバリッとスーツをキメており、威厳と貫禄がある。だか、お酒が進むにつれ誰でも饒舌になる。その部長さんはストレスの元を吐き出した。社内の“困った新人”について語り出したのだ。

「最近の若い奴らときたら、まったくなってない……」
毎年恒例、新入社員が配属されたこの時期には「最近の若いもんは……」と上司達はため息をつくのである。

私は突っ込んで聞いた。
「部長さんから見て最近の若いもんや新人類は何処がダメなんですか?」部長はおしぼりで額の汗を拭ってこういった。

「まず挨拶! ちゃんと挨拶ができない。こっちから挨拶しても、目を見ないし、腹から声が出てない。声が小さくて、なにを言ってるか分からない……」こりゃ~面白くなってきた。いいぞ、いいぞ、もっと言って。(笑)

「会議で発言しないし、聞いても意見が少ない。はっきり言わない。女性の方が的確にちゃんと発言してくれる……」う、羨ましい。私が以前にいた会社は会議で意見を述べたり発言しようものなら「女のくせに生意気だ」と後で直属の上司に呼び出された。また「女子は余計なことは言うな」と男性社員に注意された。余計な事? 会社の利益につながるかもしれない“現場の実態”の話が余計なことなのか?…私はこの目の前にいるような部長さんの下で働きたかったわん。

部長さんは続ける。
「こじんまり、してるっていうのかな。他の課の人や、先輩後輩との繋がりや交流を持ちたがらない……」うん、うん。面倒なことが嫌いな草食系男子には自分と違う分野、種類の人間とは群れないだろうな。

「ごはんの量が少ない!残す!食が細い! 『昼飯どうだ?』って連れてくと女子のほうがあれこれ食べるし注文する…女の子のほうが気持ちいい。最近の男どもにはこっちは奢ってやってんだから残さず『食え』と言いたい!」
草食男子は少食男子! 肉でもなんでもガツガツ食おうよ。戦闘体制取ろうよ。力でないじゃん。あぁ、戦う必要がないから摂取するエネルギーは必要ないのか……。

「『出世に興味がありません!』と言う……」ウケる~。そこだけははっきり言うんだ。さすが、仕事に意欲と情熱のない草食系。無理はしたくない、責任ある仕事、なんて避けたいもんね。

「最初っから『やる気ないです』感が全開だと教える気も失せるよ」
この部長の会社は数年前から、女子社員の技術職を導入したそうだが、女性はこの技術屋であるというプロ意識やさらに上を目指す資格取得の意欲が強いと言う。

「いまの若い人は“作業と仕事の違い”がなってない。区別がないんだよ。
マニュアルどおりの事を黙々とやるのが作業で、自分で考えたり修正したり、コストを考えたり、お客や会社のことを考えいい方向に持っていくのが仕事…。イマドキの子はその後者の仕事をやらないしやってない。六大学出ててもそういう子もいる……」

作業はしても仕事はしていない。
与えられた作業や指示をこなすのはいいが、言われた事しかできない……。学校でお勉強が出来てもそれは作業だ。与えられた質問に答え正解できる賢さや能力は、物事を自から進めていく能力、環境や状況への順応性とは別だ。仕事は創意工夫も必要だ。

臨機応変さ、瞬発力、適応力もいるだろう。お客や取引先によって対応を変えなければいけない。これは女性(異性)との付き合い方においてもそうだ。十人十色、マニュアルなどない。相手のことも考えながらいい方向に持っていこうとする。(自分の利益も考えている)その都度、その都度、手を変え品を変え、やり方を変え、相手に合わせ、押したり、引いたり…。努力、忍耐、柔軟性が必要だ。
恋愛も仕事も同じである。仕事ができない……ということは人間関係、恋愛関係においても上手く対応できてないかもしれない。

もしかして既婚者やまたは独身でも彼女がいる男性社員の方が仕事に喰らいつくのでは?
部長は答えた。
「あぁ、確かに、言われてみたらそうね。仕事に意欲的な男性社員は奥さんや彼女がいるね…」
部長はいかにも仕事が出来る男って感じだから既婚者か?
「はい、してますよ……」
それだけじゃなくて彼女もいるのでは?
「いや~それは……ハハハ」
笑いながら頭を掻く部長さん。
“英雄色を好む”ですなぁ。仕事が出来る男は女がいっぱいいてもおかしくないってことか……。さて話を“ありえない新入社員”に戻そう。「Yシャツの下に赤いTシャツや柄物を平気で着てきてそれが透けて見える。
取引先に挨拶に行くというのに…。恥ずかしいからやめてくれと怒った。金渡してこれで白のシャツ買ってすぐ変えて来いって」
着る肌着まで心配せねばならんのか……。

「朝から具合が悪かったらしかったんだけど、ずっと誰にも言えず、我慢して、夕方真っ青になってて部署のみんながびっくりして救急車呼ぶ呼ばないの大騒ぎになった」すいません。調子が悪いので病院に行かせて下さい……とかなんとか言えないのだろうか?
あとで皆に迷惑が掛かるとか大事になるって何故分からないのだろう。体調管理は母親任せなのか?

「そうそう、入社式に母親が付いてきたのがいた。
あと母親が総務部に電話してきて、『うちの子まだ帰ってないの、早く帰して下さい。残業なんてさせないで』……」
うお~! すごいっ。ダメ息子の背後に控えているありえない母親。一生結婚出来ないね。私も以前務めた会社で息子溺愛事件があった。「うちの子、具合が悪いから休みませます」と始業時に母親から電話があったのだ。幼児じゃあるまいし言いづらくとも部長や課長に怒鳴られようと、自分で電話しようよ。
 
最後に、部長から究極のダメ出し。上司や先輩から誘われても、飲み会や酒の席に来ようとしないイマドキ男子、一撃の発言。「飲みに付き合えば“残業代”ってつくんすか?」

「仕事もろくにしてない上にその発言か!」と部長は怒っていた。部長~、やる気のない草食男子には、お茶くみとコピー取りと掃除をやってもらいましょ。やる気のある部下や女子社員を育て熱いチームを作って会社に利益をもたらしてください。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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