クールビズの季節。「ネクタイ」や「スーツ」は、それでも不可欠?

そろそろスーツ着用が暑くなってくる季節。皆さんの職場では「クールビズ」を採用していますか? クールビズは「冷房を節約するために職場でも軽装でOKにしよう」と、2005年、小泉首相の頃から大々的に始まった流れです。自治体が先導して実施し、2007年には全体の半数弱の企業が、「何らかの形でクールビズを実践している」と回答。一方では、スーツやネクタイメーカーからの反対や、クールビズの普及に使われた膨大な宣伝費(約80億円)への批判もありつつ、エネルギー問題を考えれば必須、とのことで、世界各地で実施されている制度です。

「きちんとした服装」が与える心理効果


そもそも、なぜビジネスマンはスーツを着るのか、ネクタイを締めるのか。伝統ほか様々に理由はありますが、「ネクタイ着用」が及ぼす心理効果がある、というのも理由の1つに挙げられます。
このテーマについて、アメリカである調査が行われています。架空のアンケート調査を行い、依頼者がネクタイをしている場合、ネクタイをしていない場合の2パターンで、協力を求める、という方法です。依頼する対象者については、中産階級(=一般的なサラリーマン層)と、労働者階級(=賃金労働者)、この両方でのデータが取られました。

結果、中産階級の人の場合では、「ネクタイをしている調査員」の依頼では、9割以上がアンケート調査を応諾。一方、「ネクタイをしていない調査員」の場合では、たった3割しか応諾しなかった、という圧倒的な差が出ました。無作為に、街で歩いている人に対して同様の調査をした場合でも、「ネクタイをしている調査員」では約7割、「ネクタイなしの調査員」では約4割の通行人が応諾、という結果に。

こうした結果からも、「きちんとした服装は、相手に大きな『信頼感』を与える」ことが分かります。暑いさなかに、非効率でも人前に出なくてはならないサラリーマンがスーツを脱げない理由は、こんなところにあるのですね。相手を説得しようとするときには、話の内容や話し方だけではなく、「身なり」も大きな力になる。これは女性の場合でも同じで、心理学者のミルズの実験では、「(1)女性がメイクをし、きちんとした服装で話す場合」と、「(2)同じ女性が、ほぼノーメイク、カジュアルな服装で話す場合」を設定し、相手がどれくらい、この女性の言うことに説得されるかを調べています。お察しのとおり、(1)の場合のほうが、相手の意見を変えさせたり、説得をスムーズに行えた、という結果になりました。

服装は「相手に合わせる」ことも重要!


さて、冒頭のアメリカの調査では、もう1つ、興味深いデータも出ています。対象者が「労働者階級」の場合では、「ネクタイをしている調査員」には55%が応諾したのに対し、「ネクタイをしていない調査員」には65%の人が応諾する、という逆転の結果になったのです。このことから、相手が、「自分と同じような格好をしている」ということも、相手に『信頼感』を与える重要なポイントである、と結論づけられています。

「工場に視察に行くときは、汚れるからではなく、ちゃんと職員と同じ作業服を着て行く」という、ある会社の社長さんを以前、拝見しましたが、これはまさしく、部下の心に歩み寄り、信頼を得やすい行動というわけです。そのとき、その相手によって、どの服装が一番、相手に安心感や信頼感を与えるかー。そんなことを考えてファッションを工夫するのも、“できる社会人”の大事な要素と言えるのかもしれませんね。

「女子モテ」にも必須!?


スーツやネクタイに関する意見では、番外編として、「男性のスーツ姿は好き」「ネクタイをゆるめる仕草に萌える」といった女性からの声も付け加えておきます。古典的な意見ですが、やはり洋服もビシっと決めて働いている姿や、そのギャップは素敵に映るのでしょう。公私に関わらず、男性の「勝負時」には、ネクタイやスーツが武器になる、と言っても過言ではないのかも!?

いかがでしょうか。節電の面から考えれば、クールビズの拡大は急務ですが、とはいえ、「アロハシャツやポロシャツではラフすぎる」という意見も多いのが現実。そこで各アパレルメーカーは、“涼しく感じる”スーツやシャツの開発をこぞって進めているようです。「ネクタイを締めても、ビックリするくらい涼しくて、かつ、きちんとも見える」、そんなスーツが今後どんどん登場することを期待したいものですね。
あなたはこの夏、クールビズを実践する予定ですか?
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

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