“鬼嫁”になるにはワケがある? 妻を恐れている男たち

前回の記事「帰宅拒否? 家庭難民? 行き場のない帰りたくない男たち」の中に書いたオヤジ居酒屋や会社の飲み会で飛び交うセリフ。

「ウチになんて帰りたかないよ」
「あんなクソおもしろくない家!」
「カミさんが怖い」
「嫁が寝静まってから帰りたい」
「ウチのは鬼嫁だ」

もともと日本の男性はあまり奥さんのことを褒めたがらない人種。そして飲み会では女房や奥さんのことをあえて悪く言うことが男同士の付き合いのひとつでもある。身内を褒める事より貶すことのほうが美徳のようなフシがある、というわけだが……、ではこの世の旦那たちは自分の奥さんのことを本当に“鬼嫁”と思い怖がっているのか?

「セキララゼクシィ・男と女のホンネ」での驚く調査結果が。20~30代の男女にアンケートを実施。男性の皆さんに「自分を“恐妻家”だと思いますか?」と質問したところ、なんと91%が「思う」と回答!
ちなみに女性の皆さんには「自分を“恐妻”だと思いますか?」と質問。すると、「思う」と回答した人は33%と、男女の間にはかなりのギャップがあることが判明。妻が思っている以上に、夫は妻に頭が上がらない…と感じている。
――「恐妻家の夫婦はうまくいく! ってホント?」より引用

9割……。妻を恐れている男たちがこんなにもいるのである! そうだ!
“鬼嫁”“恐妻家”という言葉はよく使われるし辞書にはあるが、その反対語“鬼婿”“恐夫家”などという言葉はこの世に存在しない。

つまり奥さんには“頭が上がらない”“カミさんを怖がる”旦那、というのは一般的なのである。そして逆に、
「ウチの旦那がコワイ」
「いつもビクビクしている」
「家に帰るのが怖い……」
という妻はほとんどいない。

レディースランチ会やママ友の集まりで夫の愚痴や悪口が飛び交い、散々不平不満を吐いても
「ウチの旦那がコワイ……」「恐ろしい」などと聞いたことなどない。(※DVや暴力で虐げられてる場合は除く)

そしてどんなに旦那のことを罵り悪く言い放ってたとしても、その場で「私、家で夫を怖がらせてるの」とは宣言しない。「ビビらせてるの」とか「脅してるの」などとも告白しない。「私って鬼嫁なの」と認めることはしないのだ。
このアンケート結果が物語っているように女性側は、“自分は鬼嫁だ!”と自負している人は殆どいない。妻は自分のことを“恐妻”とは思っていないが、この世の多くの夫は“妻はコワイ”存在であると感じている。

妻帯者の男性がこぼすのは奥さんの豹変ぶりである。

「結婚前はあんなに可愛かったのに……今じゃふてぶてしい」
「トドみたいに堂々ドーンと横たわってる」
「いつも怒ってる」
「顔を合わせりゃお小言ばかり……」
「小遣いが少なすぎる!」「ケチ!」
「結婚前はあんなにしおらしかったのに……いまでは威圧感を感じる」
「付き合ってた頃は健気で素直で、いじらしかったよなぁ」
「戻れることなら戻りたい……」
「オレが言えばなんでも『ハイ』と、ゆうことを聞いてくれたし、オレを立ててくれてた」

そうだろうか?
私は鬼嫁に豹変させたのは夫の方であり、妻は鬼嫁になることで自分の居場所を確保し生活を営んでいるのだ。
これは豹変や変貌ではなく妻は結婚生活を進めていく上で、また子供を産み育てることにより成長したにすぎない。いわゆる“鬼嫁”として成長せざるを得なかったのだ。

家庭を守るには自分が“強くなる”しかなかったのである。

旦那を怖がらせ威圧感を与えなければ家庭はまとまりがつかない。
自分が家ではドンとかまえ、決定権を持ち優位に立つことで家計を、家族を、うまく回しているのである。
いわゆる生活の知恵である。

結婚前のようになんでも旦那の言うとおりにし、ハイハイと従順でいたらそれこそ安心して暮らしてなどいけないのだ。財布の紐をゆるめ旦那の好き放題にさせてたらそれこそ家庭の崩壊にいたる。

だいたい、男はお金や時間があるとろくなことはしない。不倫だって女遊びだってお金が無くてはなせないこと。なまじっかお金を与えると男はどこに飛んでいくかわからないのである。お金を持たせない、自由にしないのは後先考えないで行動してしまうかもしれない旦那にあえてルールと制約を課せているわけだ。事件や問題を引き起こさないように制御しているのである。

「いつも文句を言われる」
「不満や小言ばかり」
「アレは駄目。コレは駄目。ダメダメずくし……」
「カミさんが怖い」「ありゃ鬼だ」
という家庭は妻がもともと一つのところにとどまりたくない縛られたくない男の習性を
把握しているからであり、自由奔放にならないよう手綱を握っているのだ。

また可愛いい妻が旦那に“鬼”になるのはまさにツノが出るような怒らせることをするからであり、好きで鬼になりたくて鬼になってるのではない。

旦那が横道にそれないようしっかり見張っているからこそである。
いつも文句やお小言を言うのは人の話をキチンと聞いていない夫への怒りであり、オウムのように何度も同じ事を繰り返し言うのは夫が様々なことをすぐに忘れるからだ。言ったそばから忘れてしまうからだ。
男が同じ失敗や同じ事をしでかさないようにする為の反復なのだ。

こうして鬼は家庭という“鬼が島”を守っているのである。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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