マザコンな男性、結婚すると大変ですか?

「優柔不断な男はマザコンが多いってホント?」という投稿が寄せられました。トピ主さんの身近に、いわゆる“マザコン”な男性がおり、彼の優柔不断な性格も、婚期が遅いのも、そのせいではないか、とトピ主さんは感じるそうです。友人や恋人間ではそこまで気にならなくても、「結婚」するとなると、大きな悩みの種になってくる、この“マザコン”問題。今回は、そんな「マザコン男性」と結婚について考えてみました。

「父親不在」だと、マザコンになりやすい?


まず、「マザコン」の成り立ちを簡単にお話していきますね。幼児期の男の子は、ママが世界じゅうで一番大好きで、当然ながら、ほとんどの男の子がママにべったりですね。この「ママが大好き!」という状態から脱し始めるのは、一般的には思春期です。この時期、密着した母子関係を断ち切って、子供の自立を促したり、世の中の厳しさを教えたりする役割として、『父親』の存在が重要になってきます。幼い男の子には、「父親を排除して、自分の母親を独占したい」という感情があると言われていますが、結局、父親には太刀打ちできないので、自分の感情を押さえ込み(この抑圧感情を、フロイトは『エディプス・コンプレックス』と命名)、同時に、「父親のように強い男になりたい」と願い、「男らしさ」も学んでいきます。他にも、男の子は、「父親とぶつかること」で困難や葛藤に立ち向かい、男子特有の「攻撃性」を処理する方法を学んだり、父親から褒められ認められることで、社会へ出て行く自信を持てるようにもなります。

トピ主さんの言及されている男性の家庭は、父親の力が弱い、と書かれています。母親と息子の濃密な関係に割って入ってくる父親がいない、もしくは、その存在感が薄い場合、『母子一体』という状態が続き、男の子が自我を確立できにくい、という一面は確かにありますが、母子家庭でも、十分に子供が自立を遂げていく家庭も、沢山あります。また、父親不在でも、おじいちゃんや近所のおじさんなど、身近な大人の男性が、代わりの役目を務めてくれている、という場合もあります。

「心理的な親離れ」ができていない?


結局、マザコンとは「親離れ」ができていない、ということなのですが、マザコンな男性が男女間でよく問題になるのは、経済的な面だけではなく、特に「心」の面で親離れができていないから、という理由が大きいです。子供の成長段階には、「まだ親に甘えていたい気持ち」と「親から自立したい気持ち」が心の中で葛藤する時期があり、こうした自立への準備期間を経て、環境だけでなく、心理的にも親離れをしていきます。ホリングワースという学者は、これを『心理的離乳』と表現しており、以下の2段階で説明しています。

・第1次心理的離乳……中学生頃、最初の“反抗期”。親と行動することや親への依存をやめようとする。親への感情的な『反発』がある。
・第2次心理的離乳……大学生くらいの頃。自立したいという思いが強くなり、親との接し方に迷う。親とは違った価値観、生き方を確立しようと模索し、批判的な態度をとりがちになる。親への心理的な『抵抗』がある。

この2段階を経て、その後、子供は“親に守られる存在”ではなく、“自立した一人の人間”として、親と向き合うようになります。親の良いところや悪いところも受け入れられるようになり、親を助けたり、力を合わせたり、対等な個人として付き合うことができるようになるのですね。通常、子供が社会に出て、結婚なども考える年齢には、親との関係性もそのように安定をしてきます。「親との関係性」を見れば、その人の(精神的な)自立の度合も、ある程度分かると思います。S

マザコンゆえのメリットも!? 軽度ならば、「性格の1つ」と考えて


さて、欧米諸国などに比べると、親への依存度が高く、マザコン男性も多いと言われる日本ですが、アメリカにも“mother’s boy”、イタリアにも“マンモ−ネ”といった同じ意味の言葉があるように、基本的には世界共通の現象です。男性自身だけでなく、その母親側にも大きな問題がある(過干渉、依存)ことも多いので、問題があっても、一筋縄に解決とはいきません。昔ドラマでブームになった「冬彦さん」等の例ではないですが、重度のマザコンが理由で離婚となるカップルもいますので、度合によっては、かなり深刻な問題です。

実際に、「うちの夫、マザコン気味かも」と語る奥様たちに、生の声を聞いてみました。「意見が割れたとき、結局いつもお義母さんの味方をする」「お義母さんの料理の真似をしろと言う」「妻の立場からは言えないことを夫に『伝えて』と頼んでも、お義母さんに気を遣って、言おうとしない」など、予想どおりの不満が飛び出しましたが、一方で、「腹も立つけど、マザコンゆえのメリットもあるのかも?」といった意見も幾つかありました。例えば、「母親にも優しいが、基本的に、奥様に対しても優しい」「女性の扱いが紳士的なので、近所や周囲の評判が良い」「家族サービスを嫌がらない」「基本的に“母親”という存在を重んじているので、積極的に浮気する、という概念がなさそう」……等々。無論、これらは性格によって個人差の大きい部分ですし、マザコンにも色々なタイプがいますから、あくまで一例として捉えて頂ければと思います。

彼女たちは、多少の不満を口にしつつも、基本的には自分が選んだ旦那様に満足している様子でした。もしマザコンではない旦那様だったとしても、家族サービスをしてくれなかったり、妻に横柄だったりすれば、それはそれで皆さん、別の不満を抱くはずです。人間の長所と短所は見方によって表裏一体でもあるので、結局、どんな男性を選んでも、何かしら相容れなかったり、衝突する部分は出てくるのが普通です。

トピ主さんは、知り合いのその男性のことを「マザコン」に焦点を当てて、分析しています。一個人の性格については、情報が不十分なので言及できませんが、家庭環境の影響を受けずに育つ人はいませんので、彼が本当に優柔不断だったとしても、原因はどうあれ、それは彼の性格の1つと考えてあげれば、少し許容できるのではないでしょうか。考え方次第ですが、優柔不断な男性に対しては、「じゃあ、私の好きに決めさせてもらうね」と仕切れる気楽さをメリットと感じることもできます。決断力があっても、その分、こちらの決定に文句の多い男性もいるでしょう。また、「婚期が遅い」ことの理由については、どんな方でも種々ありますので、マザコンだけが理由ということではないと思います。

結婚とは、「新しい家庭を築くこと」だから


パートナーが「ちょっとマザコン」程度ならば、まずは上記のような「発想の転換」をしてみるのがおすすめです。しかし、重度にマザコンな男性の場合、根本的な意識に問題があることもあります。結婚したものの、「新しく自分の家族を作って、そこでやっていくのだ」という意識が全くない、という場合です。元々の家族から自分を切り離していない、つまり、「親ではあるけれども、自分は結婚したので、今は別の家庭である」という心理的な線引きができていない。家庭を仕切る母(妻)の存在は、基本的には一人ですから、こうなると、新しい家庭を仕切るはずの妻は、非常に所在なくなってしまいます。男性がこういった感じで、さらに実家の勢力も強大な場合、結婚が、彼の実家に吸収されたような感じになることもあります。勿論、女性がそれを許容できるならば、何ら問題はありませんが……。

婚約者がマザコン気味で気にかかるという場合は、結婚前に一度、「私はあなたと結婚して、2人で『新しい家庭』を作りたい。これからは、2人で自立してやっていこうね」といった意思確認をしてみてもいいかもしれません。思った以上に影響を及ぼしてくる問題ではあります。勿論、マザコンゆえの長所を探してみるのも、どうぞお忘れなく。

おわりに


夫がマザコンで、と腹を立てる女性の心理には、「旦那様には、一番に自分を大切にしてほしい、自分の言うことを聞いてほしい」という感情があるからこそ、同じように旦那様を愛しているお姑さんと、何はなくとも反発しあってしまう……といった側面も大きいと思います。前述の奥様のなかには、「男の子を産んで、お義母さんの気持ちも少しは分かるようになった」と語っていた方もいましたが、男性が母親に頭が上がらないのは、ある意味仕方のないこと、と諦め、あまり過度に反応しすぎないようにしましょう。なにはなくとも、彼をこの世に産み、育ててくれた存在。「戦える相手ではない」と戦線離脱し、関わりすぎて自分のストレスにしないよう務めるのが、個人的には一番だと思います。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

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