「自分の家族」がイチバン! だから結婚に消極的!?

婚活は変わらず盛んな一方で、「何が何でも結婚しなくちゃ、とまでは思わない」という、消極的な考えの人も増えてきているこのごろ。朝日新聞社が行った定期国民意識調査(2009年12月)においても、「必ずしも結婚しなくてもよい」と答えた人は、20代で61%、30代は62%、と過半数を大きく超える結果に。ちなみに、40代では53%、50代で44%、60代は38%、70歳以上で22%となっており、結婚観は世代間で大きく違ってきているようです。

さて、そうした結婚に固執しない価値観を持つ女性たちに話を聞いているうち、「自分の家族が大切、居心地が良いので、あまり結婚に気が進まないのかも」という声を、幾つか拾いました。それぞれに状況は違っているのですが、「自分の(育った)家族が一番いい」と思っている点は共通しているのです。3人の女性の例をご紹介します。

(A)生活レベルが保てない


Aさんは、20代前半の女性。アルバイトで給与が少ないため、卒業後も生活費を入れつつ、実家に住まわせてもらっている状況。家族の仲もよく、休日に母親や姉妹と一緒に出かけることも多いとか。彼氏はいるものの、同じくフリーターのため、結婚後に今のような生活ができないのは確実で。結婚を考えないわけではないが、現実的に生活が厳しくなるため、なかなか実家を出られない……とのことでした。

社会問題として、非正規雇用の増加や不況、賃金低下といった問題が取り沙汰され始めた2000年代。それ以前は「パラサイトシングル」といった言葉も話題になっていましたが、悪化の一途を辿る雇用状況から“やむをえず”実家暮らしを選択する若者も多く、最近はそうした言葉もあまり言われなくなりました。ある程度、裕福な時代に育った若者たちにとっては、生活レベルが下がると分かって「結婚」に飛び込むのは、中々に勇気のいることなのかもしれません。話を聞いた中には、Aさんと同様の就労状況で、結婚後もそのまま実家にいて2世帯同居になった、という方もいました。シェアハウスブームと同様、経済的な意味で2世帯、3世帯を選ぶカップルも、今後は出てくるのかもしれません。

(B)「家族」の結びつき、存在は重要


Bさんは、30代目前の女性。社会人になり、しばらく実家を出ていましたが、震災時に色々と出来事があり、「家族一緒に暮らしたほうが、お互いに安心だろう」という話になり、都内の実家に戻ったそう。生活費も沢山入れている、とのことですが、仕事が多忙なため、なんだかんだ言いつつも、自分を気遣ってくれる祖母や両親の存在にとても感謝している、とのこと。結婚したくないわけではないが、長らく相手がいないので具体的なイメージが湧かないし、自ら進んで婚活するほどまでは「動機」も湧いてこないのだそうです。

震災を機に、「家族」の結びつきや存在の大切さを強く感じた、と語っていた彼女。冒頭の2009年時の調査でも、「必ずしも結婚しなくてもいい」という若者たちを含めた全世代の97%が「家族の結びつきは重要」と回答しています。「家族は安らぎを与えてくれる」という項目でも、20代、30代の8割以上がイエスと回答。結婚して新しい家庭を作るエネルギーは湧きにくくとも、「自分が育った家族」を大切に思っている若者は非常に多いことが分かりますね。「いつか親がいなくなることも、勿論分かっているのですが……」とBさんは語っていましたが、今の60代以上の世代は元気で健康な方も多いですし、「いつか独りになる危機感」というのも、まだ実感としては少ないのかもしれません。

(C)離婚すれば結局、他人だから


Cさんは、30代中盤の女性。実家の近所で一人暮らし中。実家には離婚経験ありの妹がおり、彼女の離婚協議の際、相手や、相手方の家族の辛辣さを目の当たりにし、「結局、結婚相手は他人なのだなぁ」と心底感じてしまったのこと。一方、自分の両親は身を呈して妹を庇ってくれたとのことで、「本当に信頼し、大切にしあえるのは、育った家族だけだ」――今はそんな思いが姉妹の共通意見となっているそうです。

3組に1組が離婚しているという時代。「血縁関係以外は、結局信用できない」という考えの人が増えるのも、ある意味では当然のことなのかもしれません。トラブルを乗り越え、長年一緒に生活してこそ、家族の絆は生まれていくものではありますが、結婚後、短期間で離婚してしまうカップルも多いため、新しい家族の絆が育ちにくい一面があるのかもしれないな、と感じました。

いかがでしょうか。結婚には消極的なものの、3人とも「子供は欲しい。子供が持てるなら結婚もいいなと思う」と述べていたのは印象的でした。男女の関係は脆(もろ)くても、自分が両親にそうしてもらってきたように、血を分けた子供とならば、愛情深い『家族』になっていける――そうした思いが心にあるのかもしれません。皆さんは、自分の家族が好きですか? 結婚して新しい家族を作りたいと思いますか?
(外山ゆひら)
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この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

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