「価値観の相違」は結婚生活においてネックなのか?価値観にこだわる女は結婚できない?

婚活している女子がよくいうセリフ、こんなことをよく耳にしないだろうか?

「私の理想のタイプは価値観が合う人!」
「あの人とはどうも価値観が合わないのよね」
「なんか価値観が違う……」

そんなに価値観って重要なものなのだろうか?
「相手と価値観が合うこと」がそんなに大事なのだろうか?
よく結婚相手は「価値観が同じであるべき」などと、ちまたでは言ってたりするが……そんなごたいそうなものなのか? 価値観にこだわり過ぎたり、そういうことにとらわれているとなかなか彼氏は出来ないし、いつまでたっても生涯のパートナーが見つからないのではないだろうか?

価値観っていいながら都合よく自分のわがままを正当化してるだけ。「自分は相手に合わせる気はない」と言っているようなもん。

そもそも価値観が同じ人など見つからない。
この世の中“価値観が違う者同士”のが絶対数多いはずであり、価値観の合う人と出会えればそりゃいいのかもしれないけども……それは、まれなこと。何十年も違う場所で、違う家族の元で生きてきた2人の価値観が合うことのほうが奇跡ではないか?

私の知人が離婚した。
しかし彼女は結婚前の交際中に「彼とは気が合うの!本当にウマが合うのよ」「ケンカなんてしたことな~い」と女子会でよくノロケていた。「こんなに価値観が合う人、他にはいない」「彼とは価値観が一致してるの」と……。
一緒にいて気を遣わないこと、食べ物の好みや興味、関心事が似ていると確かに楽である。なんたって衝突しないですむ。
似たような価値観を持っている相手との付き合いは、デートや一緒に何処かへ行くときも意見がまとまりやすく物事がスムーズに運ぶ。自己主張する必要もないし言い争いになることもない……精神的に負担にならないしストレスも少ない。
……しかし結婚生活は破綻した。
何故なら同じ価値観、気が合うと自慢していた2人は結婚生活上で発生するもろもろの問題にうまく対処できなかったから。そして壁や溝が生じた時にちゃんとケンカもできなきゃ謝ることも出来なかったのだ。
同じように考え行動する……そう、似たもの同士がいいとは限らない。解決の糸口は自分と違う意見や考えを持っている人から得られるものだ。
問題を乗り越えるときには“目からウロコ”ってことが必要だったりする。

「交際している時にちゃんとケンカしとけばよかった……」と彼女は言っていた。価値観の相違があるからケンカする、わかってもらおうと努力する! ……これって気が合うことより大事なことかもしれない。

それに生きていれば誰しも価値観は変わっていくものだし、変えていくことで成長することもある。
極端な話、若い時と今、または二十代の頃と三十代の自分、そして四十代、五十代で同じ価値観を持ち続けているのか? また持ち続けられるのかも疑問である。
生きていれば見方も考え方もかわる。環境や状況、また自分の経験した事柄によりだんだん物の見方や判断基準は変化していく。仮に、結婚前は似たような価値観を抱いていたとしても、女性が出産し子育てしていくうちにそれは変わるかもしれないし、旦那が出世したり部署や仕事のことでいろいろあればどこにどういう価値を求めるようになるかはわからない。何年かしてどちらかが変わっても不思議じゃないことだ。

もちろん、価値観の種類にもよる。結婚生活には大事な価値観の基準もある。
食へのこだわりやお金の使い方、金銭感覚などに差があったり、違っていると厳しいが、生活維持に必要なもの以外の価値観は生きている中で変化するかもしれないわけだからさほどたいそうなものでもない。

自分にとって大切なことが相手にはあまり大切なことではない……とか、変わった趣味を持っているとか、自分の世界をもっているとか……。笑いのツボが違ったり……または観た映画の感動するポイントが違ってもいいではないか?

多少の価値観の相違はあって当たり前であり「価値観が合う」とか「価値観が同じ」というよりは、“その相手の価値観を認める”ことが大事。「同じ意見や考えを持て」ではなく“お互いの価値観を理解できる”“理解しようとそう努力する”ならうまくいくと思う。結婚とは、相反する価値観や考え方、相手の生活習慣を理解したり、改善しながら、二人で乗り越えていくもの。
嫌いな人と無理して我慢して一緒になる必要はないが、価値観にこだわると物の見方が偏るし狭くなる、視野は広がらない。価値観の違いを面白がったり楽しめたり、発見だと思えたら、2人でいて4つの目を持てるということであり、二倍の視野が広がる。
自分と違う意見を言われても『へ~そういう考え方もあるのかぁ』と思うような柔軟性、自分との違いを受け入れる包容力があってこそ一つ屋根の下で生活ができるのだ。

「この人とは合わない」=「価値観の相違」って言葉だけで、片づけちゃいけない。

哲学者のヨガナンダもいっている
『正反対のものこそが、自分を完全にしてくれる』
つまり……お互いに足りない部分を補い合える、自分と違う部分や大事にしていることを尊重できる相手こそ自分に必要な相手。くだらない価値観に囚われるな、価値観は相手への押し付けであり傲慢な理想なのである。

「価値観」とは、時間の経過とともに、変わっていくものであり、自分と共に育っていくものでもある。
(神崎桃子)

※哲学者のヨガナンダ……パラマハンサ・ヨガナンダ(1893-1952)
1893年1月5日インド生まれ。米国に渡り一生をヨガの伝導に賭けた。その著書『あるヨギの自叙伝』は、エルヴィス・プレスリー、ジョージ・ハリソン、アップルコンピュータ創業者スティーヴ・ジョブズたちの座右の書となり、世界中の霊性探求者たちに影響を与えた。

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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