人を釣るには大阪おばちゃんのコミュニケーションツールに学べ?

大阪(関西)のおばちゃんは最強の生命体と言われている。
そして大阪のおばちゃんの飴ちゃん文化、「飴ちゃんもってきっっ」といって飴(飴を無理やり? 持たす話は各メデイアで取り上げられるほど有名。

今日スポーツクラブでまさに飴ちゃんおばちゃんに遭遇した! ただし私が住んでいるところは浪速でなく江戸である。

“手作りの巾着袋”から出てきたのはナント飴玉!! 
「えーっ!! ここは浪花じゃなく江戸だよ!」と驚く私に「うち旦那が尼崎や」と教えてくれた。ナルホド~。関西人の旦那を持つと奥さんも関西のおばちゃんになりはるのか(笑)。しかし、彼女が着ていた服がくまもんのTシャツって~のが気になるところ。そこは抜かりなくヒョウ柄とかゼブラ柄などのアニマルTシャツにしようよとツッコミたかったところだが……。
ま、飴ちゃんいただきますっ!
……しかし、ただ飴を持ち歩くのでなく飴をきちんと巾着に入れて飴ちゃん専用の“飴袋”を持っているとはすごい。

もともと大阪出身で旦那の転勤で東京に移り住んできた知人に大阪文化や飴ちゃんのことを聞いてみた。

Q. 飴ちゃんに“ちゃん付け”するのは何故? 飴を敬う気持ち? 尊敬の念なのか? 関西では食べ物などに“ちゃん”をつけるのが日常なのか?

A. 「う~ん。そこは私にもわからない。雨と区別するためとかいうけど……。そういえばお豆もお芋も「お豆さん」「お芋さん」と“さん付け”なのに何故だか飴には“ちゃん付け”だわ」
……関西で食べ物には普通「さん」を付けて言い、「おはようさん」や「ありがとさん」など、一般の言葉にも接尾語の「さん」を付けるということらしい。ただし、食べ物で「ちゃん」が付くのは飴ちゃんくらいだということ。

Q. 大阪では飴ちゃんだけでなく手作りの“飴ちゃん袋”を持ち歩くのか?

A. 「飴ちゃん袋は手作りじゃなくても可能! ただし買ったまんまの姿“その飴の袋のまんまで”とかジップロックやビニール袋なんかに入れてバックに忍ばせているのは邪道! あくまで自前の飴ちゃん専用袋を持つべし」

Q. 飴ちゃんを人に与えるのはいつからか? 自分がおばちゃんとして自覚してからなのか? それとも社会人としてのたしなみ? はたまた大阪人としての常識なのか?

A. 「飴ちゃんは大阪人としてのマナー。私は社会に出た時くらいが”飴ちゃん袋デビュー”だったな。
東京に移り住んだ今では”東京人のフリ”して飴ちゃん袋を持ち歩かなくなってる。東京かぶれか? (笑)。以前は小さい巾着袋を必ず持参してた」

Q. 飴ちゃんはその辺にいる誰にでも配るものなのか? 飴ちゃんをあげる人に対してのランク付けはあるの? 線引とか?

A. 「基本的に話すキッカケとして飴ちゃんをあげる、話しかけたい人にあげるのが普通、知らない人でもオッケー。
バスや電車を待ってる人や公園のベンチとかでも、またゴホッゴホッと咳き込んでる人がいたら『これ舐めときっっっ』……と飴を渡す。
子供に話しかける時も『おばちゃんが飴あげるから泣き止んで~』とか使うし、OL時代の若いころも抵抗なく自分のこと“おばちゃん”とか言って渡してたわ」

Q. ここでまた、新たな疑問発生! 差し出した飴ちゃんを相手が頑なに拒否、『要らない』と言った場合はどうするのか?相手が断っても怯まず握らすのか? 受け取ろうとしないと脅すのか?

A. 「飴ちゃんを受け取らない人間がいたとか聞いたことないわ~~~。
飴ちゃんは人とのコミュニケーションツールだよ!! 受け取らない……イコール、コミュニケーション拒否になるからね。受け取らないなんて暴挙でたら大変なことになるよ(笑)」

……「とっとき」って飴を差し出されて断ったら「お前、アタマかち割ったろか」っていわれそうで誰も断らないだろう。
大阪では飴ちゃんはコミュニケーションのツール、話すキッカケとしての飴ちゃんなのだ。知らない人にだって『これ舐めときっっっ』……と飴を渡し会話のやり取りをする。
いつでも取り出せるように飴ちゃん袋を忍ばせ飴ちゃんを差し出す大阪のおばちゃん。
なんというサービス精神旺盛や~。そこまでしても人と関わりたい、話したる~という精神、すっきやねん!
飴で人を釣る、飴で口を開かせる、口を割らせる……最高やわ(笑)

Q. 道頓堀あたりで『あの~吉永小百合さんですか?』と尋ねると『どこでわかった?』
『よう言われるんや。グワッハッハッ』と返してくるとか? この”吉永小百合リアクション”は本当なのか?

A. 「間違えなくそれは模範解答だと思われる。私は言われたことないけど(笑)。
大阪では、吉本芸人と出くわしても、『アンタ、何しとった?』と気楽に、というか普通に話し掛けるし……子供の頃いたずらしたり悪さしたら親から『そんなことばかりしてたら吉本入れんで~』とか『吉本入り~』と言われ育ってるから、吉本とか芸人が特別という感はない」

恐いもの知らず…?
いやいや、おばちゃんの魅力はこのフレンドリーさ。知らない人や芸人とでも、臆せずに会話を楽しむことができるのだ。
そしてただのノリの良さだけでなく“返しのよさ”と“ツッコミ”である。まさに飴とムチを与えるのがなんとも上手である。

彼女達の最大の武器はこの「コミュニケーション能力」「誰とでも仲良しになること」なのだ。
先日フジテレビのアゲるテレビで『綺麗で若いモデルVS大阪のおばちゃん』……商店街の通行人に対して“30個のテッシュをどちらが早く配り終えるか”を検証していた。
結果は開始後5分12秒で大阪のおばちゃんのテッシュは全部はけた。一方、綺麗なモデルさんは配り終わらず余すことに……。
テッシュをただただ配るモデルさんに比べ、大阪のおばちゃんは通りすがりの知らない人にまるで知合いのように挨拶し、親しみやすく温かい言葉で積極的に声かけし、なんとモデルさんからは受け取らなかった人でさえおばちゃんからはテッシュを受け取っていたのだ。
人を釣るには若さや綺麗さよりコミュニケーションはやはり最大の武器のようである。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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