入社10年以上、貯まり続ける「勤続疲労」に注意!

「一生、同じ会社で働く」という前提の人ばかりではなくなった時代。「この会社は合わない」「過酷すぎる」「もっと自分が活きる能力で働きたい」などと思うと、比較的、若い世代のほうが転職や退職に踏み切る人が多い、と言われます。世代ごとの価値観の違いも当然ありますが、養うべき家族をまだ持たない人が多いことや、早いうちであれば経験よりも可能性での転職が可能、といった理由もあるのでしょう。

「働き盛りの10年選手」が一番深刻!?


一方、入社10年をも越えてくると、「会社を辞める」という選択をする人は徐々に少なくなっていくもの。家族や子どもを養い始める人も多く、職場での責任感も増してくる。簡単には仕事を放り出せない働き盛りの時期ですが、こうした勤続10年以上の、性格も真面目なサラリーマンが、実はもっとも疲労やストレスをかかえていて(=「勤続疲労」)、危ない状態である……と医学博士の夏目誠氏は著書で述べています。

夏目氏によれば、「勤続疲労」の患者には、1. 慢性型の人、2. 急性型の人がおり、1は10年以上働き続け、知らないうちに身体に「残存疲労」が溜め込まれている人。本人も気付いておらず、慢性的に“健康と病気の中間状態”である、ということです。2は、突発的に3ヶ月以上、何らかの“過労”が続いている状態の人。両者とも、この状態に何か新たに疲れやストレスが加わると、心身の病気を発症してしまいやすいそうです。

「勤続疲労」は心身の病に繋がる


勤続疲労は、「うつ」「過労死」「過労自殺」などの要因にもなっており、不健康な状態にも陥りやすいことから、「高血圧」などの生活習慣病のもとにもなっています。特に近年、問題視されているのが「心」へのストレス。うつ病等の気分障害の患者数は、平成20年度の数字で104.1万人となっており、12年間で約2.4倍に増えています。現在人気のドラマ『半沢直樹』でも、期待を背負いすぎて、うつ病になり、出世コースを外されてしまった同期の友人が登場していましたが、すっかり一般的な病となってきました。

また、厚生労働省が実施した「働く人々の健康状況調査(平成19年度)」でも、「職場で強い不安や心配、ストレスを感じる」と回答した労働の割合は58.0%、という高い数値。6割近くの人仕事で強いストレスを感じている……というのは、かなり心配な状況ですね。
長引く経済不況や、能力主義を採用する企業が増えたことも、働く人へのストレスに拍車をかけていると言われていますが、今後もまだまだ安泰ではない時代が続きそうなことを考えると、「勤続疲労をどう解消するか」というのはサラリーマンの大命題。普段から「ストレスや疲労をできるだけ貯めない工夫」をすること、そして「上手に休み、リフレッシュする工夫」を心がけることは、突然“ポッキリ”折れないために必須なのかもしれません。

インドアとアウトドア、両方でストレス発散を


では、具体的にどんな方法が有効なのでしょうか。長期休暇を取れればベストですが、なかなかそれは難しいもの。上述の夏目氏によれば、丸2日間、全く何もせずにダラダラする「2日ごろ寝法」や、体操や入浴でよい眠りを習慣づける「熟眠法」などは、比較的、手軽に疲れを解消しやすい方法、とのことです。家族にお願いして、「土日、ただダラダラと過ごさせてもらう」くらいならば、すぐに実行できそうですね。

睡眠の他にも、素の自分になって楽しめる遊びを持つこと、自然・音楽・旅・会話などから癒しを得ること、心から楽しめる友人や仲間を持つこと、自分の生活ペースを整えること……などは効果的。また、1人でホッとくつろぐ「インドア」の時間と、仲間と一緒に身体を動かし、感情を発散する「アウトドア」の時間の両方を意識して取るようにすると、さらにベストだそうです。

先日、ジブリの宮崎駿監督がTVインタビューにて、「色々あるけど心配したってしょうがない、まずは健康で働く気があればいい。“不安”は流行っているからやめよう、世の中が不安なときは楽天的になってみよう」といった趣旨のことを述べていました。不安が蔓延する時代。労働環境に関しては、企業側の改善も必須ですが、勤続疲労や、そこから生じる病を防ぐためには、一人一人が「ともあれ健康で、楽天的にいることも大切」と意識して、ストレスを背負いすぎないようにするのも大切なことかもしれません。

あなどれない、勤続疲労。「ちょっと調子がおかしいな」「慢性的に疲れている」と感じたときは、放置せずに“充電時間”を設け、身の回りの人や専門家への相談や、生活スタイルの改善などを行っていきましょう。働き盛りの皆さん、あなたは大丈夫ですか?
(外山ゆひら)

(参考)「勤続疲労に克つ」 夏目誠著 ソフトバンク新書
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この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

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