歯医者でもセカンドオピニオンを仰ぐ大切さ

最初はなんとなく左の奥歯がうずく感じだった。歯科医院で診てもらったところ「知覚過敏でしょう」ということで薬を塗布されたのだがそのうずきや歯が浮いた感はおさまらず、冷たいものもめちゃめちゃシミる。

やっぱりおかしいって思いで再診。先生はレントゲンの画像を眺めるも首をひねる。「とりあえずしばらく様子を見てください」とその日は終了。しかし、だんだんと歯が疼く感じからズキズキ感へと変わり、奥歯が脈を打つのを感じはじめた。

再々度歯医者を尋ねると、「歯の根っこがやられているのかも? これは歯を削って内部を診てみなきゃわからない」とのこと。

とにかくつらい痛みを早く取り去りたい一心で、その治療方法にすばやく同意。

この治療、麻酔を打つもむなしく、初めて味わう種類のとんでもない痛みが伴うものだった。ころげまわることものたうち回ることもできないでつらい時間だけがただただ過ぎていく。

「神経がやられちゃってるね。抜くしかない。歯根膜炎だ」

先生は冷静につぶやいた。先生の話によれば、神経は虫歯により破壊されるのが通常だが、ストレスや外的な刺激によってもダメージをうけるらしい。固い物を噛むときだけではなく、運動する時や睡眠中にも知らず知らずに歯を食いしばっている。ストレスや疲れ、不規則な生活により人は歯ぎしりや食いしばりをしてしまうらしい。そんな圧力に歯が耐えられなくなってダメージをうけ続けた神経は壊死し、そのうち腐敗するという仕組み。

今回はそのご臨終となってしまった神経を取る、つまり抜髄の治療を行うことを宣告された。ただ、歯の根っこを抜いちゃえばおしまい、なんてわけにはいかなかった!

歯の神経、根っこは、屈曲している根管や細い根管など複雑で繊細。一度できれいにとれるってわけではないという。しかも根管内は肉眼では見えないため手探りに近く、面倒で厄介な治療なのである。

治療は毎度毎度かぶせたものを取り除いては歯の内部を洗浄するという繰り返し。歯の神経が死んでも、チクチクの恐怖と苦しみを十分感じとることができるし顎にも頭に響く。歯の内部に針が侵入してゴシゴシされるたび頭にキーンと突き抜けるような痛みが……。

なによりつらかったのはこの治療を度重ねても痛みが消えないことだった。そして痛みが続けば気持ちはどんどんネガティブになる。噛めない、ちゃんと物を味わえない、先行きわからない不安に苛まされた。

結局2カ月後、他の歯科医に診てもらうことにし、適切な治療を受けて一件落着。

今回、セカンドオピニオンや先生の見解を仰ぐことの必要性を肌で感じる経験をした。歯科医の技量やポリシーに差があることも知った。

患者が欲しているのはただ単に技術だけというわけではない。先生との意思疎通、これが大事だと思う。きちんと向き合ってくれるか? 耳を傾けてくれるか?

患者というのは知りたいくせに引っ込み思案なもの。痛みがあればあるほど聞くべきなのに目の前の痛みにとらわれすぎて「早くなんとかして欲しい」が先立ってしまいがち。

治療した後で、それも歯や神経をとったあとで「自分は知らなかった」「よくわからなかった」では済まされない! 失われたものは二度と戻ってこないのだから。セカンドオピニオンは大事である。
(神崎桃子)
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この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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