「誰でもいいから結婚したい」と思ってしまう4つのタイミングとは

婚活ブームも少し落ち着きを見せ始めているこのごろですが、それでも「結婚したい」と考える人は増えているようです。2012年に厚生労働省が20代の独身男女に結婚観などを聞いた調査(10月末時点、20~29歳の独身男女約1万7千人対象)では、「結婚したい」と考える女性の割合は75.6%と、10年前の69.9%と比べ6%近く増加するという結果に。男性のほうは61.9%で、2002年調査の61.8%とほぼ変化なし、という結果でした。

愛の挫折、無知、年齢、状況的に


こうした数値から見ると、結婚願望は比較的女性のほうが強いと言えるかもしれません。「結婚は、相手がいればしたい」といったマイペースな人もいる一方で、中には「誰でもいいから結婚したい!」という切実な声も聞かれます。では、「誰でもいいから結婚したい!」と思ってしまうのはどんなときか? 昭和の代表的な女流作家、倉橋由美子さんは以下の4つのタイミングを挙げています(1964年「婦人公論」より)。

(1) 愛に失敗したとき
(2) 愛について何も知らないので、誰とでもスラスラ結婚できる場合
(3) 売れ残ってしまってこれ以上我慢できないというとき
(4) 一生結婚しないでひとりで生きていこうという主義を、何かの事情で棄てなければならなくなったとき

(1)は、大失恋、破局、離婚などで悲しみに打ちひしがれているとき。こちらは経験のある方も少なくないかもしれません。パートナーの“喪失”を経験し、とにかくひとりでいるのがつらい、心底、誰かに側にいてほしい、という心情になるため、熱心に相手を求めやすくなるし、家庭という、自分を受け入れてくれる確実な場所が欲しくなる、という状態はなんとなく皆さんも理解できるのは?

(2)は、まだ誰も好きになったことがない、という状態になりますが、これが50年前の考察ということから考えると、初恋も知らずに若くしてお見合い結婚をする場合、といった状況を指すと考えられます。そうして結婚した相手でも、徐々に好きになっていき、幸せに暮らせたならば、これほど幸運なことはないかもしれませんね。

(3)は、年齢や環境などの理由から、「ひとりでいるのが心底耐えられない!」と精神的に追いつめられたとき。周りがどんどん結婚していくなかで「もう誰でもいい!」と焦りを覚えてしまう瞬間があるのは、現代女性の感覚にも通じる部分かも? 結婚をするのが当たり前だった50年前でも、そういった女性がいたんだな、ということはちょっとした発見ですね。

(4)は、仕事を継がねばならないとか、金銭的な事情や家族の事情があって、独身でいたいけど、自分の都合だけで独身を貫くことが状況的に許されなくなったとき……といった感じでしょうか。「自分ひとりでは生活ができない」といった経済的な理由や、「家業を継ぐために結婚しなければ」といった家の事情でやむなく結婚する場合も、相手へのこだわりが弱まり、「誰でもいい」という心境になりやすい、ということのようです。

「それでもロマンは棄てられない」のが普通


さらに倉橋さんは、「女性が『誰とでも結婚できる』と思ったとき、本当に条件のいい男性を選べるし、自分の好きなフィクション(良妻賢母になる、セレブ妻になるなどの)を選べる」といった分析をしつつも、「これは誠におそるべき悪女なので、世の男性は引っかかるべからず」、「それが嫌なら、結婚というフィクションの廃止にとりかかるべきでは?」とユニークな提案をして締めくくっています。

彼女の言うように、本当に「誰でもいい」と思えるならば、もしかしたら、結婚自体は確かにそう難しいことではないのかもしれません。条件だけで相手を選ぶこともできるのでしょう。しかし、「誰でもいいから結婚したい」と思うほど自棄になってしまう“イチ瞬間”があっても、本当に「誰でもいい」わけじゃないのが多くの人の本心。好きな人と一緒になりたい、温かい家族を作りたい。そうした思いを持つ男女は少なくないかと思います。

社会制度の整備不足や雇用状況も大いに影響している現代の結婚事情ですが、それでも、1組でも多くのカップルが、「誰でもいい」ではなく、「あなただから結婚したい」という気持ちで結婚に至れるといいな……などと書くと、甘い考えだと笑われるでしょうか(笑)。皆さんは、「誰でもいいから結婚したい」と思ったことがありますか? それはどんな瞬間でしたか? 
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

関連記事

今、あなたにオススメ