女性は特に向いている!? “2足のわらじ”人生のススメ

仕事と家庭を両立する女性をはじめ、キャリアウーマンだけど大学生、主婦だけど起業家、サラリーマンだけど作家……など、複数のライフスタイルや“顔”を持つ人が近年増えています。まさに、“2足のわらじ”人生と言えるでしょうか。ひと昔前であれば、「ひとつの道を極めていない」「どちらも中途半端になるのでは?」といった批判的な見方をされることもあったようですが、これからの時代、そして特に女性は、そのような生き方は幸せにつながりやすいのではないか、といった意見も出てきています。今回はそんな“2足のわらじ”的生き方についてのお話です。

阿川佐和子さん、清水ミチコさんも……。“2足のワラジ”は何がいい?


著名なエッセイストであり、コメンテーターでもある阿川佐和子さんは、著書にて「女性は、2足のわらじを履くほうがうまくいく」という持論を展開しています。「家庭で嫌なことがあれば、職場でいいことがあって、どっちかの“いいこと”にすがって女性は生きていける」とそのよさを述べたところ、同じくお笑い芸人と音楽家という2つの顔を持つ清水ミチコさんも、これに強く同意。テレビがダメでも、ライブでウケると、「私にはライブがあるじゃないか」と思って続けてくることができた……と自身の経験を語っています。

2つの異なる仕事を持っているお2人。多彩な才能に恵まれてこそ、だとは思いますが、阿川さんは大作家の娘のため、執筆や文壇での立場に関しては、長らく1人前として扱われないコンプレックスがあった、と各所で語っています。しかし、さまざまな経歴を経て、現在は名インタビュアーとしても大きく開花。いくつかの“顔”を持って生きていたことで、行き詰まることなく、ほがらかに着実に歩を進めてきた結果、今の場所にたどり着いた―― 。
そんな経験から、“2足のわらじ”的生き方のよさを強く実感しているのかもしれません。

無論、世の中には粛々とまっすぐに1つの道を究めている人もたくさんおり、それもとてもすてきでカッコいい生き方ですよね。ただ、誰もが何かに“極めて秀でている”わけではないですし、また現代においては、人生の時間も非常に長い。1つのことだけに絶対的なアイデンティティを見いだして生きた場合、何かのキッカケでそれが失われたり、挫折して心が折れたりすれば、その後幸せと感じられる人生を送れなくなってしまうかも。

上述の清水ミチコさんも「気分転換ができなくて、やることがないと、悪い方に走りがち」だと述べています。とはいえもちろん、「気分転換」や「保険」として別の道を探したわけではなく、世の中に求められる芸や、自分がイキイキできる場所を探した結果、彼女は2つの仕事をするようになった。気がつけば“2足のわらじ”を履くことになったものの、挫折を感じたときも上手に気分転換できて心折れずに済む、鬱々とせずに双方を頑張れる……というよさを感じているようです。

女性に向いている理由は? 「男子一生の仕事」じゃなくてもいい!?


一般的に、女性は同時にいくつものことを考える“マルチタスク”が得意だと言われています。「仕事中でも、干してきた洗濯物のことを思い出せる」なんてたとえもよくされますよね(笑)。モチベーションが比較的「感情」に左右されやすいという傾向も合わせると、確かに“2足のわらじ”的生き方は、とても女性に向いているのかも!

もちろん、男性もこれからの時代は選択肢に入れるとよい生き方かなと思います。昔は「男子一生の仕事(=男子は全身全霊をかけてやり抜く仕事を持つべき)」なんて言葉もありましたが、先にも書いたように、寿命や余暇の取れる時間も延びている現代。定年退職後や就職、転職がうまくいかないとき、他にやることを見つけられず、ふさぎ込んでやる気を失い、中には心を病んでしまうような方も増えています。

「前向きに取り組み続けること」が人生を開く鍵だとしたら、気分転換できる別の場所がある、行き詰まったとき別にやることがある、という状況は、心の面から考えればとてもいい形だと言えるかも。「挫折しても逃げ出すべきじゃない」「よそ見をしていたら周りに遅れをとる」というのも正論ですが、複数の職業やライフスタイルを持つことで好循環が起こり、双方によい影響がもたらされることも期待できます。

これからの時代は「プロテウス型人間」が強い!?


また、同時期に複数の“顔”を持たずとも、その時期その時期での“顔”を持つのもおすすめです。ある時期は何かひとつに打ち込むものの、変化の波が来たときは、身軽に何度でも転身することができる。時代の価値観や環境に合わせて自分を変容させていけることは、変化が激しくスピード感のある現代においては、非常に重要な資質だと言えます。こうした変幻自在な生き方ができる人のことを、アメリカの精神学者リフトンは、ギリシャ神話になぞらえて「プロテウス型人間」と名付けています。

短いようで長い人生。1つのことに身を投じるのもすてきですが、やりたいことがたくさんあり、世に喜ばれる、頑張れることがいくつかあるという方は、ぜひ1つの生き方・アイデンティティに固執しすぎず、「もう1足わらじを履いてみようかな!?」「プロテウス的生き方をしてみよう」などと身軽に柔軟に、別の“顔”も持ってみてもいいかも!「前向きなやる気」を保ち続けることにも役立ち、そのことは、何に取り組むにしても必ず大きな武器となってくれることと思います。
(外山ゆひら)

(参考)「阿川佐和子の会えばなるほど」 阿川佐和子著/文春文庫

EDITOR

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事多め。発言小町の相談コラム『恋活小町』担当。文芸・カルチャー・エンタメ方面を日々遊歩しております

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