精神科医に聞いた「共依存カップルはアブない!?」

前回に続いて熊代亨さんに婚活・結婚についてお話を伺います。後編では、ちまたでもみかける「共依存カップル」についてお話を伺いました。

共依存はアブない!?


―― 「共依存カップル」とは何でしょうか。

熊代 片方が「ひたすら愛したい・養いたい」と思っていて、そのパートナーが「愛されたい・養われたい」と思っているようなカップルです。母親と赤ちゃんの関係は発達に必要な共依存状態ですし、成人の場合は、マンガ『天才バカボン』のバカボン夫妻みたいな関係です。でも、現実はマンガのようにコミカルではないので、世話する側が参ってしまって、世話される側がDV男のようになってしまいがちです。

―― 共依存カップルの問題点はなんでしょうか。

熊代 【世話する/世話される】を巡る男女関係が、極端になってしまいやすいんです。世話を焼かれる側がどんどん依存的になって、世話を焼く側もとことん世話しがちです。でも、生身の人間には限界があるので、共依存カップルはどこかで破綻してしまいます。これが、母親と赤ちゃんだったらいいんです。親子の力の差がすごく大きいうえ、赤ちゃんは未発達なので母親の欠点にもあまり気づきません。赤ちゃんがむちゃな要求をしてくることもないでしょう。多少欠点のある母親でも、赤ちゃんには十分な母親だと映るので、【世話する/世話される】が自然に成立します。でも、同じことを大人の男女でやったら、世話する側の欠点に気付いちゃいますし、世話する側にむちゃな要求をすることだってあるわけです。拙著『「若づくりうつ」社会』に登場したDさんの症例のように、世話される側が暴力的になったり、ヒモになってしまったりして、「片方が仕事も家事も全部やって、もう片方がずっと遊んでいる」みたいな関係に陥りやすいです。

―― Dさんのような例はなぜ起こるんでしょうか。

熊代 ライフサイクルの初期段階で、養育者に世話されたり愛されたりした体験が乏しいと、【世話する/世話される】【愛する/愛される】に極端な人間になりやすいといわれています。そういう人が求める男女関係は、赤ちゃんと母親のような、欠点の見えない関係です。だから「君とボク」の世界に欠点や手抜きはあってはならないし、完璧に世話する側と、完璧に世話される側による関係を無意識のうちに目指してしまいます。そうやって極端な関係をエスカレートさせていくうちに、パーソナリティ障害みたいな状態に陥る人も見受けられます。

共依存傾向を見抜くコツ


―― そういうタイプの人を見抜くためのポイントはありますか?

熊代 まず「押しに弱い」タイプでしょうか。「○○買ってよ~」ってねだられたら、そのまま買ってしまう人。一見、意のままになりそうな人ですね。でも、一見めんどうみがよさそうですが、パートナーとしては簡単じゃないと思います。

―― デートの途中でおねだりされて買うことは普通にありそうです。

熊代 そこが難しいところです。おねだりされて買う行為自体は、別におかしくありません。誕生日だからとか、クリスマスだからとか、何か理由があれば問題ないでしょう。でも、何の脈絡もなくOKしてしまう人は、ちょっと考えてしまいますね。普通なら、記念日や大義名分がなければ通らないようなおねだりでもOKを出してしまう人は、共依存傾向が強そうです。断れない人、Noと言えない人も注意が必要かもしれません。

―― デートで食事代を出しちゃう人もダメってことですか。

熊代 食事代を出す理由がはっきりしているならいいですが、とにかく全額払おうとする人、とにかく全額払わせようとする人は考え物です。
【世話する/世話される】の極端なタイプかもしれません。デートの時にひたすら面倒をみようとするタイプ、逆にひたすら面倒をみてもらいたがるタイプは、男女を問わず共依存に陥りやすいと思います。

―― なるほど。対策は何かあるのでしょうか。

熊代 「極端はまずい」に尽きると思います。食事をおごったり、おねだりしたりするのが全部いけないわけじゃありませんので、そこはご安心を(笑)。相手が不特定多数な婚活場面なら、【世話する/世話される】の極端そうな人を敬遠するだけでも、共依存に陥るリスクは下がるように思います。ルックスや勤め先ばかり見てないで、こういう心理的なポイントにも目配りしたほうが、よりよいパートナー探しにつながると思います。

精神科医が語る、結婚・婚活。いかがだったでしょうか。これを読んで、自分にも当てはまると思った方はぜひ一度自分の行動をみなおしてみてはいかがでしょうか。
(古田ラジオ)
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