「それって、難しいよね~」で、会話をごまかしてませんか?

テレビのアンケートなどで、「はい」「いいえ」「よくわからない」の3つをセットで見かけることがよくありますね。「はい」「いいえ」までは万国共通でしょうが、「よくわからない」というのは、とても日本人らしい選択肢のように感じます。

どちらともいえない、よくわからない、その他……。

「ひとつに結論を決めたくない」「あいまいにしておきたい」という心理がそこには働いています。そういった気持ちをよく表しているフレーズとして注目されていることばに、「難しいよね」があります。これは、単純に難しさを示す意味での使い方ではなく、会話を「ん~難しいよね~」と締めくくる使い方です。

例えば、結論の出ない(本人がどうにかするしかない)恋愛相談を受けた時

例えば、こちらとしてあまり触れてほしくなかったプライベートな話題を振られた時

例えば、このまま話していると、他の人に迷惑がかかってしまいそうな時(上司の悪口とか)

その他、単にお茶を濁す、時間稼ぎ、など、いろいろな効用があります。

難しい問題だよね、ボチボチって感じですかね、どうもこうもないですよ……

これらは「白黒ハッキリつけるまではいかないけど、とりあえずその場はなにか言わないといけない」時にちょうどいいことば。具体的なケースで見てみましょう。友人のAさんが彼氏とうまくいっていなくて、相談を持ちかけてきたとします。

「最近うまくいってなくて……。あれこれしてるんだけどあっちは冷めた反応で……。もうよくわからない! どうすればいいのかな?」

グズグズ悩むのが嫌いな人は「うまくいってないなら、別れましょう。ハイ、おしまい」ですみますが、それではあまりにも冷たい。かといって一緒にダラダラ考えるのも、めんどう。あるいは、この人は何を言っても、自分が納得したようにしか行動しないことは分かっている……。

そんな時こそ、「うーん、それって、難しいよね~」の出番です。この返答のポイントはもうひとつあって、それは「あなたの抱えている問題は、とても難しいですね」という共感の姿勢。誰にとっても、自分の悩みは特別なもの。それなのに「そんなの簡単じゃん! こうすればいいんだよ!!」と言われると、カチンとくる人が多いのです。

返答に困る。かといって、返答しないわけにはいかない。そんなときにこそ「難しいよね」。内容としては何も言ってないけれど、コミュニケーションとしてはとても親切。合格点です。それをきっかけにして相手が「そうなの、難しくてさ」と詳しく話し出すもよし、「別に難しくないよ。私が決めればいいことだから」と勝手に開き直るもよし。「難しいよね」は、相手を思いやる温かい便利な答え。でももちろん、そこで「ごまかされた」「はぐらかされた」と感じる人もいるわけで……。なかなか難しいですよね。
(五百田達成)

【お知らせ】作家・心理カウンセラーの五百田 達成氏の自身通算10作目となる、最新刊「戦略的、めんどうな人の動かし方」(クロスメディア・パブリッシング)が6月13日発売! 身のまわりに多い“めんどうな人”からYESを引き出し、実際に動いてもらう作戦を人付き合いのプロが50個厳選。手元に置いておけば、仕事もプライベートも楽になる、そんなヒントがたくさんつまった1冊!
1

関連記事

今、あなたにオススメ