仕事と結婚、どちらかに悩んだら……映画『グレース・オブ・モナコ公妃の切り札』のススメ

「この人と結婚したい。でも、今の仕事、どうすればいいの?」恋をする女子ならば誰もが一度は思い悩むフレーズではないだろうか。
そんな心のモヤモヤを解消するヒントになるかも知れない映画がある。

10月18日土曜日からTOHOシネマズ有楽座ほかで公開される『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』がそれだ。公開前の試写会に潜入し、女子向けおススメポイントを探ってみた。
10月18日土曜日からTOHOシネマズ有楽座ほかで公開
10月18日土曜日からTOHOシネマズ有楽座ほかで公開

ポイント1.仕事か恋か!? リアルに揺れ動く女ゴコロ


この映画は『喝采』でアカデミー主演女優賞を獲得したグレース・ケリーの物語である。華やかなハリウッド女優が大好き! な女性はもとより、映画にうとい女子も「絶世の美女として名をはせた」「人気絶頂でヨーロッパの大公と結婚し本物の公妃になった」というフレーズを聞けば「ああ、あの人……」と思い浮かぶはず。

もしもあなたがまだ彼女の顔を知らないのならばお手持ちのスマートフォンでぜひ「グレース・ケリー」と検索を掛けてみてほしい。今見てもまったく色あせないグレースの、硬質なダイヤモンドのような美しさはきっと目を見張るはずだ。

そんな完璧な美女を演じるのは、これまた絶世の美貌として名高いニコール・キッドマン。一般的には「トム・クルーズの元妻」と言ったほうが有名かもしれない。30代前半のグレース公妃を現在47歳のニコールが演じているのだが、その年齢差を感じさせないくらい画面の中の彼女は美しい。

ここまで聞いたあなたはきっとこう思うかもしれない。「そんな完璧な美女の話なんて、私にはとても縁がないし……」だがこの物語はタダの甘いおとぎ話ではない。

「世紀の結婚」と騒がれたグレースとモナコ大公レーニエ3世との挙式から6年後がこの映画の舞台である。ふたりの間にはすでに世継ぎとなる二人の子供たちも誕生している。いわば「夢のそのあと」を描いた映画なのだ。

いくら元・ハリウッド女優とは言っても、グレース公妃はペンシルバニア州フィラデルフィアの出身である。彼女の父は自らの才で多大な財を成したが、元はれんが職人だった。そんな彼女がいきなりヨーロッパでも指折りの歴史を持つ公国に来て、いきなりすべてがうまくゆくはずはない。母国語が英語のグレース公妃は公用語のフランス語をうまく話せないこともあって、宮殿のしきたりにいまだなじめず、ひどい疎外感を味わっている……というところから物語は始まる。

おまけに、彼女を悩ますのはそれだけではない。当時のモナコでは女性が政治に口を挟むことは良しとされず、なにか意見を言えば「それはアメリカ流だ」と皮肉を言われ、言いたいことも言えない。「女だてらに」「女のくせに生意気だ」と職場で冷たい視線を浴びた経験は、バリバリと働く女性ならば誰もがあるのではないだろうか。

何よりヒドイのは、唯一の味方であるはずの夫からも「もっと控えめでいてくれ」と叱責(しっせき)を受けていることなのだ。おまけに、安らぎのわが家である宮殿はあまりにも広すぎて夫である大公とは何日も顔を合わせない……なんてこともしばしば。狭い日本では考えられないような話だが、これも「多忙ゆえに彼と会えない」「彼が私の仕事を評価してくれない」と考えれば現代女性のココロにしっくり来るだろう。身分やルックス、悩みのスケールは異なっても、スクリーンの中のグレース公妃の苦悩はきっとあなたの共感を得るはずだ。

ポイント2.素晴らしい衣装と美しい景色!


……とは言え、いくらこのストーリーがイマドキ女子の悩みにシンクロするとしても、せっかく1800円払って2時間近く拘束されるのだから、現実離れしたキレイな何かを見たい! というのも女の本音というもの。この映画はそんなぜいたくな乙女ゴコロをも十分に満たしてくれる要素に満ちあふれている。
クライマックスの舞踏会用ドレスには1000を超えるスワロフスキーエレメンツを使用
クライマックスの舞踏会用ドレスには1000を超えるスワロフスキーエレメンツを使用

ポイントは「華麗な衣装」
この映画の衣装は、グレース公妃が実際に着たドレスやアクセサリーを、有名ブランドがこの映画のためにそっくり復元するという熱の入れよう。ある重大な舞踏会の場面でニコール演じるグレース公妃が身に着けるティアラと三連ネックレスはあのカルティエ製だ。ドレスには1000を超えるアクセサリーがきらめき、銀幕越しでも目を射られんばかりの輝きだ。他にも各場面で使われているスカーフやバッグは彼女の名称から取られた「ケリーバッグ」で有名なエルメス製だし、靴はサルバドーレ・フェラガモとジミー・チュウの提供によるもの。男性にはなんのことかお分かりにならないだろうが、女子ならば名前だけでわくわくするような一流ブランドの手による作品が勢ぞろいなのだ。

もうひとつのうっとりポイントは「美しすぎる風景」である。観光地として名高いモナコで撮影が行われただけあって、背景のひとつひとつがほんとうに「まるで絵画のよう」で女性たちのため息を誘う。青い海、ミニチュアのような街並み、そして豪華けんらんな宮殿。実際のモナコは遠く、気軽に足を運ぶのには困難が伴う。けれど秋の観光シーズンなのにお財布に余裕のないあなたでも、映画のチケット1枚で旅行をしているような気分が味わえるのなら安いものなのかも!?

ポイント3.「じゃあ、どうすればいいの?」まで描かれている


問題提起のしっぱなし、あとは見た人任せ……という映画も少なくないが、この『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』には“解決策までしっかり描かれている”のが最後の女子におすすめな重要ポイントだ。女の話にはオチがない、などとよく言われるが、真面目な女子は中途半端をとことん嫌う。投げっぱなし、やりっ放しのストーリーは決して女性向けではないが、この映画は決してそうではない。

「仕事と恋愛、どっちを取ればいいの?」
「職場で女のクセに生意気だ! って言われたら?」
「彼が私のしていることを、価値のあることだと思ってくれなかったら?」
「結婚して環境が変わった先で、そこになじむことができなかったら?」
「いちど辞めた仕事に未練があって、やっぱり復帰したいけれど、周りが反対する……」

そして何よりも、
「結ばれたそのあとに、彼の愛が冷めてしまったら……?」

グレース公妃が感じた、現代女性にも通じるこれらの悩みの解決策がこの映画のなかにはきっちりと提示されている。彼女が取った勇気ある策の詳細は映画館で見てほしいが、ひとつだけ言えることは、公妃だろうが一般人だろうが、自分を偽らず最善を尽くせばいつかは不可能と思っていた道は開く、ということなのだ。

ドレスやジュエリーはまばゆいばかりだが、この映画のストーリーは決して派手ではない。宮廷に陰謀は渦巻いているが、派手なカーチェイスもなければ息詰まるようなアクションもない。監督のオリヴィエ・ダアンが「伝記映画ではなく、人間ドラマを作りたかった」語っている通り、あるのはひとりの女性が自らの選んだ環境で懸命に生きる姿なのだ。

そのグレース公妃の選択を、「トム・クルーズの元妻と呼ばれたくなくて」トムとの離婚後演技派として脱却し、グレース公妃とおなじアカデミー主演女優賞を獲得したニコール・キッドマンが演じるからこそ説得力のある作品として仕上がっているのではなかろうか。

秋の夜長に、苦楽を共にした女性の同僚と、そしていつまでも一緒にいたい彼と一緒に鑑賞してほしい一本である。
(神崎桃子)

■グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
10月18日(土)~TOHOシネマズ有楽座ほかで全国ロードショー
公式ホームページはこちらから。

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニスト 大手ポータルサイトにて数々のコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題は得意。文章セミナー、婚活セミナー講師も務める

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