恋愛は「勝ち」「負け」じゃない! 「負けない」ことから見えてくるいい変化

中国の有名な古典のひとつ、孫子の兵法にこんな一文があります。
「勝つべくからざるは己に在るも、勝つべきは敵にあり」(不可勝在己、可勝在敵)
これは意訳すると、負けないかどうかは自分次第だけど、勝つかどうかは相手次第だ、といったような内容です。
勝つ・負けるという二分法の考え方ではなくて、「負けない」を加えた3つの状況を考える。この「負けない」という考え方を日常生活に取り入れてみると、ビジネスや恋愛関係などいろんなシチュエーションで気持ちにいい変化が生まれてきます。
 
例えば、ビジネスシーンで考えてみましょう。あなたの会社はライバルである他社と常にシェア争いをしています。
勝ち負けの二分法で考えたときには、
シェアを占める→勝ち
シェアを離される→負け
ということになりますよね。

でも、ここで「負けない」という考え方を取り入れると、「競り合う状態を維持する」という第3の選択肢が見えてきます。ライバルに勝つことはもちろんだいじなのですが、環境などによってはそれが難しいこともあるでしょうし、自分の会社ではどうしようもできない理由があるかもしれません。

そんなとき、ひとまずは相手といつでも戦える準備だけは万端にしておく。競り合っている状態を維持する。そうしたうえで、風向きが自社に有利となったり、ライバルが何らかの事情で失速したりすれば、改めて「勝ち」を狙っていくプランという訳です。

次は恋愛のシーンで考えましょう。

気になる人ができて「あの人いいなぁ。」と思った時、二分法で考えれば、
恋人になる→勝ち
フラれる→負け
ということになります。

ただ、ビジネスシーンよりも繊細な事情が多いのが恋愛。いろんなタイミングなどもあって、自分だけではどうにもならないことも多いですよね。
 
そこで「負けない」という考え方を使って「いつでもだいじな人になれるように信頼関係を築く」というようなアプローチを取ることができます。常に第3の道を考えるようにすることで、選択の幅が広がり、気持ちにも余裕が出ます。
負けが怖いから勝負しないというネガティブな意味ではなく、戦略的に「負けない」という状態を維持しているというのがポイント。実は「負けない」をずっと続けるということは案外難しいもの。いつでも戦えるよう常に準備を整えておく訳ですから、かなり大変なことです。
勝ち負けは、自分の力だけでは決まらないのです。
どんなにこちらが完璧な状況や作戦であっても、勝つには必ず「相手」という要素も関わってきます。自分の努力が重要なのはもちろんなのですが、どうしても自分ではコントロールできない部分が生まれてくる。それを受け入れるためにも「負けない」ぐらいの気持ちで臨むことが大切。
逆に言うと、「絶対に勝つ」と力むことは、自分の力を過信した傲慢(ごうまん)な状態でもあるのです。
 
自分の足下は大丈夫か。そもそも勝負に臨める状況になっているか。重要な大一番の前には、もう一度、チェックし直してみるのもいいでしょう。
(五百田達成)

【お知らせ】作家・心理カウンセラーの五百田 達成氏の最新刊「察しない男 説明しない女」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が好評発売中!
理屈っぽくて、上下関係が大好きで、なめられたくないのが、男。感情的で、感覚的で、言わなくてもわかってほしいのが、女。男性と女性は、どうやったらうまくコミュニケーションを取ることができるか。ビジネスマンにも、パートナーともっと良好な関係を築きたい人にも役立つ、「伝え方」本の決定版!
1

関連記事

今、あなたにオススメ

新着記事