自分を振った彼が気になる…振られた相手に固執してしまう理由

発言小町に「男性への理解を深めたいです」という投稿が寄せられました。
相談者は30代前半の女性。3年ほど前、真剣に婚活をしていましたが、次第に「“ハイスペック”の男性は上から目線で婚活している」という偏見を抱くようになり、戦線離脱してしまいました。しかし最近、当時自分をおざなりに扱った男性が、別な相手2人とお見合いをしていたことを耳にしたそうです。相談者さんは、彼がまだお見合いを続けていることに驚き、なぜなんだろうと気にかかっています。

目次

なぜ「彼を理解したい」と思ってしまうのか?


高いスペックの元お見合い相手。彼は人気があるのに、なぜいつまでもお見合いを続けているのでしょうか。理想が高いからかもしれませんし、好きになれる女性がまだ見つからないだけかもしれません。あるいは、結婚を決意できない理由がある、モテる状態をもう少し楽しみたいと思っている……などなど、推測はいくらでもできるでしょう。でも真実は、本人でなければ分かりえないことです。

それよりも今回考えてみてほしいのは、「なぜ彼の動向が気になって、理解したいと悩んでいるのか?」という点です。彼は3年も前にお見合いして、自分をおざなりに扱った相手。「そんな彼のことなんて思い出したくもない」という人もいるのではないでしょうか。気になってしまうのは、内心では彼にまだ未練があるからか。おざなりにされたことで傷ついた心がまだ癒やされていなかったり、悔しさが残っていたりする可能性もあるでしょう。

あるいは、他の女性たちも彼と交際にまで至らなかったと知り、相談者さんは、「彼が私を断ったのは、もしかしたら私を気に入らなかったからじゃなくて、何か別の理由があったのかも?」と思いたくなってしまったのかもしれませんね。心のどこかで、彼を含めたハイスペック男性への“固執”や、「そういう男性の中にも、上から目線じゃない人がいるはず」と信じたい気持ちがあり、こんな質問をされたのかなとも感じました。

自分の心を守るために、「偏見」を抱いたのかも


相談者さんは、婚活を通じて「ハイスペックな男性=上から目線」という偏見を持ち、男性不信気味になってしまった。その理由として「連絡先を交換するものの、その後連絡してもおざなりになり、自然消滅するパターンが続いたから」「明確な断りがなく、煙を巻かれたから」と記しています。

ですが、ハイスペックだろうと、そうでなかろうと、進展させたいと思わない相手にそうした態度をとってしまうのは、男女を問わず、恋愛の常かもしれません。過去の相談者さんは、「連絡先を交換したんだし、彼とデートできるかも?」と期待を抱いたものの、それが叶わないことが続いて、ひどくショックを受けたとも考えられます。そして「彼らが上から目線だからいけないんだ」と理由づけ、自分を納得させてきたのかもしれません。

自分にとって喜ばしくない「事実」を正面から受け止めるのは、誰にとっても難しいことです。人間には、満たされない欲求があったとき、うまく理論化して自分を納得させようとする、無意識の心の動きがあることが知られています。「防衛機制」という心のメカニズムで、「合理化」と呼ばれます。

ただ、そんなふうに毎度毎度、「事実」をゆがめて自分を納得させていると、同じ経験を繰り返すだけ。学びを生かし、人生をいい方向に進めることができなくなってしまいます。今、事実としてわかっているのは、「彼が私との交際を断ったこと」「他の女性たちも断っていたこと」、それだけです。その事実だけを見て、「私や彼女たちを断った理由はわからないけど、まあ、皆、縁がなかったのだろう」と考え、それ以上、固執しないことが肝要ではないでしょうか。

“うまくいく相手”を探せばいい。「私が幸せになる未来」を望もう


さて、今後についてですが、「私は“うまくいく相手”を探している」という意識を持ってみてください。「今までの彼らは、相談者さんにとって“うまくいく相手”ではなかったから、目の前からいなくなった。だから、落ち込む必要はない」――できるだけ、そんなふうに考えてみましょう。

恋愛成就にはフィーリング、タイミング、ハプニングも必要。投稿では「自分に(婚活への)適性やガッツがないと思ったので戦線から離脱してしまいました」とありましたが、どうしても悔しい気持ち、悲しい気持ちが収まらないときは、「今回はショックだったけど、次こそはいい人に出会いたい!」「もっと素敵でいい男性を見つけてやる!」などと、未来へのエネルギーに変えていくことを、ぜひ意識してみて。

「上から目線の男性は嫌だ」と思うなら、そうした男性には近づかないのもポイントです。もしかしたら、本心では「そうした男性に選ばれたい」と思っているために、無意識に下手に出てしまい、おざなりに扱われてしまうのかもしれません。「この人とうまくいきたい」という期待が大きすぎて、一挙手一投足に過剰に反応してしまい、相手側がたじろいでしまった、という可能性も考えられるでしょう。今後は、進展前の男性には急いで大きな期待をかけすぎず、「この人は“うまくいく相手”かな? どうかな?」と反応を見ていくくらいの気持ちで、自分が幸せになる未来を望んでいけるといいですね。

男性に期待してしまう自分がいて、うまくいかずに偏見を持つこともあって、でもそんな自分をちゃんと受け止め、「事実」に向き合う強さを持つ。その上で明るい未来を望めるならば、きっと前向きな、いいパワーが生まれてくることでしょう。この機会を、いい“学び”にしてみてくださいね。応援しています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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