女子から誘うのはNG? 恋愛の「自分ルール」決めすぎない方がいい理由

発言小町に「絶対に自分からデートに誘わないというルールは正解?」という投稿が寄せられました。
相談主は20歳代半ばの女性。以前は“自分からガンガン行く肉食系女子”だったものの、「相手に軽く見られて」うまくいかなくなることが多かったとか。そこで、「絶対に自分からデートに誘ってはいけない」という教訓を持つようになったそうです。しかし最近、「この考えのままで良いのかな?」と不安になる出来事があり、「私の考えは合っていると思いますか?」と読者に意見を求めました。

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「絶対」のルールはない!?


過去の経験から、「絶対に自分からデートに誘ってはいけない」と考えるようになったトピ主さん。気になる男性がいた場合、気に入っていることをほのめかしたり、「今度お暇なときは是非誘ってください」と言ったりして、“相手が誘いやすい状況を作る”ようにしているそうです。これをやっても誘ってこない男性はこちらから誘っても撃沈することが多く、「誘っても無駄だ」と思うようになったといい、投稿では、「女性は追いかける努力ではなく、追わせるための努力をしないとダメだと思う」といった意見も述べています。

何事も、経験からしか学べないことってありますよね。恋愛でも、自分なりの反省や後悔を経て、「こういうことはしないほうがいい」「こちらのほうが正しい」と思うことを実践していくのは、とても大切だと思います。

しかしながら、いろいろな人の恋愛を見て思うのは、恋愛に「絶対」というルールは存在しないということ。Aさんに通じなかったことがBさんには通じることもあるし、Cさんが失敗した方法でも、Dさんが試すとうまくいくこともあります。これが恋愛の難しさであり、「面白さ」でもあり、そして「運や縁次第だ」と言われる所以だと思います。「絶対、自分から誘わない」というルールにこだわりすぎたために、本当は叶うはずだったチャンスを逃し、あとで後悔が募るようなケースもあるかもしれません。教訓やルールはあくまで参考程度に、自分の気持ちや状況とも相談しながら考えてみてください。

男女による「性差」も、確かにあると思います。けれども、恋愛で「一生一緒にいられる相手かどうか」という段階に至るには、「人間性」の部分が非常に重要になってきます。異性をご飯に誘うというのは、あくまで“とっかかり”で、果実でいうならば表面の“皮”の部分。「本当の恋愛の中身はその先にある」ということです。投稿を読む限り、トピ主さんは「男性から誘ってもらう方法」の実践には成功しているようですが、長続きするお相手にはまだ出会えていない様子。相手の好意を引き出すスキルも重要ですが、駆け引きにとらわれすぎて、本来の目的まで見失ってしまわないように……。

ルールを疑い始めたのはなぜ? 自分の“本音”を見つめてみよう


今まで自分で正しいと信じてきたルールについて、疑問に思い始めたというトピ主さん。最近、男性のなかには相手のことが気になっていても、なかなか行動を起こせない人=草食系もいると知ったのがきっかけだったそうです。

もしかしたらトピ主さんには、気になっている「草食系」と思わしき男性がいるのかもしれませんね。「彼には今までの手法が通じないのでは」と不安になったために、このような投稿をされたのかなと感じました。

もしかするとトピ主さんは「その彼をデートに誘ってみたい」という思っているのでしょう。しかし、行動するのが怖い。それで、広く意見を聞いてみたくなったのだと思います。

彼がトピ主さんの好意に応えてくれるかどうかは、ひとつの“賭け”です。彼が本当に「草食系」であるならば、こちらから誘ってみることでうまくいく可能性だってゼロではないでしょう。一方で、自分から誘って彼に断られたら、「ほらやっぱり、女性から誘ったらうまくいかない」という思い込みを強めてしまうのだろうと思います。

「確率の高い賭けにしか出たくない」「傷つくくらいなら、諦めるほうがいい」と思うならば、自分が得てきた教訓(ルール)を信じたほうが痛手は少ないかもしれません。でももし、「どうしても彼と仲良くなりたい」という思いがあるならば、確率が低くても、行動してみないことには何も始まらないかもしれません。

今までの教訓では、自分から誘うのは“ハイリスク”だと思う。それでも“ハイリターン”を求めて、リスクを取ってみるかどうか――。このあたりは、トピ主さんの彼への思いの大きさと勇気次第ではないかなと思います。

失敗しても「それが恋だ」と笑い飛ばせるくらいのおおらかさを


「私の考えもあながち間違いではないと思う」「私の考えはどうなのだろう?」といった記述からは、トピ主さんが頭で考えた通りに恋愛を進めようとしている様子がうかがえます。でも、“考え”どおりにはいかないからこそ恋だとも言えます。

もしも、好きという思いが募り、「頭ではダメだと分かっていたのに、自分から誘って失敗しちゃった!」なんてことが起きたとしても、「まあ、それが恋というものだよね!」と笑い飛ばすくらいの”度量”も、恋をするには必要かもしれません。恋愛は本来、心が求めるもの。“考え”どおりに動けないことがあっても、自分を責めないであげてくださいね。

それに、恋がうまくいくときは、そんなに頑張らなくてもすんなり結ばれることも多いもの。「うまくいく人とはうまくいくし、うまくいかない人とは結局うまくいかなくなるもの」くらいに思っておくのも一案です。恋愛で失敗するたびにルールを作って自分を狭めていけば、どんどん“してはいけない”ルールだらけになり、恋のしかたも、その喜びも分からなくなってしまうでしょう。それでは本末転倒ですよね。

恋愛にはスキルも重要ですが、目の前の相手をきちんと見て、過去ではなく「今の自分」を信じながら、柔軟に対応していくことも大切です。そしてうまくいかないことがあっても、「それも運命」と受け入れられるような、自分や人生への“おおらかな姿勢”を持てるといいですね。「本当にこの人と仲良くなりたい」「心を通わせたい」と思うならば、その気持ちに素直に従うことでうまくいくケースも、きっとあると思いますよ。微力ながら応援しています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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