20代ラストで彼氏もナシ…「惨めな自分」から卒業する方法

発言小町に「自分が惨め」という投稿が寄せられました。
相談者は29歳の女性。10代の頃一度彼ができて以来、交際経験がなく、合コンなどには出かけているものの実を結んでいない状況だそうです。周囲は結婚・出産ラッシュで、トピ主さんは「人と比べても意味がない」とは思うものの、「自分は生きている価値があるのか」「私のことがいいと言ってくれる人なんて、世の中に誰一人いないんじゃないか」とまで考えてしまい、「こんな自分が恥ずかしい」とつづっています。

目次

他力本願の幸せ願望は、幸せを遠ざける!?


周囲が結婚・出産ラッシュなのに、自分は30歳を前に10年以上恋人もいない……。そのことで、トピ主さんは「生きている価値があるのか」とまで思いつめています。世間の風潮や親の意見など“外的な要因”もあるとは思いますが、「結婚していなければ、恋人がいなければ幸せとは言えない」という、トピ主さん自身の「強い思い込み」そのものが、恋が実らない状況を助長しているのではないかとも感じました。

想像してみてください。出会いの場で、「僕は恋人もいないし結婚もしていないから、惨めなんです」という雰囲気の男性を見て、トピ主さんは惹きつけられるでしょうか。ちょっと難しいですよね。

“他力本願”の幸せ願望は、そのことによって幸せを遠ざけてしまうこともあるものです。よいパートナーの存在は、幸福度や自己信頼感を高めてくれるものですが、彼らはこちらを幸せにしてくれるため“だけ”に生きている「魔法使い」ではありません。たとえ結婚しても、恋人がいても、「相手に幸せにしてもらおう」という依存心が強い人は、そのうちに不満を募らせてしまいます。自分が幸せになる責任を、すべて相手任せにしているからですね。

また投稿には、「私は壊滅的に魅力がないのか?」という一文もありますが、「自分には魅力がない」と思い込んでいると、本来持っている魅力が周囲に伝わらないという悪循環も起きてきます。人から評価されても気づけない、素直に受け取れない、ということもあるかもしれません。

トピ主さんには海外にひとり旅ができるようなバイタリティーや、職場のムードメーカーとなれる明るい性格もあるようです。それを魅力に感じる異性もきっといることでしょう。交際経験の少なさもマイナスだと思っているようですが、世の中には「経験が少ない女性のほうがいい」という男性もいます。

どうか自分で自分の魅力を狭めてしまわないように。そして、まだ見ぬパートナーに希望のすべてをゆだねず、「私は自分で責任を持って、自分自身の人生を幸せにしていかなくちゃ!」と自分に言い聞かせていきましょう。

人と比較するなら、「変化」「成長」のきっかけにしよう


続いて、「人と比較する」ことについて。頭では「意味がない」とわかっていても、ついつい人と比べてしまうのは人間の性。「世間は気にしない」「私は私の道を生きる」と自らの幸福論を見出して生きていける人は少数かもしれません。他人と比較することでしか、自分の立ち位置や価値を実感できない瞬間もあるものですよね。

しかしながら、「自分は劣っている」と感じて、ただ落ち込むばかりでは、本当に意味のない「比較」になっていまいます。人と比べるならば、自らの変化や成長につながるキッカケにしていきましょう。

例えば、「どうして私だけ恋人もいないの?」と嘆くだけで終わらせず、「恋を実らせるために、今の私にはどんなことが必要?」「周りの皆はどうやって結婚したか、聞いて参考にしよう」といったことまで考えてみるということです。

結婚しているか、していないかは、決して「優劣」ではありません。学業や試験などに比べれば運や縁の影響も大きく、「努力しさえすれば、結果が出るものではない」という側面もあります。それでも、「自分は劣っている」「私だけ惨めだ」などと思ってしまうならば、何かしら現状を変える「努力」をしないことには、変化は起こりにくいのではないでしょうか。

ここで言う「努力」は、必ずしも婚活に励むことだけではありません。惨めな気分を自力で乗り越え、ゆったりとした“心の平穏”を磨いていくことも、ひとつの大きな「努力」と言えるのではないでしょうか。

出会いの数、場所、そして自分…何かを変えれば、変化が生まれる?


最後に、以下2つの視点からトピ主さんの“現状”を考えてみましょう。

(1)出会いの数を増やす方法、自分に合った出会いの場所などを再考する。
(2)出会う機会はあっても、恋愛につながっていない――その理由を考える(内面・外面やイメージ、コミュニケーションスキルなど)。

日常生活のなかで、異性と知り合ったり、関わったりする機会は、それなりにあると感じていますか? 出かけている「出会いの場所」が、真剣に交際したいと望んでいる人が少ない場所だったり、自分に合わない場所だったりする可能性も考えられるので、その点も再考してみましょう。

また、「どんな話をしているとき、自分は生き生きと自然体でいられるのか」、逆に「どんな場所だと個性を発揮できないのか」といった点も考えてみて。今まで友達や家族、過去の恋人に褒めてもらった点なども思い出しながら、できるだけ自分の個性が自然に発揮できる、好きな場所を探して出かけていきましょう。

続いて、出会いの数は十分にあるし、近い価値観の人、魅力的と思える人とも知り合っているのに恋が実らないという場合は、自分自身について分析してみましょう。

例えば、恋愛や男性への苦手意識やトラウマなど、自分の心に何か「壁」になっているものがあるのかもしれません。また、もしかしたら「外見に人を寄せ付けない雰囲気がある」「コミュニケーションスキルが不足気味である」……そんな可能性も考えられます。何かしら、トピ主さんの恋愛の“クセ”もあるはずですから、そこに気づいて修正するだけで、すんなりと変化が起こる可能性もあります。トピ主さんの過去の恋愛についてよく知る友人と話してみるのも参考になると思います。

まとめると、「自分の幸せ」に自分で責任を持ち、個性をのびのびと発揮できる毎日を送ること。そして自分の心を自分で支えられるくらいの「自信」を築いて、誰かが認めてくれたときには、その評価を素直に受け止めて力にしていく――。こうした好循環が起こり始めると、きっと恋愛も自然と近づいてくると思います。

惨めな気分になってしまう「瞬間」はあっても、そこに長居はしないように。だって、そんな時間って「幸せ」じゃないですよね? できる限り、自分が心から楽しい、幸せだと思えることに時間を使っていきましょう。そこから変化は始まると思います。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事