「まだ好きかも……」再会した元彼に女子がときめく理由とは

「昔好きだった人と再会した」
……女子にとっては、この上なく心が揺さぶられるシチュエーションではないだろうか。
かつて愛していた男性と再び巡り会うことにはさまざまなドラマがある。その「再会」には幾種類もの感情がつきものだ。懐かしさ、ときめき、焦燥感、嫉妬、そして落胆なんてものもあるかもしれない。

今回は「元彼とばったり会ってしまった女子」のなかから、再び彼に心奪われてしまったエピソードを紹介する。あなたも、思いを巡らせながら読んでみてほしい。

目次

1.「私には今彼がいたけど……」


・「高校の頃から付き合っていて、友人たちの間ではいちばん先に結婚すると思われていた私とA男。社会人になって遠距離恋愛になってしまい、破局。好きすぎて寂しすぎて、最後は私の方から『こんな苦しいのもうやだよ、私のこと好きならお願いだから振って!』って懇願して別れた。それから五年。地元でばったり再会。『元気?』ってシャイな優しい笑顔も昔のまんまで、隣に今彼がいたのに動揺し涙がでそうになった。あの時、今の彼がいなければA男の胸に思わず飛び込んじゃってたかも……」(30代・商品開発)

――たいていの場合、別れの場面にイヤな思い出は付き物だ。修羅場で傷つけ合い、それまで思いもよらなかった相手の醜い本性を発覚してしまったりなどなど。キレイな感情のまま別れて、再会したあとも憎からず思っていられる……という例は少ないのではないだろうか。いい思い出のまま元彼が記憶にとどまっているというのは幸せである。

2.「変わっていなかった彼」


・「つまんないケンカが原因で、元彼と別れて数年。それから色々なひとと付き合ったけれど、彼以上に好きになれる人はいなくて、ずっと後悔してた。そんなとき、あるイベントで彼と再会! 私は日々の忙しさにかまけてお手入れも怠ってすっかり老けこんでたのに、『何だよ、オマエ、オトナっぽくなったじゃん?』て笑いに紛らわせてくれるところは昔とぜんぜん変わってなかった。見た目も私が好きだった当時のまま……。彼にはもう新しい彼女がいるから私はもう近づけないけれど、今でも好きで仕方がない気持ちが増大。なんで巡り会っちゃったんだろう、と思います」(20代・宿泊系関連職)

……“好きだったひとが昔のままだった”というのは女にとって大きなポイントではないだろうか。外見だけでなくものの考え方も含めて、良いにせよ悪いにせよ女性の方は変わりやすい。けれど女性ほど状況に影響されにくい男性たちは、数年経ってもなんの変化が見られないときも多いもの。
「自分は変わったのに、(変わってしまったのに)愛したひとは昔好きだったときのまま」というのは、郷愁のようなものも含めて女の心を激しく揺さぶるのだ。

3.「昔とは別人だった彼」


・「自分の思い通りにならないと気が済まず、私のことを束縛しようとした元彼。その子供っぽさにうんざりして別れ、せいせいしたハズだったのに、地元の集まりで久しぶりに会った彼は、見違えるほどオトナに。なんでも私と別れてからすぐにご両親が相次いで亡くなり、苦労に苦労を重ねたらしい。『あの時はごめん。俺ってすげーやな奴だったよね』って謝られて、思わず胸キュン。やんちゃ坊主の可愛さにオトナの気遣いが加わった彼は最強に見え、いま、再び付き合う方法はないかと模索中!」(30代・WEB コンテンツ企画)

……その2とは逆に、「元彼が良いほうに変化してときめいちゃった例」がコレである。「男性が付き合っていた当時よりうんとカッコよくなっていた」という事例は数少ないが、それでもこんな話も世の中には存在するのだ。
このエピソードからすると彼女は元々付き合っていたのだから、この元彼のルックスは以前から好みだったのかもしれないし、性格上何か惹かれるモノはあったのだ。そんな元彼が、キライだった欠点を直してやって来たらとしたら……。あなたも思わず元彼に惚れなおしてしまわないだろうか?

女は自己憐憫を糧にする


「かつて愛したひとの顔をふたたび見るということ」は女性の心にさまざまな波紋を投げかける。

「あ、どうしよう……ぜんぜん変わってない……」
「こんなにカッコよかったかな。私、どうしてこのひとと別れちゃったんだろう?」

あなた自身がいちばんよく知っているように、ほとんどの場合、元彼と再会したところでその男性と再び愛を育み一緒の人生を歩む……なんてことは起こりえない。映画やドラマのようなストーリーは現実には再現されず、あなたは昔好きだった相手とほんの二言、三言言葉を交わし、ただ黙って彼の背中を見送るしかできないのだ。

「まだ好きかも知れない。でももう、彼は私の手に入らない」

その切なさは、女に自己憐憫を引き起こす。そして女は「元彼と再会した甘く切ない胸の痛み」にさえも陶酔し、彼と交わした言葉や彼の仕草やぬくもり、または別れのシーンを繰り返し復元し、その後の糧にすることができる生き物なのだ。

「まだ彼を好きかもしれない」という誰にも言えない秘めた思いを持った女はどこかしっとりとした風情を漂わせている。あなたの周りにもきっといるだろう……元彼のことなど決して口にしないけれど、彼のことを聞けば決して悪くなど言わず、ただ微笑だけを漏らす種類の女性が。そんな女は、男女問わず人を惹きつけるものだ。

「好きだった人と会ってまた別れた切なさ」という美しい思い出を持てた女性は、恋愛を二度も楽しんでいるともいえるだろう。
たとえ再会の結末がハッピーエンドにならなくても、あなたも元彼との記憶を糧にできる魅力的な女性になって欲しい。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニストとして活動し、ヒット記事の数々生み出す。大手ポータルサイトにてコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題を得意とし、文章セミナー、婚活セミナー講師も手がける。

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