どっちが強い?女の性欲vs男の性欲

都会の片隅にひっそりと灯をともすとあるバー。仕事帰りにふらりと立ち寄り、見知ったり見知らなかったりとりあえず隣に座った男性と酒を酌み交わし、男の生態について考える酒屋探訪記。

「俺昨日、新しい彼女と三回もセックスしたんですよ。こんなの本当久しぶり。」 
20代半ばの同僚M君の告白に驚いた。アカラサマな性生活の報告にではなく「え、しないの? 三回」という点において。

M君は近年稀に見るチャラ男で、浮気もナンパもどんどんござれ。据え膳食わぬなんて概念は持ち合わせておらず、どんなおばちゃんでも女性にはとことん優しく、下心を隠そうともしない。混んでいても優先的に入れてもらえるなじみのラブホがあり、美容室に行けばパーマとカラーで数万円は使う肉食系の鏡の様な男の子である。
そんなアニマルM君が普段は一日三回セックスしていなかったなんて……。君の性欲はそんなものだったのか!? 
衝撃の事実に男性の性欲とはなんぞや、と考えてしまった。

男も女もセックスがしたい欲望はある


セックスをしたいという欲望は女性より男性の方が数段強いのは間違いないだろう。女性は毎日毎日セックスのことを考える訳でも、欲求不満だからと風俗に通う訳でもない。性風俗の歴史や性産業の巨大化を見れば、男性の性に対する執着が女性の比ではないことは容易に分かる。
日本人のセックス頻度が世界でも最低クラスだとか、若者のセックス離れが叫ばれているとか色々なことが言われてはいるが、それでも社会や時代を越えたところで男性達はセックスを求めてあくせく考えを巡らせている。
風俗代やホテル代、セックスに持ち込むまでのデート代に男性は決して少なくない額を投資する。実家暮らしのM君は、ひと月のホテル代に部屋が借りられる以上の額かかるそうだ(家事をしたくないので一人暮らしはしないらしいが)。
それなのに! それ程の労力を費やすのがたった一回、多くて二回のセックスの為だったなんて。もちろんセックスは回数ではないし、一度で満足できればそれで万歳なのだが、果たして男性と女性、本当はどちらの性欲が強いのだろうか。

セックスの回数というのは男性の射精の回数でカウントするので結局は男性が何回できるかということになるが、基本的に女性は連続でもセックスできる。疲れた、キツイ、というのとは別に、物理的には可能だ。しかし男とはそういう生き物ではない。例外はあるし年齢にもよるが「30分くらい休めばまたできる」という男性は『強い』方ではないだろうか。身体の仕組み的に、回数に強いのは女性の方なのかもしれない。したがるワリに、淡白に終わってしまい満足させてもらえないと感じている女性も意外と多いようだ。
 
「マジすか。俺は一回に力をそそぐ方なんですけど……。俺って弱いのかな?」
「そんなことないでしょう。回数じゃないって。」
――ご自慢の性欲に精力が比例していないのではないかとの不安にかられるM君を慰めながら「ちなみに私の最高記録は一日7回だけどね」とさらに奈落に突き落とす三十路女であった。
(本木たま)
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この記事を書いたライター

本木たま
放浪癖のあるフリーライター、コラムニスト。恋愛に関する記事を執筆中。最近ハマっているのは神楽坂の小路散策。

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