貯金もせず将来も見えない? 結婚観が違う彼氏との上手な付き合い方

発言小町に、「彼氏が飲み会ばかり」という投稿が寄せられました。
トピ主さんは24歳の女性。交際1年半の彼氏(30歳)が、「結婚のために貯金をしよう」という話になっているのに、頻繁に飲み会に行くことに不満を感じています。歓迎会にお疲れ様会、送迎会、打ち上げなどなどあらゆる飲み会に出かけるので、「付き合いも分かるけれど、すべてに参加する必要もないのでは」と疑問の様子。また、将来について話しても、漠然と「地元に帰りたい」と言うことなどにモヤモヤを感じ「こんなふうに感じる自分がダメなの?」とつづっています。

目次

二人の「結婚観」……まだまだ違いがある?


トピ主さんにとって彼が飲み会に行くのが嫌な理由は、「寂しい」などではなく、「お金がもったいない」という点が大きいようですね。貯金をしなかったり、非現実的な将来プランを語ったりする彼にとって、結婚はまだ「そのうちにするだろう」という感じで、目の前に迫っている“一大事”ではないのかもしれません。

一方、トピ主さんは、結婚を近い未来の現実的な目標として捉えているようです。この違いを埋めるためには、「そのうち」「将来は」といった曖昧な文言でなく、たとえば「1年後にしよう」などと具体的な数字で目標を話し合ってみると、彼のほうも、もう少し現実的な目標として考え始めるかもしれません。

会話内容については、男女の「結婚観」の違いも影響していると思います。トピ主さんが将来の教育費や退職金まで考えているのに対し、彼のほうは、具体的なアテもなく、漠然とした願望を語ったりする。これは「男女の違い」と割り切ってみてもいいようにも感じます。個人差はありますが、一般的に男性は抽象的なイメージで結婚を語る方が多く、女性はどちらかと言うと具体的で現実的な発言が多い……そんな傾向はあるようです。

また、男性が「結婚関係のお金の不安」を好きな女性の前であまり口に出さないのは「とてもリアルで大きなプレッシャーだから」という理由もあるでしょう。たとえ共働きであっても、“産む性”の違いゆえ、「いざとなったら自分ひとりで妻子を養っていけるだろうか」という男性の不安は、きっと女性より大きいはず。自由な生活を手放すことへのためらいもあると聞きますが、そんな中で、男性はできるだけ結婚生活に“楽しいイメージ”を語りながら、気持ちを奮い立たせている面もあるのかもしれませんね。

二人が完璧に同じ視点になることはできないけれど、だからこそ、役割分担しながら一緒にやっていく意味がある。そんなふうに考えてみるのもよさそうです。

上手な「話し合い方」とは?


今回のケースでは、「話し合いの方法」にも改善の余地があると感じました。「(彼の)言い訳も正直、意味が分かりません」「信憑性に欠ける返事」などという記述を見る限り、トピ主さんは彼の意見にまったく聞き耳を持たないでいる様子。時折、反論してくるそうですが、これが続けば、彼は「どうせ俺の意見なんか聞かないだろう」とへそを曲げ、話し合いにすら応じようとしなくなるかもしれません。

カップルは主従関係ではありませんので、「自分の意見は絶対に正しくて、相手を従わせよう」という姿勢では、うまくいかないケースが多いです。

相手の態度に改善を望むならば、まずはその問題についてどう考えているかを尋ね、本人から答えを引き出すこと。責めたり怒ったりせず、冷静に話すことも大事なポイントです。トピ主さんはただひと言、「貯金をしようと約束したことについて、あなたはどう考えている?」と尋ねるだけでOK。彼が自分の頭で考え、自分の意思で「飲み会を控える」と発言すれば、それを「実行しなければ」という気持ちも強くなるでしょう。「二次会にまでは行かない」「飲み会以外の浪費を減らす」などの具体的な節約アイデアも考え始めるかもしれません。

「付き合いは大事」と主張する彼にとっては、それが唯一のストレス発散法だったり、「出世や昇給のため」という気持ちがあったりすることも考えられます。宴席でコミュニケーションを取っておくことが、仕事がスムーズに運ぶのに役立つこともあるでしょう。「お酒や飲み会の場が好き」というシンプルな動機も当然あると思いますが、「飲み会が大事」というのは彼の価値観で、それも含めて彼の“人格”。180度変えるのは難しく、究極的には、「トピ主さんが、そういう彼を受け入れるかどうか」という問題になってくるかと思います。

彼の“性格”をふまえて前向きに考えてみよう


また、「疲れた」という彼を「うっとうしい」と言い切ったり、「彼がイライラして、一度だけ焼肉を食べに行ったこと」を贅沢だと非難したりしている点は、ちょっと気になりました。今のトピ主さんは貯金のことで頭がいっぱいなだけかもしれませんが、彼に思いやりを示せないほど気持ちが離れているのであれば、もう潮時なのかもしれませんね。

「彼じゃなくてもいいような気は薄々しています」という記述もあります。しかし一方では、「次にいい人に出逢えるか不安」とのこと。出会いがあまりない職場だそうですが、まだ24歳、その気になればいくらでも出会いの場に足を運ぶチャンスはあるでしょう。

もしかしたらトピ主さんは、「新しい人と、ゼロから交際を始めるのが億劫」「どんな相手でも、さほど大差ない」などと思っているのかもしれません。どちらかというと、「恋愛」より「結婚生活」に早く進みたい気持ちが強く、現実的なものの考え方をする方なのかな……とも推測しました。

しかし、結婚生活は何十年と続くものです。「他の人を探すのも面倒」などという“消極的な理由”で果たしてうまくいくのか、ちょっと心配ではあります。結婚前から不満を感じていると、結婚後にもそれが問題になるケースは多いですし、結局別れてしまうこともあります。結婚後もおそらく彼は飲み会に行くでしょうから、それが許容できないなら、「飲み会はあまり参加したくない」という男性を探したほうが、長い目で見て幸せな結婚となるかもしれません。

男女の仲は「相性」の部分も大きく、相手が違えば、今まで悩みだったことが嘘のように消えることもあります。ただ、すべての価値観が合う相手はいないでしょうから、飲み会の件はクリアしても、また別の面での譲歩や理解は必要になると思います。

彼との未来を望む気持ちがあるのならば、「お金に締まりのない相手だから、結婚後は私が家計を握ってしっかり回していこう」とか、「子どもを産んだら彼の稼ぎに頼る期間もあるだろうし、今は私だけでも貯めておこう」なんて考えてみてもいいかもしれません。あるいは自分や彼の働く意思や能力を信じて、「いざとなれば、二人で何とかやっていけるはず」と少し楽観的に考えてみるのもひとつです。彼を生涯の相手と決めるならば、「そんな性格の彼」と前向きにやっていく方法を、ぜひ考えてみてくださいね。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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