男の嘘は愛情のしるし? 男が女に嘘をつく3つの理由

前回のコラムでは、「女が男の嘘を見抜く瞬間」についてお伝えした。カンが鋭く、観察力に長けた女は、男の仕草や行動から、瞬時に「ああ、彼いま本当のこと言ってないな……」と見抜いてしまう。けれどそれをすぐさま指摘しては男はよけい頑なになってしまう……という話だ。

生きていれば人から受ける屈辱などたくさんあれど、その中でも「嘘をつかれること」は、数ある不快のうちでも上位にランクインするのではないだろうか。

それならば「どうして彼はこんなつまらない嘘をつくの?」という“男性側の心理”を知ることができれば、たとえ共感や賛同はできなくても女性の心が軽くなることもあり得る。今回のコラムでほんの少しでも男の嘘で傷つけられた心が癒されれば幸いである。

目次

男の心理その1.「めんどくさいから」


・「俺の彼女はヤキモチ焼き。同じ会社に美人の同僚がいるんだけど、ある時たまたまその同僚の話をしたら、彼女がものすごい対抗意識を燃やし始めて……。『また○○さんとランチに行ったの?』『美人で仕事もできるなんて私と違って素敵な人だよね~』とか嫌味ったらしいLINEが毎日来るように……。そんなんだから、会社の飲み会とかあっても彼女には絶対言わないようにしてる。なんか聞かれても『昨日は仕事で遅くなった』ってすっとぼける。後でアレコレ問い詰められるの、すごいめんどくさいし……」(20代・法人営業)

――「なぜ男性は恋人に対して嘘をつくのか?」という質問に対して、最も多かった答えがこちら。男性は“目の前の面倒くささ”を回避するために、女に対して咄嗟に嘘をつくことが判明ようだ。あなたにも経験はないだろうか? あきらかに「彼がした」ことなのに、「俺そんなことやってないよ」と言われ、より一層頭に来たことが……。それは男性にとってはとにかく「今目の前にある危機」や「勃発しそうな危険」を取り除くのが最優先で、「その先のこと」はあまり考えられていないからなのだ。「そんなのすぐにばれるのに、どうしてそんな嘘つくの?」という思考は女特有のものなのだろう。

男の心理その2.「彼女を傷つけたくないから」


・「彼女のことは好きだけど、ふとした瞬間に『その髪形似合わないなあ』とか、『なんか今日、むくんで太って見えるなあ……』と思うときもある。でもさすがにソレは言えない。『この髪形どう?』って言われたら『ああ、いいんじゃない?』とか軽く答えるようにしてる。コレも『嘘つき!』『なんでホントのこと言ってくれないの?』って思われるのかなあ……」(30代・法律関連)

――「めんどくさいから嘘をつく」と同じくらい多かった男性のホンネがこちらである。「嘘をつくなんて信じられない、許せない」という女性も、この答えには「そういうこともあるかも……」とある程度の理解を示すのではないだろうか。
とくに女性の容姿に関するネガティブな感想は、たとえそれが心からの素朴な感想であろうと、女をひどく傷つけることを男性は知っているのだ。だからこそ、「きょうはややブス寄り?」などと思っても決してそれを口にすることはない……。「うん、まあいいんじゃないの?」という、本当に賛同していないことが丸わかりの曖昧な感想は、彼の思いやりなのだ。こんな「優しい嘘」もあるのだと覚えておこう。

男の心理その3.「自分をよく見せたいから」


・「男って特に気になる女性に対しては、『俺のことを格好いいと思ってほしい』って思うものなんですよ。だからつい見栄を張って、自分をよく見せるようなつまんない嘘をついちゃう。自分の手柄を大げさに言って、『俺、重要なポジションにいるんだよね~』とか、『取引先の部長から評価されちゃってさあ』とか……。前の彼女にはそういう部分を“すぐ自慢したがる奴!”って思われて嫌われちゃったけど、男にはそういう部分もあるんだって理解して欲しい」(40代・ITコンサルタント)

――女性ならば「男ってなんでこんなにしょうもない自慢ばっかりするんだろう」と思ったことはないだろうか。その疑問への回答がコレだ。男性は特に自らの“仕事”や”活動“に関する分野について、「盛って話す」傾向がある。それは「好きな女によく思われたい」という、男の自慢話はいわばあなたへの“好意のあかし”でもあるのだ!
「また始まった……」「実際はそんなことないんでしょ、ウザい……」と思っても、少しくらいは彼の“手柄話”に付き合ってあげるのが、女性が男性にできる愛情表現のひとつだろう。

男の小さな嘘にはどっしりと構えたほうが吉


男が女に対して嘘をつく理由は、おもにこの3つのどれかに当てはまることが多い。
めんどくさい、女を傷つけたくない、自分をよく見せたい……。このなかの特に「面倒くさい」という言葉の威力は男性にとって絶大だ。

女性よりも順応性のない男性は、「いまそこにある不愉快」「不快な状況や環境」に非常に弱い。彼らはイヤな事態を避けるためならば何でもする。
仮に理が女性のあなたにある場合でも、男性から「ああ、わかったよ!」と邪険に扱われたり「ああ、もううるさいな!」と声を荒らげたり怒鳴られた経験をもつ女性は少なくはないハズだ。
男というものはそれくらい“面倒”を回避するし”厄介なもの“から逃げたがる。

だからこそそれを回避しようと嘘をついた男性に対して「何でなの!」と騒ぎ立てると、事態はより悪化する。彼らは「騒ぎ立てる女」という面倒を避けるためさらに嘘に嘘を重ねる。……そして女は男のその姿勢を見て、さらに絶望する。
……その不毛な事態は、男女どちらにとって何の得にもならない。

嘘は嘘でもスケールや種類によるが「男の小さな嘘は、自分との関係を保つための愛情のしるし」と大きく構えてある程度は見ぬふりをしたほうが、長く平和な生活を築きあげられるのかもしれない。
(神崎桃子)

この記事を書いたライター

神崎桃子
体験型恋愛コラムニストとして活動し、ヒット記事の数々生み出す。大手ポータルサイトにてコラムを連載中。男女のズレや生態、恋愛市場の時事問題を得意とし、文章セミナー、婚活セミナー講師も手がける。

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