お惣菜を「手料理」として振る舞う女たちの本音

最初に謝っておきます。すいません! 不躾な質問で恐縮ですが、あなたは、スーパーのお惣菜など、いわゆる「できあいのもの」を、「これ、私が作った里芋の煮っころがしなの」など、手料理として出したことはありますか? 今回は、意外と皆やっている、手料理偽装のお話です。

目次

宅配ピザの世話にはなれない料理上手のプライド


筆者の女友達・A子は、自他共に認める料理上手です。彼女が主催する女子会にて、彼女がイチから作る姿を見ておりますので、間違いありません。「A子の彼氏は、こんなに手の込んだ美味しい料理が味わえて幸せね」と問いかけたところ、彼女の口から飛び出したのは、意外な言葉でした。
「こないだ、スーパーで買ってきたお惣菜を、手料理って嘘ついて出しちゃった」
彼女は、某大手企業で総合職に就いているバリバリのキャリアウーマンですから、きっと仕事が忙しくて、料理を準備するヒマがなかったのかもしれません。だったら、宅配ピザなど、デリバリーを頼れば済むのに……と思うのですが、料理上手キャラのA子としては、「お家デート=手料理」しか考えられなかったとのこと。

完全犯罪が一変、罪悪感に耐え切れず……


A子のエピソードを、料理スキルはごく普通の女友達・B子に話したところ、「その手があったか!」と、ニヤリ。スーパーで数種類のお惣菜を買い込み、お皿に盛りつけ、元の容器はゴミ箱どころか、マンションのゴミ捨て場まで捨てに行く完全犯罪っぷり! やがて、彼氏が来宅。「きんぴら、すごく美味しいね!」と、彼氏からもお褒めの言葉を頂き、作戦成功かと思いきや……「ごめんなさい! 実はそれ、スーパーで買ってきた出来合いのお惣菜なの!」
根が真面目なB子は、彼氏に嘘をついている罪悪感に耐えられず、自らカミングアウトしてしまいました。

写真ならバレないでしょ!?


片想いのお相手とFacebookで繋がっているC子は、週1ペースで手料理の画像をアップして、「料理上手な女」であることを猛烈アピールしています。友人たちからの、「美味しそう!」「上手だね」などのコメントに対して、「冷蔵庫の残り物だよー」と、謙虚な返しをしていますが、並んだ手料理の中には、スーパーのお惣菜が混じっていることもあるのだとか。
「料理は現在勉強中! でも、上手になるのを待ってからアピールしても遅いでしょ!」
なるほど! 思わず納得させられてしまいました。Facebookの場合は、所詮……といってはなんですが、あくまでも画像であって、直接振る舞うわけではないので、バレにくいかもしれませんね。

鍋用スープや冷凍食品をフル活用!


筆者も、この場を借りて懺悔します。数年前の冬でした。キムチ鍋を振る舞ったのですが、イチから出汁をとったかのように見せかけて、実は鍋用スープのお世話になったことがあります。ほか、友人のD子は、冷凍食品の枝豆を、「野菜売り場で見かけて、美味しそうだったから」ということにして出したことがあると苦笑しておりました。皆、けっこうやっているんですね。

男性はお見通し!?


ここからは、男性側の意見です。なんと! 筆者のリサーチでは、8割の男性が、「ぶっちゃけ、気付いちゃうぜ」と回答しました。男性は、私たち女性以上に、お惣菜のお世話になる機会が多いため、「すぐにわかっちゃうぜ」とのこと。尚、「気付いても、気付かないフリをするのが礼儀と思っている」と、みな口を揃えます。嗚呼、なんだか急に情けなくなってきました。

結論! 諸事情あって料理が間に合わない場合は、スーパーのお世話になるとしても、お刺身のように、「買ってきたものをそのままお皿に移しただけですけど、何か問題でも?」と、堂々と言えるものをチョイスしましょう。
(菊池美佳子)

この記事を書いたライター

菊池美佳子
コラムニスト。1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21歳~29歳まで、舞台女優のかたわら、様々なナイトワークを体験。29歳で引退後、コラムニストとして活躍中。

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