釣り合う男としか付き合えない!? 魅力的な女性でいるための秘訣とは

発言小町に「釣り合う人としか縁はないですか?」という投稿が寄せられました。
トピ主さんは33歳の女性。26歳で彼氏と別れて以来、交際した男性はいません。自分が好意を寄せる男性にはスルーされたり、自然消滅してしまったり。しかし好意を寄せてくれる男性のことは好きになれない――そんなことが続いているそうです。「よく『言い寄ってきてくれる人が釣り合っている人』とも聞くし、今まで嫌だなと思った人が自分に“ふさわしい人”だったのかも」と思い悩み、「自分に特に魅力もなく、特徴もないなら、釣り合う相手も同じようにあまり魅力がない人になるのでしょうか?」と問いかけています。

目次

年齢を重ねても「恋される女性」になるには?


今回は、要約すると「魅力ある男性と付き合いたいが、自分は魅力的ではないので難しいだろうか」というご相談になるでしょうか。

まず、「魅力的な人」とは、どんな人のことをいうか考えてみましょう。ひとつのヒントとして、先日、あるテレビ番組(NHK「2DOORS 婚活世界旅」)に登場していたフランス人女性の話を紹介したいと思います。彼女は仕事が好きで、素敵な20代の彼がいる36歳のパリジェンヌ。「どうすれば、あなたのように素になれるか?」と尋ねた日本人ゲストに、彼女はこう言いました。「毎日、『私は美しい。私は素晴らしい。人生は私を待っている。私はそれを手に入れる。私は強い。私は全力で生きる』と唱えるのだ」と。そして「自信と強さを持つことが秘訣」だと語りました。

魅力的な彼女だって、弱い気持ちに負けそうになるときがある。そんなときも自分を鼓舞する言葉を唱えながら、「自分を輝かせよう」と頑張っている。その結果、素敵な男性も自然に彼女に引き寄せられるのでしょう。「人の魅力」というのは、生まれつきの容姿や才能も無関係ではないけれど、「魅力的な人」が何の苦労もなく、輝いているわけではない――そんなふうに感じました。

投稿でトピ主さんは、「20代の頃は容姿や性格を褒められましたが、今はただの派遣社員です」とつづっています。この一文は、「自分には“若さ”という取りえがあったけど、今はない」と感じているように読み取れました。“若さ”というのは一定期間、どんな男女にも与えられる魅力ですよね。「エネルギーに満ちた体」と「これからの可能性」を備えている、そんな魅力と言えるでしょう。

しかし、“若さ”は次第に確実に失われていく。それは誰にとっても逆らえない運命です。それに頼らない魅力を身につけていけるかどうかは、上述のフランス人女性のように「自分を輝かせよう、自分の人生をいいものにしようという気持ちで日々を生きているかどうか」にかかっているのではないでしょうか。そのように頑張り続けるのは、楽なことではないですよね。「もう歳だし」「自分には魅力がない」と言って下を向いているほうが、実は簡単なことかもしれません。そういった意味で、30代は「年齢を重ねた分の魅力」が問われ始める時期なのかなとも思います。

もしも世間の“年齢へのネガティブな意見”が気になるなら、そうした情報には近づかないことも大事です。誰もがチヤホヤしてくれる年齢ではなくなったかもしれませんが、誰しもが30代以上の女性にネガティブなイメージを抱いているとは思い込まないように。先日、34歳になったという女性アナウンサーに、男性タレントが「いいですね、女ざかりじゃないですか」と話す場面をテレビで見ました。心に取り込むのは、なるべく自分が元気になる情報や言葉だけにしていきましょう。

相手と“釣り合わない”から、恋がうまくいかないの?


また投稿を読む限り、トピ主さんは自分が思いを寄せる人に好かれない理由は「釣り合わないから」で、「言い寄ってきてくれる男性はあまり魅力がない」と思っているようですね。

「釣り合い」を考えるならば、米国の心理学者フォアは、カップル間で交換しあっている「価値」には、「外見的、身体的な魅力」「愛情」「サービス」「物品」「お金」「情報」「地位」、そして「相手からの自由度」などがあると指摘しています。

今のトピ主さんが「外見的、身体的な魅力」「お金」「地位」などにあまり自信がないのであれば、その他の「愛情」「サービス」「相手に与えられる自由度」、つまり他人へのいたわりや寛容さ、愛情あふれる人間になることなどを磨くのもひとつ。それらも、恋愛においては大きな価値(=魅力)となる、と知っておくといいかもしれません。

ただ、トピ主さんの恋愛がうまくいかない理由は「魅力が足りないから」ではなく、「今の自分や人生に“自信”が持てていないから」という気もします。ひとつのたとえですが、「自分には特に魅力もなく、特徴もない」と書かれた履歴書を持って会社の面接に来たら、やっぱり採用されにくいように思いませんか? 「私は完璧ではないけれど、こういうところは良いと思うし、こんなことも自分なりに頑張っています」という履歴書のほうが、おそらく多くの人は興味を持ってくれるはず。

といっても、「人より秀でた容姿や特技、趣味などがなければいけない」ということではありません。例えば「いつも明るく笑顔で、安心感を与える」「周りの人に思いやりをもって接している」「毎日、家事をして身ぎれいにしてきちんと暮らしている」といったことも、人として大きな魅力と言えるでしょう。

「自分に魅力がない」と思っていると、恋愛相手にその“不足分”を埋めてもらいたくなり、結果、“畑違い”の相手を望んでしまうケースも多くなります。好意を寄せてくる男性に嫌気がさすのも、「今の私の状態に納得がいかない」「私の人生、こんなはずじゃない」といういらだちや不満の心理ゆえかもしれません。

しかし、そんなふうに自分自身を大事に思えず、他力本願に人生を預けようとする女性を、男性も魅力的には感じにくいように思います。自分の毎日を大事にしながら、その大事な人生を「共にしたい」と思い合えるパートナーを謙虚に探す。そうなってくると、「釣り合う異性」というよりも、自然に「寄り添える異性」がきっと現れてくるでしょう。

「自分への期待」を捨てないで…望む恋愛はその先に


上述のフランス人女性は、自身が素敵であろうと頑張る理由について、「パリは、女性に多くのこと……いつまでも美しくあること、しっかり働くこと、いい母親であることなど……を求める社会だから」とも語っていました。社会からの期待はプレッシャーとなることもあるでしょうが、身近な人に期待してもらうと、人は「頑張ろう」という気持ちにもなりやすいですよね。仕事でもなんでも、今ある環境のなかで出来る限り前向きに取り組んでいれば、トピ主さんに“期待”する人も周囲に増えてくるはず。その結果、今より魅力も自信も増していくのではないかと思います。

「誰も私に期待してくれない」と言うならば、ぜひ自分が自分に期待してあげてくださいね。一度きりの大事な人生、まずは「今の私、割と好きだな」「私の人生、悪くない」と言えるようになることを目標にしてみてはいかがでしょうか。遠回りに思えるかもしれませんが、望むような男性との恋愛は、その後に付いてくるように思います。応援しています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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