片付けられない女子の典型って? 断捨離の極意とは

もはや世の中的にも一般的になりつつある”断捨離”。「お片づけ」くらいの気持ちで受け止めている人もいるかもしれません。ところがいざやってみると意外に難しく、やり始めるとその生活が癖になってしまうほど、爽快ですがすがしい行動。生活状況を変えるだけでなく、あなたの心や考えかた、寄ってくる人間まで変えてしまうものかも。断捨離を知って、もっと自分自身と周りの環境を高めてみませんか?

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ブロークン・ウィンドウ現象


アメリカの犯罪学者、ジョージ・ケリングは、犯罪の防止傾向として「ブロークン・ウィンドウ現象」という現象があることを見つけました。これは街なかに割れたガラス(落書きやゴミなども同じ)を放置しておくと、その街の犯罪率が増加するという現象です。逆に言えば、割れたガラスを取り除くことによって、犯罪率も低下するということ。実際に札幌やニューヨークなどで徹底的に落書きを消し、ゴミを片づけ街をキレイにしたところ、犯罪率が大きく低下したのだとか。

詳しい犯罪心理学はここでは置いておきますが、汚れたものや壊れたものを周りに置いておくと、自分もそのレベルにいつの間にか合わせてしまうんですね。汚れたものを放置してあれば、「ここで空き缶をポイ捨てしたところで、そんなに変わらないだろう」と怠慢になる。それに、汚いものを日常的に視界に入れていると、それに慣れてしまいます。度実のある生活が普通になるわけです。そしてふきだまりになってしまう……。ゴミ屋敷に住む人の最初のきっかけは、こんな感じだったのではないでしょうか。

乱雑な環境に身を置くことで、正当化


今度は心の問題に特化してみましょう。最初の頃はオシャレをして出かけるために洋服には気を遣い、誰かが訪ねてくることも考えて、部屋をキレイにしていたかもしれません。ところが仕事が忙しくなったり、そのせいで人づき合いが億劫になって出かける先がなくなると、オシャレをすることがなくなります。部屋を片づけても誰も来ないのだったら、片づけることに意味を感じなくなるでしょう。疲れているから寝るだけでいいや、とだんだん手抜きになります。なんでも面倒くさくなり、ますます人からのお誘いも減るはずです。そして服も脱いだまま、部屋もそのままに。

片づけないことについて、「仕事が忙しくてそれどころではない」という言い訳が頭に浮かんだら、危険! すでに不快で不調和な生活への第一歩です。これがブロークン・ウィンドウ現象の、最初のガラスになりかねません。

そのうち、「私がモテないのは、有能に見られているからだわ」と大きな勘違いをし始め、「むしろデキる私に恐れをなして声をかけられないのよ」と妄想状態に突入。そうではなく、明らかに怠慢な生活態度と汚れた部屋、だらしなさが雰囲気に表れているからですよ。そこに気がついて。

断捨離の極意


実際に洋服やバッグ、雑誌やもらったアクセサリーなどこれらを具体的に捨てる方法は、実践的な断捨離サイトを参考にしてください。まずはモノと向き合うことで、自分と向き合うことです。周りの人と目を逸らさずに対峙することで、あなたにとってその人が必要かどうか見えてくるはず。

特に大事なのは、執着や未練と手を切ることです。元カレの思い出の品がそこにあるということは、あなたの心の中にまだ、元カレが住んでいるということ。その彼を追い出さない限り、新しい彼は入ってきづらいですよね? 一緒にいて居心地の悪さ感じる人がいたら、その人はあなたにとって有意義な存在ではありません。思い切って断ち切るのが断捨離。風通しのいい状況を作れば、イライラもモヤモヤもなくなりますよ。

何があれば大丈夫か、を考える


「これは捨てられない」ではなく「これさえあれば大丈夫」、というものをまず挙げてみてください。これが優先順位というやつです。これさえあれば日々の暮らしに困らない、この人さえいてくれれば何とかなる。それ以外は、極端な話、いらないのですよね。そこにあるものがあなたにとって価値あるものですし、この行動そのものが価値ある行動。余計なものをなくす勇気が、豊かな心を手に入れる第一歩なのです。

部屋はあなたの心をうつしていると言われます。部屋が汚れていたら、あなたの心が汚れているようですから、すぐにでも片づけてくださいね。モヤモヤすることがあるなら、まずは部屋を片づけることが先決。さらに窓を開けて新鮮な空気を取りこみ、明るい光を入れてみましょう。

必要なものだけで部屋が整えられると、それがなくなったら困りますから、物を大切にする気持ちが生まれます。それはあなた自身を大切にすることでもあり、周囲を取り巻く環境も大切にすることにつながるでしょう。これまで自己評価が低かったとしたら、ようやく自分を好きになれるかもしれません。

死ぬときにはたくさんのものは持っていけません。死ぬ間際に見た顔が大嫌いな人の顔だったら……。だからこそ、本当に大事なものに囲まれて、最後まで過ごしたいものですね。
(鈴木ナナ)

この記事を書いたライター

鈴木ナナ
関西在住のフリーライター。お酒と食べ歩き、人間観察が好き。心理カウンセラーの資格を有し、夜な夜な面白い人を探しに街へ繰り出すのが趣味。食べログ京都マスター。日本最大級の京都グルメインスタアカウント「KYOTO STYLE」アンバサダー。

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