恋と疎遠になるのは欲望がないから? 「枯れる女」になってしまうメカニズム【漫画】

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「欲望とは、それを目にしたときに生まれるものである」
誰が書いていたかは定かではないのですが、過去に読んで心に残った言葉です。この説によると、欲望とは決して心やカラダの内側から自然にわき上がってくるものではなく、何かに触発されて生まれるものであるらしいのです。

なるほどと思いました。
確かに認識していないものに対して、欲望を抱くことはできません。たとえばパフェを見たことがない人は、パフェを食べたいと思うことはないでしょう。「このスカートが欲しい!」という欲望は、それを目にして初めて湧いてきます。女性のヌードを何十年も撮っている知り合いの写真家さんは、こんなことを言っていました。「ものすごい田舎に育ったので、子供の頃、若い女の人を見る機会がなかった。だから初めて若い女性を見たときの衝撃はすごかった。それからボクは女性に取り憑かれてしまったんだ」。

わき目もふらず仕事をしていると、肥大するのは食欲や睡眠欲ばかりで、その他諸々に対する欲望は薄れていきます。人間の防衛本能というのはよくできているのか(あるいはそうでないのか)、彼氏と別れたてだったりすると「早く次を見つけなければ!」とやっきにもなりますが、いないことが日常になるとどうとも思わなくなっていきます。そして恋愛欲や美貌欲は頭のすみに押しやられていき、自分の中でそれが当たり前になってしまう。これがいわゆる「枯れている女」ができるメカニズムでしょうか。

恋愛から遠ざかっている状態というのは、望んでそうしているというよりも、気がついたらそうなっているケースがほとんどだと思います。「仕事が忙しく、恋愛をしている余裕がないうちに」「出会いの機会がないうちに」こうなってしまった。元々あまり恋愛体質でない人や、欲望薄めの人がそうなっていることが多いと思うのですが(なぜなら恋愛体質の人は、どんな手を使ってでも相手を確保するので)、枯れている状態というのは実はあまり自覚がなかったりします(趣味等でそこそこ楽しかったりしますからね)。

でももし自覚があって、このままじゃいけない! と思ったら、最初にやることは……今のバランスを壊すこと。恋愛の前段階としてのリハビリです。

ここで注意したいのは、リハビリそのものにハマってしまうことなので(俳優やアイドルにのめりこむ等)、筆者的には直接的な触れあいを推奨したいです。ふだん会っている人と違う人と飲んでみるとか、男性店員多めのカフェや美容室に行ってみるとか、そんなささいなことです。それまで「店員」としてしか認識していなかった対象を、「男」という生き物として見てみる。その人の日常を想像してみたり、その人とデートしているところを想像するだけでも、脳内ホルモンが出て艶っぽい雰囲気が出るようです。

フランスの文学者ロシュフコーは「貞淑とは、情熱を怠けることである」と言っています。日本人はフランス人ほどには情熱が得意でない人種ですが、自分なりの情熱はまだまだ追求したいですよね。
(アオノミサコ)

この記事を書いたライター

アオノミサコ
イラストレーター・漫画家。美容から神事、ディープスポット巡り等の漫画やコラムを執筆。著書『わがままセラピー入門』(KADOKAWA)が販売中。

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