「友達以上恋人未満」の関係が終わってしまう理由

発言小町に、「友達以上恋人未満の縁が終わるのはなぜ?」という投稿が寄せられました。
トピ主さんは30代男性。1年ほど前から32歳の女性とデートを繰り返していましたが、最近になって、その彼女が明らかにトピ主さんを避け始めたそうです。決してしつこくはしていないし、彼氏ができたわけでもない様子なのに、LINEのブロックまでされてしまいました。トピ主さんは「正直、彼女に何の変化が起きたか分からない」と困惑しており、「タイミングを見て進展させるつもりだったけれど、こんな場合、『進展がない、切ろう!』と思いますか?」と尋ねています。

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あなたが「理由」でない可能性も…彼女には別の世界もある


投稿を見る限り、トピ主さんは「自分が告白せず、グズグズしていたから、彼女に嫌われた」と考えているようですね。決してしつこくはしていないとのことですが、もしかしたら自分でも気づかないところで、彼女の気に障るような言動をしてしまったのかもしれません。

しかし、トピ主さんに関係のない理由もいろいろと考えられます。人は好きな相手を失うとき、「自分のせいでうまくいかなかった」と考えがちですが、実際にはそうではないことも多々あります。仮にトピ主さんの態度や言動が理由だったとしても、気づかぬところでそう思われてしまったならば、「結局、相性が良くなかった」という考え方もできますし、何より彼女には「トピ主さん以外との世界」もあるわけです。

「彼氏はできていない様子」とのことですが、真相は不明です。2カ月前、「気になる男とかできた?」と聞いたときは「全く……」という回答だったそうですが、男女関係では、そのような発言が真実でないことも往々にしてあるもの。別に気になる人ができてトピ主さんに興味がなくなった、あるいは本当は今までも好きな男性がいて、その相手とうまくいかないからトピ主さんとデートしていただけ――なんて可能性だってゼロとは言い切れません。

以前トピ主さんが「付き合えたら楽しいだろうな~ってよく考える時あるよ」と言った際、彼女は、彼女は「私はワガママだよ~」「調査中~」などとかわしていたそうですね。「そんな彼女なので、あまり踏み込まないほうがまだいいのかと思い」という記述もありますが、そうした直感は思いのほか当たっていることもあるものです。もしかしたら、彼女のほうが深い仲にならないよう、意図的に一線を引いていたのかもしれません。

その他にも「トピ主さんに関する悪い噂を聞いた」「2年たってマンネリになり、興味がなくなってしまった」などなど、理由はいろいろと考えられます。トピ主さんが自分を責めても仕方ない理由である可能性も、十分にあると思います。「自分さえ彼女に好きだと言っていれば、付き合えていたはず」と思っていたほうが心はつらくないのかもしれませんが、事実を歪曲して受け止めると、間違った思い込みにもとらわれやすく、今後の恋愛にも悪影響を及ぼしかねません。「理由は分からないけれど、彼女は今、トピ主さんと関わりたくないと思っている」という事実だけを、できるだけ冷静に受け止めていきましょう。

「平行線の関係」に興味がなくなったのかも?


2人は2年間「友達以上恋人未満」の関係だった――ということは、トピ主さんも、そして彼女のほうも「勇気を出して、相手とそれ以上に距離を縮めようとする努力」をしなかったのだろうと推察します。

「タイミング見て、ちゃんと進展させてくつもりだった」という記述もありますが、「デートは楽しいものの、『付き合いたい』『相手を独り占めしたい』と思うほどの熱意はなかった」ということはないでしょうか。「このままの距離感のほうが、メリットが大きい」と無意識に思っていたのかもしれませんし、お互いに「絶対にこの人と付き合いたい!」と思えるほどの“決め手”に欠けていたのかもしれません。

友達以上恋人未満の関係は、束縛も責任も、そして“完全な拒絶”もないので、気楽で心地よいものです。異性と向き合うことに疲れていたり、自分の将来が見えなかったりする時期は、お互いに“WIN―WINな関係”とも言えそうです。しかし、「そういう関係には未来がない」「一人の異性としっかり向き合い、確かな関係を築いていきたい」と思った時には、そうした“ゆるい関係”を清算する決断も必要になります。

彼女が連絡を断った理由が、他に恋人や気になる男性ができたのでないとしたら、「平行線の関係に価値を感じなくなった」「人生を先に進めたくなった」など、気持ちの変化が理由ということも考えられるでしょう。

人の気持ちは揺れ動くもの。未来は分からないけれど…


投稿で、「友人もダメなんですかね?」と何度も尋ねているトピ主さん。「まだチャンスがあるなら彼女と恋人同士になりたい。それがダメでも友達でいたい」――そんな気持ちがあるようです。

しかし友達だって、恋愛と同じで“絶対に別れない関係”ではありません。仮に「友達でいよう」と口約束をしたところで気休めになるだけで、彼女のほうがトピ主さんとの関係にもう魅力を感じていないのであれば、疎遠になるのは避けられないでしょう。

LINEをブロックされている現状で、できるのは「時間を味方につけること」だけではないかと思います。「とりあえず“今は”連絡を取り合いたくないのだな」と受け止めて、しばらく恋愛から離れ、自分の暮らしに専念していきましょう。トピ主さん自身が本当に望んでいるのはどんな人生なのか、そのためには、これからどんなふうに動いていけばいいのか、改めて考えてみるのもいいと思います。決定的にケンカ別れをしたわけではないようですし、そのうちに彼女の気が変わり、また連絡が来る可能性もゼロではないでしょう。

どうしても今何か伝えたいならば、手紙や伝言の形で、「僕の気持ちはこうだから、また都合が合えば会ってほしい」などと、前向きな、短い言葉を届けてみては。彼女の気持ちが落ち着いたときに、そうした言葉が心に届くこともあるかもしれません。この場合、長々と自分の思いを分かってもらおうとしたり、怒りをぶつけたりしないよう、ご注意を。

時間がたつうち、トピ主さん自身も気持ちの整理がつき、諦められるようになるかもしれません。

「それでも彼女が好きだ」と思うなら、どうにか彼女とコンタクトを取れる機会を待ってみるのも一つの選択ですが、女性が関係に白黒つけるときの意思は固い場合も多いものです。つらいでしょうが、「もう望みはない」とわかったときには、「どうにもならないこともある」と割り切り、自分のために諦める努力も必要かもしれません。今回の恋から得られるであろう「誰かを好きになったら、曖昧な関係に甘んじず、きちんと思いを伝えてみよう」という教訓は、いつかきっとトピ主さんの幸せに役立ってくれると思います。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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