「過剰な自己アピール」をする男性心理とは

発言小町に「自分のことばっかりアピールする男性心とは」という投稿が寄せられました。

トピ主さんは、「好きになった彼のことをすべて知りたい」と思うタイプ。「自分のことも分かってほしい」と強く思うものの、アピールが恥ずかしく、素直に表現できないそうです。しかしトピ主さんに好意を寄せてくれる男性はみんな、自分のことばかり話すなど自己アピールが強く、トピ主さんのことを「知りたいと思ってくれていない」ように感じてしまうとか。「男性とはこういうものなのでしょうか?」と意見を求めています。

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「好きな人に自分を分かってほしい気持ち」は男女ともにある


トピ主さんは、男女の違いが気になっているようですね。「脳」の作りの違いから、一般的に男性は女性よりも競争意識が強いことが知られています。「勝ちたい」「自分の望むものを獲得したい」という思いから、好きな女性への自己アピールが強くなりがちな側面は多少あるのかもしれません。

しかし投稿には、トピ主さんにも「自分を分かってほしい気持ちがある」と記されています。そうであるなら、男女の違いよりも、「男性にも自分と同じ気持ちがあるのだな」というふうに考えてみてはいかがでしょうか。「好きな相手に自分を分かってほしい」と願う心理は、男女問わず多くの人にある。その思いの“強さ”には個人差があるし、その思いを素直に表現できる人もいれば、できない人もいる――。

もしかしたらトピ主さんは、「自分を分かってほしい」という思いを上手に表現できないため、自分ばかりが相手の主張を聞いているようで、不満に感じたり、退屈に思ったりしているのかもしれませんね。

興味のない男性の自己アピールを長々と聞くのは億劫かもしれませんが、好きな男性であれば、多少なりとも関心を持って聞けるような気もします。トピ主さんは「好きな男性のことを何もかも知りたい」という一方、積極的に自分のことをアピールしてくる男性は苦手……ということは、今のところ、アプローチしてくる男性たちのことを「もっと知りたい」と思うほどには、好きではないのかもしれません。

彼らのアピールを喜ばしく思えないのは、「私のことを知りたいと思ってくれていないように感じる」のが原因――という推測もできます。トピ主さんは、「自分をアピールするより先に、トピ主さんのことを知ろうとしてくれる男性」を内心では望んでいる可能性もあるのかなと感じました。

好きな相手に、上手に自己アピールをするためには?


投稿の中でトピ主さんは、ご自身について「議論好きな自分を、好きな人の前で出せない自分にも問題があるのだと思う」「彼氏をつくるより、友達とつるんでいるほうがラクだし楽しい」「彼氏だと、どうしてこう変わっちゃうんだろう」などと言及していますが、「好きな異性に自分をうまく表現できない」というのは、ほとんどの人が通る道です。相手のことが好きであるほど、「自分がどう見られているか」が気になって仕方なく、自意識が邪魔して「うまく振る舞えない」と悩んでしまうのでしょう。

「そうした葛藤があるからこそ恋」という考え方もできますが、いつも同じパターンを繰り返している現状から脱したいと思うのであれば、まずは以下2点について考えてみましょう。

1.同じようなタイプの男性(アピール上手で積極的、上昇志向が強い、構ってほしがり……など)ばかりと付き合っていないか?
2.「自分は“聞き上手”な女性」ということを、男性に無意識にアピールしてしまう傾向はないか?

まずは1から。トピ主さんは自己アピールの多い男性に反発しつつも、「自分もそうなりたい」という気持ちがあるため、憧れや魅力を感じやすい側面があるのかもしれません。自分と逆の性質の人に惹かれるのは恋愛ではよくあることですが、本当はトピ主さんのことを分かろうとしてくれる、控えめで聞き上手な男性を求めているのかも。そうであるならば、自分に言い寄ってくる男性から恋人を選ぶのではなく、自分からそういう男性を見極めて近づいていくようにすると、これまでと違う恋愛ができるかもしれません。

2は、いわゆる“優等生気質”の人に多い特徴です。「本当は議論好き」なのに、自分の意見を言わず、聞き上手なふりをしてしまう人の場合、「万人に好かれなくては」という気持ちがあったり、「控えめに聞き上手でいることが美徳だ」と信じていたり――そんな推測もできます。トピ主さんがきちんと話を聞いてくれるため、男性たちも、ついつい自分についてしゃべりすぎてしまうのかも。「万人に好かれなくてもいい」「議論好きな私を好きになってくれる人と付き合おう」「本心を押し殺して控えめにすることが必ずしも美徳ではない」などと考えを変えていき、今よりも“自分らしさ”を素直に出していくようにすれば、恋愛にも変化がでてくる可能性が高いと思います。

「相手のことを何もかも知りたい」 そんな気持ちは“若さ”ゆえ?


「いつか自然に呼吸しあって、そして愛しあえる男性にめぐり合うのでしょうか」とのことですが、好きな相手とのコミュニケーションも、経験によって上達する部分は少なからずあると思います。

「既婚者の先輩にこの話をしたら、『若いわね~』と言われてしまいました」という記述もありますが、「相手のすべてを知りたい」という気持ちは、確かに若い人のほうが抱きやすいような気はします。大人になると、「相手にも知らない一面があって当然」と理解できたり、すべてを知らなくても自分の意思で相手を信頼することができたりするようになる人もいます。「相手の知らなかった一面を知る過程をゆっくり楽しめる」「ある程度放任になれる」など、若い頃に比べると、精神的余裕を持って恋愛ができる人も増えてくるように思います。

若い頃は、目に見える結果や実績も少ないので「自信」を得にくく、社会的な承認欲求が満たされていないために、「恋人にだけは賞賛してほしい」「認めてほしい」という気持ちが強くなりやすい傾向も多少あるのかな……とも推測します。しかし年齢を重ねて、結果に基づいた自信がしっかりと身についてくると、恋人に“自信の根拠”や“承認”を求める気持ちが自然と少なくなることも。いろいろな人と関わるなかでコミュニケーション力が上がり、他人に寛容になれたり、自分らしさを上手に出せる人に成長したりすることも期待できます。

「年をとると、男性も変わるんでしょうか」という一文もありますが、年齢を重ねての変化が望めるのは、男性だけでなくトピ主さんも同じ。相手に分かってほしいことがあれば、「察してもらおう」ではなく、できるだけきちんと言葉にしていく。議論好きな自分も必要以上に隠さずに、素直に表現していく――などなど。

「男心をもっと勉強してみます」という思いもつづられていますが、それにプラスして“自分自身”の心を見つめ、自分が「こうありたい」と思えるような振る舞いができる人間になれるよう、取り組んでみてくださいね。自分が成長していくことで、全員が全員とは言いませんが、目の前の男性たちの態度も変わってくるでしょうし、トピ主さんの感じ方にもきっと変化が起こるはず。他人に成長を期待するのはなかなか難しいものですが、自分が変わると、自然に出会う相手も変わってくると思います。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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