理想的な人と出会えない“本当の理由”とは

「なかなかいい人が現れない」とか「出会いは多いのに、何か足りない」と不満を抱えている人はたくさんいるでしょう。そしてそんな人たちに理想の相手を聞くと、「優しくてお金持ちで背が高くて……」と、多くの諸条件が並びます。果たしてそんな相手が目の前に現れたとき、あなたは満足をするのでしょうか? きっとまた、「何かが違う」と不満を漏らすのではないでしょうか?

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焦れば焦るほどプライドと理想は高くなる


理想が高く、一度にたくさんの諸条件を相手に求めるというのは、あなたが焦っている証拠かもしれません。特に恋の相手選びの場合、付き合ってみないとわからないことがたくさんありますよね? 優しいAさんとお金持ちのBさんがいたとします。時間に余裕があるのならAさんと交際してみて、次にBさんとも交際してみればいいのですが、時間がないので無駄をなくそうとします。すると優しくてお金持ちの人ひとりを探したほうが早い、という結論に達するのかもしれません。ところがひとりの人で、2つの条件をこなす人を探すほうが実は至難の技。そのうち自分の年齢もギリギリに思えてきて焦ります。優しくてお金持ちで健康的な人、さらにご両親も優しい人がいいなどと、条件が追加されていくのです。すると、ますます目の前に現れるのは理想から外れた人ばかりに思えてきます。

これはプライドの高さも関係しています。焦ってきて「自分が適齢期を逃してしまう!」となれば条件を緩和し、いわゆる「妥協」する側へ向かう人もいるんですよね。「優しければ、お金持ちじゃなくてもいいや」と、条件を減らすことができれば、理想の「優しい人」は現れやすくなるでしょう。でも年齢を重ねて、ある程度異性の選り好みをしてきた人はプライドが高いんですよね。「ここまできて、ヘタな異性を捕まえたくない」と思うと、妥協できなくなるのです。残り物に福があればいいですが、最後に貧乏くじを引く可能性も考えないと……。

理想の条件に即した人が、今のあなたの周りにはないということ


「優しい人がいいな」と思えば、あなたの周りに優しい人がいない状態なのではありませんか? 「お金持ちがいいな」というなら、周りにお金持ちが少ないわけです。類は友を呼ぶといいますよね。少なくともあなたの周りが優しい人やお金持ちの人ならば、そこには仲間たちも集まってきます。第2陣、第3陣の中には、両方を備えた優しいお金持ちも登場するかもしれません。理想的な人と出会えないのは、あなたの付き合う人選びにも問題があるのかもしれません。

あれもこれも欲しい=どれもいらないのと同じ


あれも欲しい、これも欲しいというのが、いわゆる理想が高いということです。でもそれは本当に欲しいものではないのかもしれませんね。衝動買いであれこれ買い物した後、結局最後まで気に入って使っているものは、いくつあるでしょうか? そのお店にひと目ぼれするくらい気に入った商品があれば、きっと「これがあればほかには何もいらない」という気持ちになるはず。この気持ちが大事。あなたの求める理想の条件を書き出してみてください。実は本当に求めているのは、そこにはないもののようですよ。

理想の人が現れない最大の理由は、あなたがその相手に見合った自分ではないからです。先ほどの「類は友を呼ぶ」の話。友人関係に例えましたが、あなたそのものがその理想とする相手に見合っていれば、向こうからやってくるはず。「人は自分と釣り合う人を好きになる」、いわゆるマッチング効果と呼ばれる心理状態があります。あなたが理想とする人とあなたが釣り合っていれば、出会いはもっと身近になるはず。あなたが自分をそこまで高めるのか、または分をわきまえて自分に釣り合う人を冷静に探すか。理想の人と出会うというのは、もっと厳しい現実を見ることかもしれません。
(鈴木ナナ)

参考文献「『不機嫌』になる心理 著者: 加藤諦三」

この記事を書いたライター

鈴木ナナ
関西在住のフリーライター。お酒と食べ歩き、人間観察が好き。心理カウンセラーの資格を有し、夜な夜な面白い人を探しに街へ繰り出すのが趣味。食べログ京都マスター。日本最大級の京都グルメインスタアカウント「KYOTO STYLE」アンバサダー。

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