色気はコンプレックスから作られる? マイナスを隠さず有効活用すべき理由【漫画】

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ルックスの善し悪しに関係なく強烈な色気を放っている人って、たまにいます。そういう人は他の人と何が違うのでしょう?

生きていく上で1、2番目くらいに色気が大事だと思っている筆者は、昔から色気について、ことあるごとに考えてきました。
そしてあるとき気がついたのが、「色気はコンプレックスから作られるのではないか」ということです。筆者が思う「強烈な色気を放つ人」を並べてみると、ある共通点があったのです。それは男女関係なく、どことなく不安定な部分があり恥ずかしそうであること。近づいたら吸い込まれそうな空気感をまとっていること。そして人の目をじっと見るということ。

たとえば上で例に上げたセルジュ・ゲンスブールは、決して美男ではありません(むしろ若い頃は醜男とされていました)。ちょっとおブスが売りだった女優のレネー・ゼルウィガーは、映画『シカゴ』や『ホーリー・マウンテン』で、共演の女優を喰うくらいの迫力と色気を放っていました。美男美女で通っている俳優のインタビューなどを読んでみても、彼らは意外なくらいにコンプレックスを抱えていたりします(家族関係や生い立ちが、悲しいものであることも多いです)。またいったん持ち上げられてその後突き落とされ、見事に復活した有吉弘行や吉田栄作、宮沢りえなどは、持ち上げられていたときよりも復活直後あたりの方が、実にいい感じの色気を放っていました。

色気とは、挫折や傷、恥じらい、人より強い感受性などから育まれ、熟成され、ある容量を超えた時点で、その人の内面から溢れ出すものなのではないでしょうか。同時に、そのコンプレックスをカバーするようなあれこれの工夫(見た目的にも内面的にも)。その2つが合わさって強化される気がします。それは作為的に出したり引っ込めたりできるものでもなく、滲み出てしまうもの。意識した時点で消えてしまうもの。

グラビアモデルやホステスなどが放つ色気は、「商品として作られた特殊な色気」なので、筆者がここで言っている色気とはちょっと違います。そして、あえて一般人が目指さなくてもいいものだとも思います(芸者さんのそれはちょっと取り入れたいですが)。

それと不思議なことなんですが、筆者の周りでは出産してからの方が確実に色気が増した友人が3人ほどいます。一般的には「母になる=女として終わり」みたいなことが言われていますが、逆なのです。母性が出たことでガツガツした部分がなくなり、彼女たちはふんわりと人を包み込むような柔らかさを漂わせるようになりました。その様子を見るにつけ、「結婚前よりずいぶんしっとりとした女になったなぁ」と思います。そう考えると、色気とは余計な我をなくしたときによりいっそう出てくるものなのではないでしょうか。

美輪明宏氏はこう言っています。
「色気とは仕草や形ではなく、精神的に相手を包んであげる上品な優しさのこと」。

もしあなたが「自分には色気がないんじゃないか」「欠点がたくさんある自分を愛せない」と悩んでいるとしたら……コンプレックスを反転させて色気にできる可能性があることを、思い出してほしいです。
(アオノミサコ)

この記事を書いたライター

アオノミサコ
イラストレーター・漫画家。美容から神事、ディープスポット巡り等の漫画やコラムを執筆。著書『わがままセラピー入門』(KADOKAWA)が販売中。

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