「変わりたいけれど変われない」ほんとの理由

「やりたくない」と思っていても、それを本当にやめてしまうには勇気が必要ですよね? 「仕事がイヤだ」と思いながらも毎日仕事に行き、変わらぬ日々を送り続けているあなた。「変わりたいけれど変われない」というジレンマは、実は「ホメオスタシス」や「ストレス」によるものでした。これは一体何者なのでしょう。
これらを知って上手に付き合えば、大きく変われる可能性があります。あなたが欲しがっている“ワンランク上の世界”が手に入るかもしれません。

ホメオスタシスとは「変化を戻そうする無意識の行動」

 
ホメオスタシスとは「恒常性」とも言われるもので、生理学者キャノン.W.Bの提唱した概念のことです。
たとえば運動をして汗をかくという行為は、運動したことによって急激に上がった体温を、正常に戻そうとして発汗しているわけです。これがホメオスタシス。風邪を引くと熱が出るのも、ケガをすると傷口をふさごうとするのもすべてホメオスタシスです。安定していた頃の状態に戻そうとするんですね。

そしてこれは精神的な部分でも、起こり得ることです。
たとえば、淡々とした日々を過ごしている人が、何かのきっかけで情熱的になったり、感情的になったりしたとします。するとあるところで急に、「なんでこんなにテンションが上がっているのだろう? くだらない」と気持ちを冷まそうとする感覚になります。また、今までモテたことのなかった人が、突然告白されて恋人ができたなら、「幸せすぎて怖い」と感じ始めます。そしてその幸せを信じられなくなったり、「遊ばれているだけだ」とその恋を終わりにしようとすることがあります。変化に耐えられず、モテなかった自分に戻ろうとするわけです。

変化した結果のストレスは精神的ダメージとなる


イヤな職場から解放されて、別の仕事をしたいと思っていても、実際に転職しようとするとやるべきことがたくさんあります。しかも転職した先が満足のいくものではなかった場合、徒労に終わってしまいますよね? その先の未来もまた不安になってきます。「それなら今のまま仕事を続けたほうが、安全で確実だ」とホメオスタシスはささやきます。

この、やるべきことがたくさんあるということや、転職した先でうまくいかないというのが、実はストレス。ストレスを感じると、人によっては精神的なダメージを受けてしまいます。だから「変わるのやめる」「変化しない」ことを選択するのです。

ストレスには耐性がついてくる


ところが人というのは不思議なもので、ずっとストレスを感じているとその状況に慣れてしまうのです。耐性をつけて自分を守ろうとします。たとえば口うるさい上司のお説教に、最初はストレスを感じています。でも毎日毎日言われていると、やがて「なんだか、また同じことを言ってるな」「それにしてもよくここまでいつも腹を立てられるものだ」と、お説教が聞き流せるようになるのです。次第にこの環境があなたにとっての日常となり、もしも物静かな上司と入れ替わったとき、「ガツンと説教してくれる上司の方がよかったな」というように、ホメオスタシスが働くかもしれません。面白いですよね。

ここまでをまとめると、ストレスに慣れてくるのだとしたら、転職を実行してみるのも悪くない、ということになります。イヤな仕事を我慢して現状維持するよりも、耐え得るストレスなら一か八か転職もいいぞ、と変化が怖くなくなります。こうやって、自分の願いをひとつずつ叶えていくわけです。

ホメオスタシスのランクを少しずつ上げる


ここで恋愛に例えて考えてみましょう。騙されたり裏切られたり、不幸な恋愛をする人は不幸癖がつくと言いますが、これもホメオスタシスが原因です。理想の異性と交際できるとしても、結局ダメ男を選んでしまいやすいのです。なぜなら、それがあなたにとっての日常だからです。
でもストレスに慣れることができるのなら、理想の異性と頑張ってつき合ってみてください。最初は確かに背伸びしたり緊張したり、自分らしく振る舞えずストレスになります。でもそこでダメ男に戻ろうとせずに耐えてみる。すると慣れてきて、騙されたり裏切られたりすることのない恋愛がやっと手に入るはずです。

日常に引き戻そうとする力「ホメオスタシス」が戻そうとするその日常を、あなたの願うワンランク上のものにしてしまいましょうね。6畳一間で暮らしていた人が念願のお金持ちになって大邸宅を手に入れても、しばらくの間は狭い一部屋で生活することが多いのだとか。慣れない広さに持て余してしまうのでしょうけれど、そこで大邸宅の家主として自分の生活が定着すれば、それが日常になります。ほんの少しストレスに耐えるだけで、あなたの願いはきっと叶うはずですよ。
(鈴木ナナ)

この記事を書いたライター

鈴木ナナ
お酒と食べ歩き、人間観察が趣味のフリーライター。心理カウンセラーの資格を有し、夜な夜な面白い人を探しに街へ繰り出すのが趣味

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