浮気や不倫で泥沼になる理由 男はみんな「多重人格者」

女子をがんばって口説いて、「あと一歩のところで」うまくいかなかった男がよく言うのは、女子ってなぜ「(今つきあっている)彼に悪いからやっぱり無理」と言うのか? ということです。
飲み会の二次会や三次会などで、男女がいいかんじになって、女子のほうも「今夜、この男子にだったら抱かれてもいいかな」と思って、明け方ちかくまであれこれやっているのにもかかわらず「やっぱりつきあっている彼に悪いから」と言って、始発でなにもせずに帰ってゆく女子。

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ホテルで丸裸になっても……


ホテルで丸裸になっても「やっぱり彼に悪いから、無理」と言う女子もいますよね。
それに対して男は、本命の彼女に悪かろうと、愛人に悪かろうと、好きとなれば好きと言うし、抱くべきものが目の前にあれば抱く。
つまり女子は「一度にひとり」の男しか「心底」愛せないことのほうが多いのでしょう。遊びで愛するというのは、愛しているうちに入らないですからねッ。

あるいは彼の浮気が原因で、彼とケンカをしたことがある女子はよくご存知だと思いますが「あたしと浮気相手と、どっちが好きなの?」と彼に問い詰めたら「君のことが大事に決まってる」と言いつつ、それでも翌日、浮気相手に会いにゆく男。

彼は風俗嬢ではないので……


彼は風俗嬢ではないので、すごく自分にウソをついているわけではないことのほうが圧倒的に多いものです。
風俗嬢がよく「病む」というのは、自分にウソをつかないとやってられない商売だからだ、というのが、その手の店を経営しているオーナーの主張するところですが、あなたの彼氏は風俗嬢ではないですよね。
彼が、浮気相手も本命の彼女もどっちも好きというのは、ウソでもなんでもなく、もう「本当に」好きということでしょう。
そういう意味合いにおいて、男は多重人格者です。

浮気相手を心底愛せる人格と、本命の彼女を心底愛せる人格と、なんならいきつけのキャバクラのキャバ嬢を心底愛せる人格と……もうたくさんの人格を持っている。
それに加えて、面倒見のいい男であれば、後輩のことを彼女よりか愛していたりする(だから彼女よりも高価なお店に後輩を連れて行ったりするし、そのことに悪気がない)。

男に対して贔屓目に言うのであれば……


男に対して贔屓目に言うのであれば、男は一度にたくさんのものを愛することができないと、人生において多くを得られないのかもしれません。
仕事は工場における単純作業で、朝工場に行って、夕方まっすぐに家に帰り、家でささやかな晩酌をするという男は、ひとりの彼女を(妻を)愛していれば、それで十分ということもあるかと思います。それはそれでいいことですよね。
でも、ちょっとばかり人よりも多くのお金を稼いでいる男は、女に限らず一度にたくさんのものを愛さないと人より多くを手にすることはできないのです。

女子に対して贔屓目に言うのであれば……


女子に対して贔屓目に言うのであれば、仮にあなたの彼が今浮気をしていても、「まあだいじょうぶ」だと言えるかもしれません。
彼はあなたのこと「も」愛している可能性が高いでしょう。
「も」ではイヤだから、彼女として彼の前で暴れる……こういうことだろうと思いますが、彼はあなたのことを愛していないわけではないので、浮気をめぐる諍いの結末として「浮気の代償として、彼に高価なカバンを買ってもらってラッキー♪」という女子がいるのでしょう。

そして男は一度に複数のものを愛せる多重人格者なので、(場合によってはその対象が多ければ多いほど「おれは男気あふれる男のなかの男である」と思っているので)、「浮気即サヨナラ」と女に言われないように、たくさんの人格をうまく操るのでしょう。

さらに言えば、浮気や不倫で泥沼になるというのは、男が多重人格者であることに疲れてしまって、女子に対して払うべきものを払いそこなったからだと言えるのかもしれません。
ようするに、多重追突事故のように、たくさんの人格を操作しそこねた男が手にすることになる当然の結果ということなのでしょう。
(ひとみしょう)

この記事を書いたライター

ひとみしょう
作家/コラムニスト/作詞家。キルケゴール哲学をベースに、なんとなく淋しい人に向けた希望論&恋愛論『自分を愛する方法』を上梓。全国の書店等で発売中。『ひとみしょうのお悩み解決』『ひとみしょうの男って実は』(Grapps)など連載多数。日本自殺予防学会会員。キルケゴール協会会員。

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