海外と日本での遠距離恋愛…別れずに済む方法は?

発言小町に「海外勤務の彼氏と別れたくない」という投稿が寄せられました。

トピ主さんは1年半交際していた彼が海外勤務となり、3カ月前から遠距離恋愛が始まりました。月に一度は会っているものの、以前は毎日会うような生活をしていたため、トピ主さんはつい「(遠距離が)しんどい」とメールで彼に別れを伝えてしまったそうです。しかし、数日後に「やはり別れたくない」と思い直し、毎日電話して泣いてお願いしましたが、彼は「やり直す気持ちはグレー」との返答。

トピ主さんは「もう遅いかもしれないけど、前みたいになりたい」「私は何をすればいいですか?」と読者に問いかけています。

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「トピ主さんと遠距離をやっていく自信」がなくなっているのかも……


別れた後も、彼は電話に出てくれるし、かなり減ったとはいえメールも来るそうですね。彼のほうにも、まだトピ主さんへの愛情が残っているのでしょう。しかし彼は、復縁を渋っている。話し合った際には、「嫌いなわけじゃなくまだ好き。一緒にいれば何よりも楽しい事わかってる」「我慢をさせた俺が悪い。トピ主さんは悪くなくて、自分が悪い。お互い近くで新たな相手を見つけるのがいいのか」などと言ったとか。

これらの言葉には、彼の真意がよく表れています。彼は「今の状態では、トピ主さんを幸せにできない」と感じているのではないでしょうか。そして彼のほうも、今の関係では、幸せだとは思えなくなっているのでしょう。恋人に「しんどい」と言われたら、普通、男性は「自分と付き合っていても幸せではないのだな」と解釈するでしょう。トピ主さんは毎日電話し、「嫌だ、考え直して、私頑張るから」と散々泣いて復縁を申し出ているとのことですが、そうして泣いている姿を見たら、彼はますます復縁にYESとは言えないのではないでしょうか。

「頑張るから」と言われても、恋人に無理に頑張らせなくてはいけない状況は、彼にとっては望ましくないはず。なぜなら、多くの男性は「自分と一緒にいることで、好きな女性が幸せにしていてくれること」を望むからです。無理強いして頑張らせたり、泣かせたりするのは本望ではない。自分のせいで好きな女性がそうなっていると思うと、男性は無力感でいっぱいになり、恋愛を手放そうとする傾向もあります。

彼はこの3カ月を経て、「トピ主さんと遠距離でやっていくのは難しそうだ」「寂しい思いをさせるばかりだし、近くにいられる相手を見つけたほうが結果的に幸せなのではないか」と思い始めたのではないでしょうか。寂しさを訴えられてばかりの会話が楽しいと思えない、毎日トピ主さんをなだめることに少し疲れてきた、なんてことも考えられます。そんな思いもあるなかで、トピ主さんを「まだ好き」なものの、近くにいる別の女性たちと話しているほうが気楽だと思う自分に気づいてきた……なんてことも、もしかしたらあるのかもしれません。

いずれにせよ、彼には「今の自分では、トピ主さんを幸せにできないだろう」という諦めがあり、それが復縁をためらっている一番の理由ではないかと推測します。

環境の変化で大変なのは、むしろ彼のほうかも!?


今、大変なのは、むしろ彼のほうでしょう。大きな環境の変化で、知らず知らずのうちにストレスや疲れも溜まっていると思います。見知らぬ土地、見知らぬ人々、そして外国語。この環境の中で暮らさなくてはならない。慣れている方もいるでしょうが、通常、海外転勤は楽なことではありません。渡航後しばらくは新しい環境での刺激で気が紛れますが、数か月すると心身の疲れがどっと出てきて、強いホームシックにかかってしまうことも。勤務地にもよりますが、海外転勤になった方の中には、環境変化による疲れから体調を壊してしまう方も少なくないと聞きます。

そんな時に支えてあげられるのは、変わらず自分を思ってくれる家族や恋人、友達といった存在でしょう。恋人と離れたとはいえ、トピ主さんは住みやすい母国にいて家族や友達もいる――と考えれば、彼のほうが非常事態です。自分の寂しさはさておき、「彼の大変さ」を思いやって励ませる頼もしい彼女になれれば、彼にとってトピ主さんは本当に掛け替えのない存在となっていけるような気もします。

「近くにいられる相手」がいいのか、どうしても「彼」がいいのか


もちろん、「我慢や無理をしてまで、そうすべき」と言っているのでありません。つらい恋愛を続けなければならない理由はありません。ただ「彼との復縁」を望むのであれば、今後は遠距離でもうまくやっていける形を探らなくてはならないですよね。トピ主さんが本当に「彼中心の生活から切り替えられるかどうか」という点は、十分に考えたほうがいいと思います。海外にいる相手と月に1回以上会うのは難しいでしょうし、「無理をして我慢する」ではなく、本心から「会えなくても大丈夫な自分」に変われなければ、復縁してもうまくいかない可能性が高いように思います。

何か新しい趣味を始めてみるとか、仕事やキャリアアップ、資格取得に励んでみるとか、恋愛以外の何かに没頭できそうでしょうか。「恋愛が一番大事で、それがない日々は考えられない」というならば、近くにいられる別の男性を探したほうが、結果的には幸せを感じられるかもしれません。あるいは、二人がどうしても「一緒にいたい」「遠距離で心が離れるのが怖い」と思うならば、どちらかが仕事を辞める、あるいは転職するなどして、近くで暮らせる暮らしを作っていく……という選択肢もありますが、そうした選択は難しそうでしょうか。

自分は「恋人のいない生活」も楽しめる人間になれそうか。なれそうにないならば、別の恋愛を探すか、あるいは彼と一緒に暮らす手立てを考えるか――。寂しさから焦って復縁を迫るのではなく、まずはそうした選択について、落ち着いて考えてみましょう。

「期間限定の今」と考えて。復縁したければ強くなろう


彼は今、慣れない環境で精一杯でしょうし、復縁について考える余裕もないのかもしれません。しばらくは連絡を控え、お互いに「どうするのがベストか」を自問自答する時間を作ったほうがいいようにも思います。その上で、「遠距離でも絶対に前向きにやっていくんだ」と決意できたときには、その旨を“明るく”彼に伝えてみましょう。時間を置けば彼の気持ちにも変化があるでしょうし、復縁を承諾してくれるかもしれません。

復縁できたら、海外にいる彼の苦労も思いやりながら、恋愛以外のことも楽しみながら、前向きに暮らしていく。そして彼と連絡をとったり会ったりできるときには、できるだけ元気で魅力的な自分でいる――。そんな風にできれば、遠距離期間も乗り越えられる確率はグンと上がると思います。「彼は一生、一緒にいたい相手だし」と長い目で見てみれば、「何十年かのうちの、たった1年や2年くらいのこと」と思えるかもしれません。「期間限定の今なのだし、今しかできないことをして有意義に過ごそう!」なんて考えてみるのもいいと思います。

大きな試練だとは思いますが、これを乗り越えれば、より確かな絆が生まれることもあるでしょう。愛を貫くためには、強くならなければならない時もあるもの。泣いてすがるだけではない、愛の強さを見せていきましょう。復縁が叶うよう願っています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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