別れて1年も経つのに…忘れられない、大好きな彼を吹っ切る方法

30歳の女性から発言小町に「好きな人の忘れ方を教えてください」という投稿が寄せられました。

トピ主さんは、1年近く前に振られた彼を忘れられず、悩んでいます。「結婚を焦り、彼との信頼関係を築けなかった」ことが破局原因のため、「過去の自分にとても腹が立っている」というトピ主さん。周囲のアドバイスに従い、この1年間出会いの場に出かけたり、いろいろな男性とデートをしたりしてきたものの、「油断するといつも彼のことを考えてしまい、全然だめ」とのこと。「どうしたら彼のことを忘れることができるんでしょうか」とアドバイスを求めています。

目次

“彼の幸せのために彼を忘れる”では、立ち直れない


気がつけば彼の職場の近くをうろうろしてしまい、「自分にはストーカーの気があるのかとろうばいした」……なんてエピソードも披露されており、トピ主さんは相当につらい状況であることが伝わってきます。「この行動はマズいと思い、今はやめている」とのことですが、よくぞ踏ん張りました。恋を忘れるために、ある程度の時間は必要です。1年間、頑張ってきましたね。ここから立ち直っていきましょう。

投稿には、「私にできることは、彼の人生から消えることだと思っている」「そのために、彼を忘れる方法を探している」という記述があります。「彼の幸せのために、彼を忘れなくちゃ……」と思っている様子ですが、本当にそうする必要はあるのでしょうか。直接的に関わらなければ、遠くで勝手に好きでいるだけなら、別段、彼に迷惑をかけることはないはず。ただ想い続けるだけならば、極端な話、一生ずっと彼を好きでいたって構わないのではないでしょうか。

意地悪な問いかけをしてごめんなさい。こう書いたのは、大切なことに目を向けてほしいからです。「彼のために忘れなくちゃ」といっているうちは、現状を変えるのは難しいです。彼を忘れたいのは「彼のため」ではなく、「トピ主さん自身がつらいから」ではないですか? 自分の心が「もうこんな状態は嫌だ!」と叫んでいるのではないですか? 「彼の幸せのために」というと美しくは聞こえますが、それは結局「私はまだ彼の人生に関わっていたい」という執着心です。

彼を忘れるのは誰のためでもなく、トピ主さん自身のためです。「私は私のために、次の幸せを探すんだ」。これからしばらく、毎日必ずそう口に出して唱えてみてください。ばかばかしいと思うかもしれませんが、効果はあります。意識のなかから変えていきましょう。

彼だけでなく“結婚できたかもしれない未来”にも執着している可能性も


トピ主さんは今、動かなくなった壊れたおもちゃを握りしめて「どうにかこのおもちゃを直してよ!」と泣き叫んでいる――そんな状況にも見えます。きっと今はまだ「壊れたおもちゃ(失った恋)」から手を離してしまうのが怖いんですよね。もう動かないとわかっていても、手ぶらになってしまったらひとりで生きていけないような気がしてしまう。そんな心境なのでしょう。

結婚願望の強いトピ主さん。もしかしたら「彼本人」だけでなく、「彼と結婚できたかもしれない未来」にも執着しているのかもしれません。彼と破局したのは、トピ主さんが結婚を焦ったことが理由だとか。つまり「早く結婚したい」という気持ちが、破局を招いただけでなく、失恋からの立ち直りも滞らせていることにもなります。焦れば焦るほど、無駄な時間を費やしてしまっている。それは非常に望ましくないことではないでしょうか。まずは「結婚を焦る気持ち」を手放す努力から始めてみるのもいいと思います。

それには2つのポイントがあります。1つ目は、ある程度の経済的な安定を築くこと。「独身でいたら自分の分さえ稼いでいけない」という不安は、結婚への極端な焦りにつながります。計画的にお金をためる、節約を考える、転職や資格取得等に励むなどして、「最悪、ひとりでも大丈夫かな」と思える程度の生活設計ができると、無用な焦りからは解放されやすくなるでしょう。

2つ目は、新しい人生設計を立てること。今までは彼と一緒の人生プランを描いていたのでしょうが、それが無くなり、今後が「白紙」になってしまった。ここからどう生きていけばいいかわからないから、過去のプランに執着してしまうのかもしれません。

せっかく新しいプランを考えるのですから、今度は男性がひとり消えただけですべて白紙になってしまわない、自分を主軸にしたプランを作ってみましょう。“パートナー次第”の人生設計ではなく、「私はどう生きていきたいか」を考えてみるのですね。仕事や趣味などで、どんな目標を達成したいのか。どう稼いで、どんな暮らしを作っていくのか。結婚生活が人生の目標なら「私は何が何でも早く結婚して専業主婦になる!」というプランだって構わないのですよ。”自分主体”でそう決めるならば、それに合った相手を選ぶべきだ、と気づけるでしょう。

ゼロから新しいプランを作っていくのは大変だと思います。でも、物事は考えよう。プランが白紙になったときは、大きなチャンスでもあるのです。もしかしたら、今までのプランよりもっとすばらしい未来を手にできるかもしれないのですから。元彼より大好きな男性と出会い、満足のいく結婚ができるかもしれません。失恋のおかげで仕事に奮起して、憧れのキャリアが得られるかもしれません。もちろん、そうした幸運に恵まれるためには自分自身の努力も必要ですが、「彼と別れたからこそ得られる未来」は必ずあるはずです。そんなふうに思ったら、少しはワクワクしてきませんか? 

人生に訪れるチャンスは、一度ではありません。ご自分の“失敗”を責めているようですが、今回得られた経験を生かし、次のチャンスで成功できたならば、その失敗は「成功の要因」「価値ある失敗」に意味を変えていきます。「次は絶対、同じ失敗を繰り返さない!」と決意していけば、彼との恋愛は必ずトピ主さんの未来に生きる財産となるでしょう。

“自分を幸せにする”と決めれば、恋愛での行動は大きく変わる


最後に、彼を忘れるために多くの男性とデートをしたのに効果がなかった、その理由をお伝えします。それは、トピ主さんが「私は私を幸せにするんだ!」と心から思えていなかったからです。

本気でそう思えている女性は、たとえ前の恋が忘れられなくても、自分に関心を向けてくれる男性がいたら、まずは向き合ってみようとするでしょう。「未来のない相手にしがみついていても、私は幸せになれない」と自覚し、つらくとも元彼から気持ちを切り離そうとするでしょう。

つまり、「彼や誰かに幸せにしてもらおう」ではなく、「私は私を幸せにする!」と本気で決意できたとき、恋愛での行動や選択は大きく変わってくる……ということです。トピ主さんもその決意ができたときに、きっと大きな変化が訪れるでしょう。「私のほうを見てくれない彼に執着し続けて、こんな日々、本当に楽しいのだろうか?」「彼にしがみついていて、私の人生、これで幸せなのだろうか?」と思えるようになり、本当の意味で彼のことを終わりにできるはずです。

もう少しは時間がかかるかもしれません。でもいつか、ここに書いてあることの意味が実感できる日がくると思います。1日でも早く、未来に舵を切れることを願っています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事