ここに気をつけて! 付き合う前の鉄板“映画デート”に潜む思わぬ落とし穴

映画は、距離を縮めたい相手とのデート先として鉄板ですよね。

相手を誘いやすく、会話をせずに時間を過ごすことができ、その後の会話も映画の話をすればいい。こうしたお手軽さから、付き合う前のデート先に映画を選ぶ人は多いのではないのでしょうか。

しかし、映画デートには思わぬ落とし穴があります。それは、上映後の何とも言えない沈黙の時間。映画が終わり、照明がつき、おもむろにみんなが立ち始める……あの時間です。

目次

話題選びが難しい


私自身、友達と映画を見るときでさえあの時間はとても苦手です。満場一致、文句なしの面白い映画ならば終わった瞬間「面白かったね!」と言えばいいのですが、問題は結末が微妙で賛否両論ありそうなとき。

無理に「面白かったね!」と言うのは相手から「え、そうだった…?」と返されるリスクがあります。そうなったらかなり気まずい空気が。
逆に「なんかつまらなかったね」とマイナスの評価を言うのも、「え、面白かったよ俺は」と返される場合があります。第一声でプラスかマイナスかの評価を口にしてしまうのは避けたほうがいいでしょう。

かといって、「どうだった? 面白かった?」と自分の感想を言わずにいきなり相手の感想を聞いてしまうのも何だか失礼です。相手もこちらの出方を伺いたいはずです。

映画自体への評価をくださずに「あの俳優さんかっこよかったね~」といった別の要素に言及するのが無難のように思えます。しかし、これはこれで「映画を見たのに俳優の感想か」と映画の中身を見ていないような印象を与えてしまいます。同じように、「あの監督って~」とウンチクを語りだすのもNGといえるでしょう。

映画デートの目的は何か


なんだか八方ふさがりのようにも思える「上映後の沈黙の破り方」。何かいい方法はないのか。結局、「いや~~」と、相手の出方を探りながら妙な声を出すしかないのでしょうか。

ここで、一度原点に戻って考えましょう。映画デートの目的とは何か、ということです。映画デートの目的は映画を見ること、ももちろんあるでしょうが、真の目的があるはずです。相手との距離を縮める――これが1番の目的。であれば、無理に映画の感想をどう言うかに終始して気まずい思いをする必要はありません。

「上映後の第一声」のベストアンサーは……


このようにして導き出される最適のひとこと、それは、「おなかすいたね。どこか行く?」です。

この言葉には、2つ目的があります。1つは、沈黙を破り空気をほぐすこと。あえて映画とは関係ないひと言を放つことで、一気に緊張がほぐれます。緊張がほぐれれば自然と次の会話につながり相手の反応も引き出せます。そこから映画の話を合わせていけばいいでしょう。

2つ目は、最初に「どこか行く?」と促すことで映画だけ見て解散……ではなく、その後にカフェやレストランへ行くコースを相手に提示することができます。映画デートは映画だけで終わらせないことが肝。詳しい映画の感想はカフェやレストランでゆっくりしても遅くはないのです。

「ここで帰ってしまうのではなく、デートを継続させる」という最大のミッションをクリアしさえすれば、あとはこちらのもの。これで臆することなく、映画デートを提案できますね。
健闘を祈っています!
(五百田達成)

この記事を書いたライター

五百田達成
作家・心理カウンセラー。「男女コミュニケーション」「きょうだい型性格分析」「ことばと伝え方とSNS」をテーマに執筆・講演。35万部を超える「察しない男 説明しない女」シリーズほか著書多数。

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